ゴッドファーザー・オブ・ハーレム

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ギャング×犯罪×公民権運動という一見相容れない要素の衝突を描き、
これまでの常識を覆す視点から激動の時代を映し出すクライム・ストーリー、独占日本初放送!

見どころ

マルコムXやハーレム選出の下院議員アダム・クレイトン・パウエル・Jr.など、実在した歴史上の人物たちが鮮やかに蘇る!

エルズワース・“バンピー”・ジョンソンを演じるフォレスト・ウィテカーによる存在感ある重厚な演技はもちろんのこと、脇を固める俳優たちによる演技も目を見張るものがある。それもそのはず、ショーランナーのクリス・ブランカートによれば、フォレスト・ウィテカーの名前と、番組の企画内容を俳優たちに見せた途端、ギャラ内容よりも、とにかく関わらせて欲しいという声が集まったそうなのだ。それゆえ、どの俳優もセリフと役作りを完璧に終えた準備万端の状態で現場入りをしていたそうだ。特にクリス・ブランカートとポール・エクスタインが称賛の言葉を惜しまなかったのは、新人女優として本作がデビュー作となった、バンピーのヤク中の娘エリースを演じるアントワネット・クロウ=レガシー。大学卒業直後の彼女がオーディション会場に現れ、プロデューサーたちの目の前で演技を始めた時、ショーランナーのクリスはフォレスト・ウィテカーと目配せをしながら「彼女しかいない!」と、同じ思いを共有したそうだ。ベテランのフォレストに引けを取らない演技を見せた新人に、ショーランナーの二人は脱帽している。さらに二人が絶賛した俳優の中には、マルコムXを演じるナイジェル・サッチの名も。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が率いた、アラバマ州セルマから州都モントゴメリーまで行なった大行進を題材にした、アカデミー賞ノミネート作の『グローリー/明日への行進』で、ナイジェルはマルコムXを演じ、高い評価を得ている。今回も、「マルコムXがまるで乗り移っているかのよう」と言わしめるほどの雰囲気を醸し出し、その演技力には、スタジオに見学に来ていたマルコムXの遺族でさえ驚きを隠せなかったそうだ。特にマルコムXの甥は、あまりにも感情が昂ってしまい、その場にいられないほど感動してしまったのだという。マルコムXを演じたナイジェル当人はインタビューで、「マルコムXのことを過激な人だと思っている人が多いかもしれないが、本当のマルコムXは平和を重んじる人だった」と述べており、マルコムXの本質を芯から捉えて演技に挑んでいることがよくわかる。その他にも、「バッド・ブラッド:憎しみのマフィア」や「LAW & ORDER」のシーズン2・3でフィル・セレッタを演じたポール・ソルヴィノが冷静沈着なマフィアの最高幹部フランク・コステロを演じ、「モダン・ファミリー」、「リゾーリ&アイルズ」のチャズ・パルミンテリが、ニューヨークのマフィア5大ファミリーのひとつであるボナンノ一家のボスを演じている。まさにギャング作品に欠かせない名優たちが、この作品でも貫禄たっぷりの大物ギャングぶりを見せてくれる。さらに、アフリカ系アメリカ人初の下院議員として活躍したアダム・クレイトン・パウエル・Jr.を、「ブレイキング・バッド」や「ベター・コール・ソウル」でお馴染みのジャンカルロ・エスポジートが軽快に演じ、公民権運動の立役者として名を馳せた歴史上の政治家に新たな息を吹き込み、シリーズ全体を盛り上げている。

60年代のニューヨークギャングのストーリーから、アメリカの歴史やアメリカが抱える現代の社会問題を知る!

この物語は、特定のキャラクターや事件、場所、セリフなど、ドラマ化にあたってはフィクション化や脚色がされているものの、実際の人物や出来事に基づいて製作されたクライム・ドラマだ。ショーランナーのクリス・ブランカートとポール・エクスタインは、1年前からスクリプトを練り始め、実在のギャングを描くにあたってこれまでの典型的なギャングストーリーとは異なる全く新しいアプローチを求めていた。さまざまな人物にインタビュー取材を敢行する中で、劇中に登場するエルズワース・“バンピー”・ジョンソンの孫娘であるマーガレットに会う機会が訪れたそうだ。そこで、マーガレットから、マルコムXは毎週のようにバンピーの自宅に遊びに来てチェスをした、という話を聞き出し、新たなギャングストーリーの切り口となる着想を得たのだった。今まで描かれることのなかった、「ギャング」と「公民権運動」と「アメリカ政治」という、大きく異なる複数の視点からアメリカの歴史を捉えるという、斬新な取り組みで番組制作に挑んだ本作。公民権運動に深く関わったマルコムXの描写ひとつ取っても、歴史の教科書からは想像もつかないリアルなマルコムXが再現され、公民権運動という歴史に対する新しい視点が加わることになるだろう。当時の出来事を番組を通して観察することで、アメリカの現代社会がいまだに抱えている様々な問題-警察官による暴力、オピオイド系の鎮痛剤による薬物問題、そしてBLMなどに代表される民衆による社会運動などーが浮き彫りになって見えてくるはずだ。

すでに数々の賞にノミネートされ、プライムタイム・エミー賞では見事メインタイトルデザイン賞を受賞!

本作はすでに2つの賞の受賞と、9つの賞のノミネートを受けており、特にプライムタイム・エミー賞では、メインタイトルデザイン賞を受賞した。メインタイトルは、ラッパーのスウィス・ビーツ、DMX、リック・ロスらをフィーチャーした重低音の効いたオリジナルラップソング「Just in Case」をバックに、当時のアーカイブ写真と映像を使って、劇中のキャラクター写真をコラージュさせてゆくというもの。動乱の60年代のイメージを次々に映し出しながら、都会的でスタイリッシュ、かつダークなハーレムの雰囲気を見事に表現している。とにかくカッコいいオープニングタイトルであることは間違いない。
その他の賞は、NAACPイメージ・アワードで、主演男優賞(ドラマシリーズ)にフォレスト・ウィテカー、助演男優賞(ドラマシリーズ)にジャンカルロ・エスポジートとナイジェル・サッチがノミネートされ、テレビ番組ドラマシリーズ賞部門でもノミネートされた。NAACPイメージ・アワードとは、全米黒人地位向上協会(NAACP)が開催する、有色人種の社会的な地位向上に貢献した映画・テレビ・文学作品に与えられる賞で、1967年に第1回目が開催され、毎年春にNBCで授賞式が放送されている賞。この他にも、2000年から開催されている世界の映画・テレビ産業におけるアフリカ系アメリカ人の業績を表彰するBlack Reel Awardsで3部門ノミネートを果たした。最優秀助演男優賞にはジャンカルロ・エスポジートが輝いている。

ストーリー

アルカトラズ刑務所での服役を終え、11年ぶりにニューヨークのハーレムへ戻るエルズワース・“バンピー”・ジョンソン。妻のメイミに迎えられ、車の中から様変わりしたハーレムの街を眺め、再びハーレムを仕切る気構えであった。人望があり、多くの地元民から慕われていたバンピーを待つ人々が、彼の帰還を歓迎する。11年前にバンピーがハーレムを去ってからは、イタリアン・マフィアが勢力を増し、バンピーが仕切っていたハーレムの街も5大ファミリーの一つであるジェノヴェーゼ・ファミリー傘下のヴィンセント・“チン”・ジガンテが幅を利かせるようになっていた。

帰還後間もなくすると、チンの右腕ザンブラーノが、シマ内の店で狼藉を働いたという報せを受け、バンピーたちは現場へと急行する。シマが荒らされている現状を目の当たりにしたバンピーは、服役中に奪われた縄張りを取り戻すためにチンの拠点へと乗り込んでゆく。これからもハーレムは自分のシマだということを主張し、シマで稼いだ売上の一部は上納するよう交渉を試みるも、チンに「時代は変わった」と一蹴されてしまう。しかしそこでバンピーは「俺は変わっていない」、「ハーレムは俺のもの」と、アジト内でショットガンを発砲し威嚇する。

敵地に乗り込んで騒ぎを起こしたバンピーらに、チンからの報復が下ることは時間の問題となり、バンピーの側近たちはそれを恐れていた。そんな頃、バンピーは偶然、チンピラ時代から知り合いだったマルコムXと再会する。今やネーション・オブ・イスラムのスポークスマンとして公民権運動や黒人解放活動を勢力的に行なっていたマルコムXは、全米中で絶大な影響力を持っていた。マルコムXは、麻薬がハーレム中に蔓延し、ある一角の住宅地がヘロイン取引や中毒者の巣窟になっていることを嘆き、住宅棟の閉鎖を望みバンピーに協力を要請する。ジェノヴェーゼ・ファミリーによって仕切られていた一角だったが、縄張りを取り戻したいバンピーと、住宅棟の閉鎖を望むマルコムXとの目的が完全に一致し、二人は同盟を組むことになった。

そんなある日、メイミの友人が相談を持ちかけてくる。彼女の息子のテディが、白人女と行方をくらませて困っているのだと言う。女の名はステラ・ジガンテといい、まさに宿敵のヴィンセント・“チン”・ジガンテの娘だった。バンピーはマルコムXのネットワークを借りてステラとテディを捜し出し、チンに奪われたかつての縄張りを取り戻すためのテコとしてステラを人質に取り、利用することを企てる。

各話あらすじ

放送時間

キャスト

エルズワース・“バンピー”・ジョンソン/Ellsworth “Bumpy” Johnson

アルカトラズ刑務所から出所し、11年ぶりにかつてのシマであるニューヨークのハーレムに戻ってきた黒人ギャングのボス。投獄前まではハーレム一帯を仕切っており、地元住民のために惜しみなく援助を授けたことで地元から絶大な支持を得ている。イタリアン・マフィアに縄張りを支配されるようになってからは、かつてのハーレムを取り戻すべく、今の元締めとされているヴィンセント・“チン”・ジガンテと対峙することに。改名前の若きマルコムXとはチンピラ同士だったことがあり、古くからの知り合い。妻メイミと小さな孫娘のマーガレットと暮らしているが、実はヘロイン中毒で売春婦の娘エリースがいる。読書家で詩人でもある。

フォレスト・ウィテカー Forest Whitaker

1961年7月15日、米テキサス州ロングビュー生まれ。1982年に『初体験 リッジモンと・ハイ』でスクリーンデビューし、以来ハリウッドで最も評価されている俳優のひとり。幅広い作品を通して多様な役柄を演じ分けて才能を発揮し、俳優、プロデューサー、監督、人道主義者など様々な顔を持ち、活躍の場を広げている。これまでの映画出演作は90本以上に及び、代表作は、『バード』、『プラトーン』、『グッドモーニング、ベトナム』、『クライング・ゲーム』、『パニック・ルーム』、『テレフォン・ブース』、『フェノメノン』、『ラストキング・オブ・スコットランド』、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、『ブラックパンサー』など。88年の『バード』では伝説のサックス奏者チャーリー・パーカーを演じ、カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。2007年のアカデミー賞を総なめにした『ラストキング・オブ・スコットランド』では、主演男優賞に輝く。テレビ作品では、プライムタイムエミー賞テレビ映画部門を受賞した「ドア・トゥ・ドア/バッグに愛とまごころを…」や、「Empire 成功の代償」、「クリミナル・マインド 特命捜査班レッドセル」、「ER XIII 緊急救命室」などの人気シリーズ番組で活躍。俳優としてだけではなく、『ため息つかせて』や、サンドラ・ブロック主演の『微笑みをもう一度』などでは監督業も手がけている。

メイミ・ジョンソン/Mayme Johnson

バンピーの不在中、地元の知人や友人たちに支えられながら、夫の帰りを待っていたバンピーの妻。独立心のある芯の強いアフリカ系アメリカ人女性で、ヘロイン中毒の母親から引き取ったマーガレットというバンピーの孫娘を娘として育てている。

イルフェネシュ・ハデラ Ilfenesh Hadera

1985年12月1日、米ニューヨークのハーレムに生まれ、現在も在住。2017年の『ベイウォッチ』でドウェイン・ジョンソンの恋人役を演じ一躍有名になる。代表的なテレビ出演作品のひとつに、1980年代のヨンカーズの住宅危機を描いた実話のHBOミニシリーズ「HERO 野望の代償」があり、ドミニカ共和国出身のシングルマザー役を演じた。また、NBCの「シカゴ・ファイア」や「ブラックリスト」のほか、Showtimeの「ビリオンズ」では、堅実なアシスタント、デブ・カウィ役を演じている。最新の出演シリーズ作は、ネットフリックスの「シーズ・ガッタ・ハヴ・イット」。

エリース・ジョンソン/Elise Johnson

父親から見捨てられ、十分な愛情を注がれなかったバンピーの娘で、窃盗や売春婦をしながら麻薬代を稼ぐヘロイン中毒。かつてマーガレットという娘を産んでいるが、娘には会うことは許されていない。

アントワネット・クロウ=レガシー Antoinette Crowe-Legacy

イェール大学演劇学部の2018年MFAプログラムを卒業したばかりの才気あふれる新人で、本シリーズが本格デビュー作となる。2018年の卒業時に、フランシス・マクドーマンドやメリル・ストリープが過去の受賞者として名を連ねている、同大学のCarol Finch Dyeアワードを受賞している。

マルコムX/Malcolm X

ネイション・オブ・イスラムの主要スポークスマンとして、世界的なアイコンとなった公民権運動活動家。元ハーレムのチンピラで、バンピーとはかつての仲間同士。犯罪から足を洗うきっかけをくれたバンピーには恩義を感じている。

ナイジェル・サッチ Nigel Thatch

1976年8月8日生まれ。代表作にCWのスリラーシリーズ作「Valor」や、NBCのヒットシリーズ「American Dreams」があり、本作で演じた役がきっかけとなり、アカデミー賞ノミネート作の「グローリー/明日への行進」でのマルコムX役を獲得した。シカゴのマイナーリーグチームChaumburg Flyersでピッチャーとして所属していたことがある。

テディ・グリーン/Teddy Greene

メイミの友人デリアの息子でアフリカ系アメリカ人の青年。イタリアン・マフィアのボスであるヴィンセント・”チン”・ジガンテの娘ステラの恋人。当人たちの家族が二人の関係に憎悪を抱く中、恋人と危険な逃避行を試みる。音楽の才能があり、地元のシンガーのバックバンドを務めている。

ケルヴィン・ハリソン・Jr. Kelvin Harrison, Jr

1994年7月23日、米ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。A24の 『イット・カムズ・アット・ナイト』での演技が絶賛され、同年にゴッサム・インディペンデント映画賞のブレイクスルー演技賞にノミネートされた。その後、『WAVES/ウェイブス』で主演を果たし、ブラック・リール・アワードで最優秀新人演技賞を受賞した。その他の映画出演作品には、クリステン・スチュワートと共演した『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』や、ダコタ・ジョンソンとの共演作『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』などがある。テレビ出演作は、FOXの「運命の銃弾」や、犯罪ドラマの「STARTUP スタートアップ」など、幅広いジャンルの番組に参加している。ミュージシャンの家庭に育ち、ピアノとトランペットが演奏できる。

ステラ・ジガンテ/Stella Gigante

イタリアン・マフィアのボス、ヴィンセント・”チン”・ジガンテの22歳の娘。アフリカン・ミュージック好きが高じて出会ったミュージシャンのテディと恋愛中だが、周囲からは関係を阻まれている。理解を得られない父親の元からヘロインを盗み出し、それを資金源としながら恋人と逃避行を計画するが……。

ルーシー・フライ Lucy Fry

1992年3月13日、豪ブリスベン市内ウールーウィン生まれ。これまでの出演作品には、ウィル・スミスとジョエル・エドガートンと共演を果たしたネットフリックス映画の『ブライト』や、トーマス・マンとの『プレッピー・コネクション』、『ヴァンパイア・アカデミー』などがある。Huluの8話構成のミニシリーズ「11.22.63」では、主演を務めている。

アーニー・ヌンツィ/Ernie Nunzi

ジェノヴェーゼ・ファミリーに憧れる若きマフィア。ボスであるヴィンセント・“チン”・ジガンテから、娘ステラをデートに誘い出し、テディを見つけ出して殺害するよう命じられる。実際に幼馴染でもあるステラには恋心を抱いている。

ラフィ・ガヴロン Rafi Gavron

1989年5月28日英ロンドン生まれ。ブラッドリー・クーパー監督、レディー・ガガ主演の大ヒット映画『アリー/ スター誕生』にアリーのマネージャー役で出演。アンソニー・ミンゲラ監督『こわれゆく世界の中で』での演技で、BIFA(英国インディペンデント映画賞)の最優秀新人賞にノミネートされている。その他の出演作に、ジュリア・ロバーツと共演したAmazonオリジナルの「ホームカミング」や、ジョージ・クルーニーがプロデューサーと主演を務めたHuluオリジナルドラマの「キャッチ=22」などがある。

作品基本情報

原題:GODFATHER OF HARLEM
データ:2019年/アメリカ/字幕/60分/今回シーズン1全10話/HD作品
製作総指揮:ジェームズ・アシェソン、マークアン・スミス、ジョー・チャペル、フォレスト・ウィテカー
出演:フォレスト・ウィテカー、ナイジェル・サッチ、イルフェネシュ・ハデラ、ルーシー・フライ