カテゴリ: スタートレック ディスカバリー

スタートレック ディスカバリー「スタートレック ディスカバリー シーズン2」
ソネクア・マーティン=グリーン(マイケル・バーナム役)、ダグ・ジョーンズ(サルー役)、ミシェル・パラダイス(製作総指揮) 出演
オンラインファンイベント レポート

 
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「スタートレック ディスカバリー シーズン2」の日本初放送開始を記念し、去る'21年9月11日(土)に開催されたスーパー!ドラマTV主催のオンラインファンイベント。午前10時という早い時間からのスタートだったものの、開始前から専用チャットには「いよいよだー」「ドキドキ」など、待ちきれない様子のファンの書き込みが多数殺到し、日本における番組の人気の高さを伺わせる。なにしろ、シリーズの原点「宇宙大作戦/スタートレック」の全米放送が始まってから今年で55周年。世界規模の巨大なファンダムを築いてきた大人気フランチャイズ・シリーズなので、当然と言えば当然だろう。

 

 

 

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アメリカからオンラインでゲスト参加したのは、主人公マイケル・バーナム役のソネクア・マーティン=グリーン、ケルピアン人サルー役のダグ・ジョーンズ、そしてショーランナー(現場責任者)と製作総指揮を兼ねるミシェル・パラダイスの3名。遠く離れた日本のファンとの交流ともあってか、ゲストのみんなも満面の笑顔で本当に嬉しそうだ。事前にファンから募集した質問を交互に3人へ投げかけていく司会進行役は、海外ドラマ好きのラジオDJ・LUE。今回は読者にも分かりやすいよう、3人のコメントをそれぞれまとめて採録していこう。

まずは番組への出演が決まった時に「あまりにも嬉しくて屋上で歌い出した」というソネクア。『スタートレック』シリーズ初となる黒人の主人公であることも嬉しかったそうで、マイケル役を演じるうえでは「脚本をなるべく忠実に再現する」ために「想像力を逞しくすることが大事」だと役作りについて熱く語る。さらに、マイケルを「強さと弱さを兼ね備え、たとえ失敗をしてもそこから立ち上がることが出来るキャラクター」だと解説するソネクアは、「私自身も彼女からインスピレーションを受けている」とのこと。

 

 

 

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そんな彼女が「今まで一度も聞かれたことがない!」「とても良い質問!」と喜んだのが、地球人としての感情を持ちながら論理的なバルカン星人の教育を受けたマイケルになぞらえた「あなた自身は感情と論理のどちらを優先しますか?」という質問。「恐らく論理よりも感情を優先してしまう」と率直に答えるソネクア。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「本当なら50/50と言いたいところだけれど、現実的には70/30…いえ、ちょっと甘く見積もって60/40くらいで感情を優先する」と興味深そうな様子で自己分析をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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一方、オリジナル版「宇宙大作戦/スタートレック」をリアルタイムで見て育ったというダグ・ジョーンズは、「レガシーの一員になれたことを光栄に思う」と語り、初めて脚本を読んだときは「昔のシリーズとはかなり違う」「スケール的には映画に等しい」と思ったと振り返る。映画『ヘルボーイ』エイブ・サピエン役や『シェイプ・オブ・ウォーター』の不思議な生きもの役など、これまでに特殊メイクのクリーチャー役を数多く演じてきたダグだが、そんな彼にとってもサルー役の特殊メイクは大変だそうで、特に鹿の蹄のようにかかとのないブーツを履いての演技は、体のバランスを取るのが難しいそうだ。

 

また、SFドラマゆえに難解な単語や専門用語が多く、本人曰く「僕はサルーと違って頭が良くないので覚えるのが大変だった」とのこと(笑)。すかさずソネクアとミシェルが「そんなことないから!」と否定していたのが微笑ましい。そもそも、サルーはケルピアン人という『スタートレック』シリーズで初登場のエイリアン。バルカン人やクリンゴン人などと違ってお手本がなかったため、脚本家と協力し合いながら役柄を作り上げたという。

 

 

 

 

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さらに、シーズン2から番組制作に携わったミシェル・パラダイスによれば、オリジナル版「宇宙大作戦/スタートレック」を作り上げた製作者ジーン・ロッデンベリーのレガシーに敬意を払いつつ、映画を見ているようなスケール感はもちろんのこと、「現代社会が抱える様々な問題」をストーリーに取り入れることで番組を進化させているとのこと。中でも、’60年代において早くも多様性を尊重していたオリジナル版の精神は大事にしているらしく、本作でも女性キャラクターの活躍と成長が大きな要素のひとつとなっているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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番組のファンとして興味深かったのは、ソネクアとダグが語ってくれた撮影舞台裏エピソード。プライベートでも兄妹のように仲の良い二人は、撮影の合間にエアダーツ(目に見えないダーツ)をお互いに投げ合ってふざけていたそうなのだが、これがいつの間にか現場で広まって流行ってしまったそうだ。また、本作のスタッフやキャストには音楽好きが多いため、しばしば誰かが歌を歌い出すのだとか。エピソード監督をたびたび務めているジョナサン・フレイクス(「新スタートレック」ウィリアム・T・ライカ―役)もそのひとりなのだが、マニアックなミュージカルナンバーばかり選ぶため、誰も一緒に歌うことが出来ないという。

 

 

そんなこんなで、和気あいあいとした楽しい雰囲気に包まれた約1時間のオンラインファンイベント。最後に日本のファンへのメッセージを求められたソネクアは、「ファンのことをファミリーだと思っている」「ファミリーの一員になってくれて感謝します」と述べ、日本語の「ありがとうございました」という言葉で締めくくってくれた。本国では今年の11月からシーズン4の放送も始まる「スタートレック ディスカバリー」。今回のイベントで3人の親しみやすい素顔に触れ、ますます番組を応援したくなったというファンも多いことだろう。

 

 

 

 

SdTV_0911STDonline_002.jpg文:なかざわひでゆき