レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー: インタビュー

リーヴ・シュレイバー&ジョン・ヴォイト競演!
スキャンダラスなハリウッドの裏側をハードボイルドに描く、米エンターテイメント界大絶賛の野心作!

インタビュー

リーヴ・シュレイバー インタビュー(シーズン3)

撮影は順調ですか?

順調だよ。またみんなに会えてうれしい。新しい脚本家と撮影クルーも加わったから、そういった新しいメンバーのことを徐々に知りつつ、これまで一緒に働いてきた人にまた会えて楽しいんだ。

シーズン3はこれまでに比べ、よりダークで心理的な展開になると聞きましたが、それについてはいかがですか?

そうなんだよ。シーズン3の始まりでは、レイはちょっとさまよっている感じなんだ。家族からも、友だちからも、仕事からも遠ざかって、しばらくひとりで生きている。そしてちょっと疲れてもいる。

シーズン3で他のキャストの皆さんと再び集まった感想は?

不思議なことに、みんなが集まる機会はあまりなくて……。広告用の写真撮影とか、PRのイベントなんかは、みんなが集まって本編の撮影を気にせずに楽しめるいい機会なんだ。いつもすごく楽しい時間になるね。みんなが集まるとふざけあいが過ぎて、ちゃんと仕事をこなすのが難しくなるくらいだ。

シーズン3の宣伝写真はなかなかアクティブなシーンでしたよね?はしごを登ったり、ビルの端につかまったり。怖かったですか?

家に帰るために、しなければいけないことをするだけさ。2人の息子が帰りを待っているからね。何もしないで座っていても、仕事は終わらない。だから必要なことは何でもするよ。あのシーンは少しやりすぎだったかもしれないけど。すごいエネルギー溢れる写真家だったから、なんとか僕もついていこうと思ってね。

写真撮影の中で、印象に残ったテーマやシーズン3を包括するようなテーマはありましたか?

テーマについては分からないけど、アクティブな撮影だったね。アクティブに動き回るレイを撮りたかったんだと思う。それと圧倒的な富と、モラルの面で荒廃しているロサンゼルスの街との融合もシーズン3ではテーマになっているかな。金がものを言うという考えも。宣伝チームでは“ハイアー・パワー”っていうフレーズを使っているのを聞いたよ。“Higher Power(人知を超えた存在)”と“Hire Power(雇用によって得る力)”をかけたフレーズだ。レイはお金を出せば雇うことができる存在だからね。だから“ハイアー・パワー”なんだ。それが撮影のテーマかな。ダークで、ノワールっぽい雰囲気のシーンも多い。レイのいる場所も寂しい雰囲気のロケーションが多いし。あと豪邸にいるレイの画も前述の融合を意図した構成になっている。

街中の大きな看板に自分の顔が載っているのを見るのは、どんな気分ですか?

変な気分だね。僕じゃなくてレイが看板になっているわけだけど、僕の顔であるのは間違いないから、不思議な感じだ。時間が経過しても、慣れるかどうか分からない。レイを演じる前は、ある程度気付かれずに周囲に溶け込めたけど、今ではそうもいかなくなってしまった。無名時代に戻りたいと思うこともあるけど、一方では番組を楽しんでもらえているという声が聞けて、やりがいも感じている。番組を褒めてもらえるのは、すごく気分がいい。自分の仕事が気に入ってもらえているという感覚がね。けどやっぱり自分の顔をサンセット通りの看板に見るのは不思議な感じだね。

本当に不思議な気分さ。最初は自分の顔が看板になっているのを見て興奮するけど、少し経つと変な気持ちになってくる。車を運転している時、息子たちが気付いて指さしたり、もしくは他の州に住んでいる家族から電話がかかってきて、「今通ったバスにあんたの顔が貼ってあった」って言われたりしてね。「どうして僕だと分かったの?」って聞くと、「鼻だよ。あんたの鼻は特徴的だから分かったんだ」って。

シーズン3のストーリーについて聞かせてください。

シーズン2で起きた一連の出来事でレイは参ってしまったと思う。シーズンの終盤には、レイはどん底にいた。絶望の中、助けを求めていたんだ。シーズン2最後の場面で、レイがカメラをのぞき込むようなカットがあったけど、あれは助けを求めるレイを表現していたと思う。そして製作総指揮のデヴィッド・ホランダーは、シーズン3の中で、家族や仕事から切り離されたレイを描こうと考えたんだ。レイはもうエズラの下で働いていない。そしてアヴィリーナアビーや子供たちとも距離を置いたレイは別宅で暮らしている。苦悩しているんだね。普段なら引き受けないような仕事も引き受け始める。少し体重も増えて、以前からひげ面だったけど、さらにひげ面度合も増している。シーズン3序盤のレイは前よりもみずぼらしく見える。

以前と比べると、レイが引き受ける仕事の質も落ちていますよね?

そうだね。ポルノ・ショーの現場から顧客を救出する仕事をしたりしてる。そんな時、アンドリュー・フィニーに出会うんだ。アンドリュー・フィニーという人物はロサンゼルスで一番の富豪であり、権力者として描かれている。少なくともトップグループの1人としてね。ルパート・マードックみたいな人物だね。彼はレイに仕事の依頼をするんだ。レイのビジネスを買い取りたいと申し出る。丸ごとね。レイは上司を持って、その人に仕えることに抵抗を感じているんだ。これまでも誰かの下で働くことは苦手だった。けれども刑務所にいる兄や、家庭と仕事、両方でのトラブルもあって、その申し出を受けることを決意する。そうしてイアン・マクシェーン演じるフィニーの下で働き始める。イアンは素晴らしい役者だ。そしてフィニーにはケイティ・ホームズ演じる美しい娘ペイジがいて、この女性が厄介だってことが後々分かってくるんだ。そこから登場人物の企みが錯綜する。

なぜレイは誰かの下ではなく、自分自身のために働くことにこだわるのでしょうか?

性的虐待の経験から、レイは常に人から認められたい願望があるのだと思う。実の父親、そしてオコナー神父に関係する過去の出来事から、心の奥底で常に不安を感じているんだ。その出来事はレイの心に穴を開けたんだけど、レイはこれまでずっとその穴を埋めようとしてきた。穴を埋めるために、レイは野心を持って仕事に臨み、彼なりに人助けをしたり、他人の世話をしたり、問題を解決してきたと思うんだ。その一方で、自分は一生チンピラのままだと感じる部分もある。自分なんかサウスボストン出身のチンピラで、金持ちの問題を解決するくらいしか能がないと感じているんだ。レイは自分のためにも、そして何より子供たちのために上を目指している。レイにとって一番の原動力となるのは、娘が誇れる父になりたいという願望だ。娘が誇りを持って、他人に話せるような仕事をしたいと思ってる。そのためにレイは力を欲するんだ。だから自分の会社を持ちたいと思うし、他の人に仕えるのを嫌う。まっとうな仕事を持ちたいと考えているんだ。皆そうだと思うけど、レイは自分なりに品格とは何かという解釈を持っていて、その理想に近づこうとシーズン3で奮闘するんだ。そういった理想は、僕たちが思うほど意味を持たなかったりするけど、それでもレイは努力する。

そこにフィニー家がつけこむのでしょうか?レイはフィニー家の財産を求めて接近するのですか?

レイが求めているのはお金じゃなくて権力だと思う。権力を持って現状を打破する可能性を求めてフィニー家に接近する。実際に状況を変えることができるのか、それがシーズン3でレイに投げかけられる問いだと思う。

シーズン3はシーズン2よりもダークになった分、派手さがなくなった印象があります。今回新しく扱うテーマについてお話しいただけますか?

派手さはシーズン3でも変わらず存在しているよ。なにせイアン・マクシェーンケイティ・ホームズが加わったわけだからね(笑)。彼らの豪華さもあるし、セックスや暴力、遊び心も健在だよ。けどハリウッドからは少し離れていると思う。シーズン3では実際にハリウッドの映画製作会社を運営する人ではなく、製作会社を所有している権力者を相手にするんだ。それは全く異なる世界なんだよね。

シーズン3では、どんな葛藤がレイを待ち受けているのでしょうか?

レイは常に最も重要な問題から逃げていると思う。その問題っていうのは自分と向き合うことだ。性的虐待の過去や父親との対立、止むことのない暴力が生み出した今の自分を直視することなんだ。過去の経験がもたらす影響とは常に格闘することになると思う。シーズン3でレイは自分を変えて、成長しようと努力する。つまり、力を手に入れることで、自分と家族のために、現状を打開できればと願っているんだ。その試みが成功するかどうかはまだ分からないけど、悪い方向に転ぶ材料が揃っていると思う。自身の精神とか人生、感情や思考を物理的なものに向けすぎると、悪い結末が待っているものだ。けど僕が脚本を書くわけじゃない。僕は演じるだけだ。だからどんな結末がレイを待っているかは分からないよ。もしかしたら、うまくいくかもしれない。たまにはレイにもいいことがあってほしいよね。

新しいテーマという話題が出ましたが、それは撮影やロケーションにも反映されていると思います。シーズン3の撮影に関してはどう感じましたか?

シーズン3では撮影する側にも新しいメンバーが加わったんだ。その中の1人にコリン・バックシーがいる。彼は素晴らしい監督であり、番組の製作と監修も兼ねるようになった。コリンはシーズン3の第1話を監督したんだけど、彼の撮影スタイルはフィルム・ノワールの映画のようなスタイルなんだ。望遠レンズの使い方が興味深かった。「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」は常々『ロング・グッドバイ』(1973年の映画)をオマージュしてきたんだけど、コリンはその点で素晴らしかったと思う。エド・ビアンキも新しく加わった、才能ある監督の1人だけど、エドとコリンはアレン・コールターから始まったノワール的な雰囲気を保ち続けていて、もしかしたら更に進化させたかもしれない。コリンの望遠レンズを使った技法は、ロサンゼルスの街のけがれた部分を生き生きと映し出しすんだ。僕はこのシリーズにおいて、ロサンゼルスの街はとても大切な登場人物の1人のように感じている。言葉は持たないけど、力強い存在感を持つロサンゼルスの街に命を吹き込むことは、とても重要なことなんだ。それがシーズン3を撮影する上で目標にしていたことの1つであるのは間違いない。デヴィッド(・ホランダー)と番組の方向性について話していた時、彼はロサンゼルスという街に焦点を当てて、金がものを言う世界を描いた番組にしたいと言っていた。その会話はシーズン3における脚本、撮影、演技のそれぞれの側面における指針となったね。

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イアン・マクシェーン インタビュー(シーズン3)

他のキャストとの共演はいかがですか?

ポーラ(アビー役)とエディ(テリー役)とは前からの知り合いで、とても素晴らしい役者だよ。リーヴ(レイ役)にも会ったことがあるが、優秀な役者だね。他にはダッシュ(バンチー役)やジョン・ヴォイト(ミッキー役)も出演しているし、すばらしい役者がそろっている。ここ3年ほどはLAで仕事をしていなかったから、この作品を見たことがなかったんだが、最近、時々仕事をするようになって、去年、6話ぐらいを飛行機の中で見る機会があってね、いい作品だなと思っていた。だから、彼らと共演することができてすごくうれしいね。

この作品に出演することになった経緯を教えてください。

年が明けてすぐに、SHOWTIME局のデヴィッド・ホランダーから電話をもらってね、「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」の出演に興味がないか聞かれたんだ。しばらくLAで仕事をしていなかったから、半年間ぐらいここで過ごすのもいいと思ってオファーを受けることにしたんだよ。いつもなら脚本を全部読んでから出演するかどうかを決めるから、自分でも予想外さ。どんな役どころなのか分かっていた方がもっと楽しめるからね。でも今回はいつもの手順は踏まずに出演を決めたんだ。様々な監督が演出を手掛けているし、登場するキャラクターは強烈、ケーブルテレビで放送が続いているシリーズ作品だからね。ネットワークの作品には出演する機会がよくあったから、ケーブルテレビからオファーがあれば、どんな役か分からなくても出演したいと思っているんだよ。以前NBCで放送された「KINGS」に出演した時は、作品自体は非常に面白かったんだが、シーズンの途中でNBCの状況が変わってしまって次のシーズンが制作されなくてね。ケーブルテレビの作品だったら状況は違っていたかもしれないよ。しかし、ここ最近に放送された「The slap」(ABC)や、ジョン・リドリーの「American Crime」(ABC)なんかを見ていると、ネットワークもケーブルに追いついて来た感じがするがね。

演じる役どころについて教えて下さい。

どう演じようかまだ模索している段階でね。ただ、上等なスーツを着て大きな金の腕時計をしているような、ありきたりな億万長者を演じるつもりはないよ。他にはいないようなキャラクターにするつもりさ。

私が演じる役はアンドリュー・フィニーだ。映画会社を経営している億万長者で、父親は犯罪者だったから、レイを雇うことに抵抗はなかった。レイには自分の子供たちの面倒を見てもらうために仕事を依頼する。子供の1人(ペイジ)はケイティ・ホームズが演じているんだ。フィニーは自分がやってきたビジネスからそろそろ引退をしようと考えていて、一方で子供たちは彼の跡を継ぎたがっている。そこで、2人の子供がどんな動きをするのかレイに目を光らせてもらうことにするのさ。まだ第3話しか撮影していないからよく分からないが、娘はある別の目的があって映画会社を売却しようと企んでいるようだが、そうはいかない。フィニー自身は望んでいないはずさ。

たくさんのキャラクターが登場しますね。

「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」の素晴らしいところは、複数のストーリーが展開していくところなんだ。だから番組を見るのが楽しみなんだよ。思い起こせば、「デッドウッド ~銃とSEXとワイルドタウン」に出演した時も、ストーリーがどんな展開になるのか分からなかったから番組を見たものだよ。いつもなら自分が出演した作品は、自分で演じてストーリーが分かっているから見ないからね。今回も「デッドウッド ~銃とSEXとワイルドタウン」の時と同じように、ホランダーや脚本家たちが練り上げた構想の中で、他のキャラクターのストーリーがどんな展開になるのかを見るのが楽しみだね。

ペイジとの関係について教えてください。

ペイジフィニーの娘で、2人の子供のうちの上の子にあたる。かなり強烈な性格の持ち主でね、私の助手のヴァリック・ストラウスと結婚している。ヴァリックは私の助手だということしかまだ言えないね。娘が自分の助手と結婚しているんだから、複雑な関係さ。フィニーと娘との間には明らかに確執があるようだな。私自身、娘がいるから非常によく分かるんだ。

レイとはどんな経緯で関わり合うことになるのですか?

街の事情に詳しいレイを助手のヴァリックが屋敷に呼び寄せたことから知り合うことになる。フィニーは息子の問題を解決しなければならないんだが、そのあたりの事情に疎くてね。そしてレイに会ったフィニーは、我が道を行くレイに興味を持つんだ。レイフィニーに興味を持ったんじゃないかと思うね。レイは父親のミッキーと複雑な関係にあるし、親父と同じような年老いた悪党にどことなく興味をそそられるんだろう。フィニーレイと同じように親子関係に問題を抱えている。ただ、レイは親父のような年老いた悪党が嫌いなわけじゃない。エリオット・グールドが演じていたエズラは父親のような存在だったようだからね。エリオットも素晴らしい役者さ。それにしても、エリオット・グールドにジョン・ヴォイトに、この作品にはいいキャストが揃っている。

フィニーはレイの心情に付け込むのでしょうか?

フィニーレイの願いを叶えた見返りにレイを“買い取る”ことになる。兄のテリーを刑務所から出したいレイは、フィニーが上院議員とつながりのあることを知って、フィニーに頼みごとをするんだ。一見、親切心から大富豪のフィニーレイのためにひと肌脱いだと思うかもしれないが、ゆくゆくはレイフィニーの後始末をすることになるんだよ。

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ケイティ・ホームズ(シーズン3)

「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」のキャストとの共演はいかがですか?

素晴らしい時間を過ごしてるわ。この作品のファンだったから、この場にいられて本当にうれしいの。脚本はとても素晴らしいし、他のキャストの演技は最高だから、すごくいい環境で仕事をさせてもらってる。

出演することになった経緯は?

前からこの作品が大好きで、オファーの電話をもらって出演を決めました。脚本もプロダクションも共演する俳優陣も素晴らしいから、出演できることにワクワクしたわ。

演じる役どころについて教えてください。

私が演じるペイジは一筋縄じゃいかない女性実業家ね。家族の中で権力を握ろうと躍起になってる。そのことで仕事の上だけじゃなくプライベートでもレイと衝突することになるの。

フィニー家について教えてください。

ものすごく大きな権力を持ってる家族よ。レイフィニー家の仕事を引き受けることにするんだけど、レイにとってフィニー家は別世界の人たちなの。だからレイは全くの未知の世界に足を踏み入れることになる。大金が動くビジネスの世界にね。

今シーズンは華やかなセレブの世界というより権力者の世界が舞台ということですね。

大金が動く世界よ。

フィニー家の父を演じるのは?

ペイジの父、アンドリュー・フィニーイアン・マクシェーンが演じるわ。貫禄のあるとても素晴らしい俳優よ。

ペイジがレイと関わり合うことになるきっかけは?

ペイジはある仕事をレイに依頼するの。彼女はサンディエゴのフットボールチームを買収しようと目論んでいて、クライアントの一人からある依頼を受けてレイに手伝ってもらうんだけど、最終的には自力で何とかする。目的のためならだれかをひどい目にあわせることだって厭わないんだから、タフな女よ。どんな相手でも恐れないの。

矯正器具をつけての演技は問題ありませんか?

オクラを口いっぱいに入れるよりはマシね(笑)。慣れようしてるところよ。問題ないわ。

シーズン3の見どころを教えてください。

様々なキャラクターが登場するし、いろんなストーリーがテンポよく展開するわ。ドノヴァン家では様々な出来事が起こるし、それぞれの家族に変化が生まれることになるし、レイフィニー家との関係がどうなるのかも楽しみね。とにかく私はこのドラマのすべてが気に入っているわ。

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リーヴ・シュレイバー 独占インタ ビュー (シーズン2)

俳優としてのあなたにとって、そしてあなたのキャリアにとって、「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」はどのような意味を持つ作品なのでしょうか?

言うまでもなく、「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」の放送とヒットによって、僕と僕の家族たちへの注目が大きくなったわけだけど、それは必ずしも嬉しいことばかりではないんだよ。でも、このドラマに対する評価が本当にすごく好意的なのは、とにかく素晴らしいことだ。皆が楽しんで賞賛してくれて、ヒットしている作品に出演できるというのは、いつだって気持ちの良いものだ。視聴者と仲間たちから称賛されたら、この上なく素晴らしい気持ちになれるものなんだよ。「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」に対する反響もすごく良いしね。僕のキャリアについてだけど、映画界では、或る程度、一番最近にした仕事で評価されるといったところがあるから、「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」が高く評価されるということは、僕にとっても良いことなんだよね。もう1つは時間だ。そもそも僕が俳優になった理由の1つは、あちこち動き回ったり、或る一定のレベルの多様性を保てる生き方ができるからだったんだけど、1年のうち6ヶ月も拘束されてテレビ・ドラマの仕事をしていたら、そういう生き方をするのはむずかしくなる。でも、そうは言っても、今では僕には子供たちも居るし、僕もいつかは大人にならないといけないということなのだろうと思う。

レイは彼の気持ちを表に現さないことが多いですが、彼のそういうところは、演技をするのを楽にしていますか?それとも難しくしているのでしょうか?

すごく難しくしているよ。でも、それと同時に、普通とは違うやり方で表現しなくてはならないから、すごく面白い事でもある。或る人間が何かについて強く感じているにもかかわらず、それを表に出すことができないとしても、その人間が強く感じているという事実は、何らかの方法で表現されなければならない。そして、その人間が強く感じているということは、ストーリーの文脈に取り込まれていなければならない。その辺のバランスが難しいところなんだ。僕は、それを見せようとしてきたわけだけど、毎回、上手くいくとは限らない。でも、僕が初めて脚本に書かれたレイを読んだ時、そういう試みをしてみたら興味深いことになるだろうと思ったんだ。

レイは、彼自身、個人的な問題をいろいろ抱えていますよね。彼の最大の問題は何だと思いますか?それと、彼の育児スタイルは、あなた自身の育児スタイルと比べるとどうでしょう?

レイの抱えている一番大きな問題は、率直で親密な関係を続ける能力が無いことだと思う。彼はすごく大きな痛みを抱えているんだけど、彼の性分上、彼は自分独りで苦しむべきだと、そして、その苦しみは胸に秘めておくべきだと考えているように思える。おそらく、それが、彼が対処していかねばならない最も難しい問題なのではないかと思うよ。僕は実は、レイってこの上なく良い父親なのだと考えている。彼は、子供たちをこの上なく愛しているし、自分の家族にはすごく誠実だ。僕たちの育児スタイルと比べるとしたら、たぶん僕はもう少し穏やかに子供たちに接しているかな。でも、レイは子供たちの扱いがとても上手いと思うよ。

レイは、ボストンの南部地区で生まれ育ちましたが、それは視聴者にとってどのような意味を持つのだと思いますか?

南部地域はボストンの中でも柄の良くない場所なんだ。いろいろな意味で、レイの世代は、南ボストンの暴力、特に1974年のボストン暴動によって人間形成されたところがあると思う。そういうところは南ボストンのマイナス面であるわけだけど、南ボストンのプラス面は、そこに住む人間たちの間に共同体意識や忠誠心、信頼が根付いていることだろうね。レイの人格はそういうところから形成されたのだと思う。彼は暴力的な場所の出身で、そういう暴力的なライフスタイルに慣れているが、その行動様式は、実際に根底では、忠誠心や信頼、そして家族というものから形成されているんだよね。だから、レイが南ボストンの出身だという設定は、実はすごく多くの事を物語っているんだ。

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」も、最近、ケーブル局のドラマに多く登場して人気を博しているタイプであるアンチヒーローについてのストーリーだと思うのですが、レイ役の複雑性は、あなたが役を引き受けるかどうかの決め手になったのでしょうか?それと、あなたは「ブレイキング・バッド」や「ザ・ソプラノズ」、あるいは、アン・ビダーマンの「サウスランド」など、似たような特徴を備えているドラマを観たことがありますか?

うん、見たよ。僕は、あまりテレビを見ないんだ。というか、今まではあまり見たことが無かったんだけど、デヴィッド・ネヴィンズ(訳注:「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」の製作ケーブル局、Showtimeの社長)に薦められて「ブレイキング・バッド」を見たし、友人達が「ザ・ソプラノズ」を薦めるものだからそれも見た。ただし、両方とも、見たのは「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」の第1話を撮ってからのことだった。僕は白紙の状態で演じたかったからね。Showtime、とりわけデヴィッド・ネヴィンズの番組作り特徴の1つに、二重性を持たせるという考えを好むということがあると思う。その副産物として生まれるのが、アンチヒーロー、というか、コインのように異なる面を併せ持つようなキャラクターなんだよね。それがすごくうまくいっているのは、そういう二重性こそドラマ上の葛藤の根源だからではないかと思うんだ。僕がいつもシェイクスピアに惹かれるのも、その二重性ゆえだと考えている。シェイクスピアの作品では、基本的に反ユダヤ主義の時代だったエリザベス朝時代のイギリスで、強欲なユダヤ人について書かれた戯曲であるにもかかわらず、主人公に、自分は感覚も感情も情熱もあるし血だって流れる、といったことを独白で言わせているんだよね。素晴らしいドラマの鍵は、そういう二重性だと僕は考えている。だから、デヴィッド・ネヴィンズは、そういう葛藤を抱えているキャラクターを登場させるという良い選択をしたと思うし、ここ数年間のShowtimeの番組作りには本当に感心しているんだ。

あなたはエンターテイメント業界で長い間、仕事をしてきていますが、現実にレイ・ドノヴァンのようなフィクサー的な人物というのは居たりするのでしょうか?

私立探偵とか、弁護士のもとで働く人たちには会ったことはあるけれど、レイのように何でも解決してしまうような人は知らないな。

あなたが演じる役には繰り返し見られる性質があります。『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のような映画、そしては今は「レイ・ドノヴァン」でもそうですが、あなたが演じる人物たちは忠誠心が強いように思えます。そういう性質が、このドラマの成功の秘密の1つになっていると思いますか?家族に対して忠誠心を持っているという主人公の性質が人の心を捉えているのでしょうか?

実際、そうだと思うよ。君が言っていることは正しいと思う。僕たちがレイのことを気に入って感心するところは、レイには彼がやらかす酷い事を補って余りある家族への忠誠心があるからだと思う。それは、僕たちが皆、自分自身も家族への忠誠心を持っていると思いたい、信じたいと考え、家族への忠誠心に導かれた生き方をしたいと願っているからだと思うんだ。

回が進むにつれ、レイの行動の動機などがよくわかるようになってくるわけですが、それによってシーズン1とシーズン2とで役の演技に対するアプローチが変わったりしたのでしょうか?

変化があるとしたら何よりも馴染みの問題だと思う。役を演じ始める際には、役のことをとてもよく考えるものなんだよね。最初は、すごく役を分析しようとするんだ。でも、自分の役や脚本の執筆スタイル、共演する俳優などにだんだんと慣れてくると、もっとリラックスできるようになって、敢えて言わせてもらえば、自分の選択についてあまり熟考しなくなる。僕は、その方が良いやり方だと思う。直感をはたらかせて演技するようになるというやり方の方がベターなのではないかと。このシーズンの後半にかけては、観点についてとか考え方についてはそれほど気にしないで、その日その日の仕事をきっちりやり終えることに専念した。レイの役については、そういう仕事のやり方がすごくピッタリ合っているように思える。

シーズン2のフィナーレで、レイはどのような決意にたどり着くのでしょう?それから、レイは、あなたがシーズン1第1話で出会った時とは違った人間になっていたりするのでしょうか?

レイは、僕がシーズン1第1話で出会った時とは違う人間になっているのは確かだよ。レイは、第1話ではとても的確な判断を下せる人間だったと思う。彼はあの後、いろいろな意味で、私生活面でも仕事面でも非常に多くの試練を体験する。フィナーレについてネタばれさせようというわけではないが、僕の意見では、そうした体験はレイをどん底に突き落としたと思うんだ。レイは、それまでの人生でもそのような境遇に置かれたことがあるけれど、シーズン2最後のエピソードは、彼のキャラクターにすごく大きなインパクトを与えることになるんだよ。

シーズン2での撮影で、最も印象に残ったシーン、あるいは一番大変だったシーンはどのシーンだったのでしょうか?

一番大変だったのは、脚本家たちが僕にアヴィを相手に暴力を振るわせたいと考え、僕はそれに賛成できなかったシーンだ。あのシーンは嫌だったな。レイアヴィと殴り合いするなんて思えなかったからね。あれは全く好きになれなかった。一番印象に残ったのは、真夜中に海で素っ裸で泳いだシーンだと思う。あれは、一生忘れないと思うな。かなり大きな波が寄せていて、僕は泳ぎは上手い方ではあるんだけど、あの時は泳ぐことに疑問を持ったよ。

シーズン2が終わって、シーズン3やその後に続く可能性もあるシーズンに入っていくにあたり、あなたがさらに探求していくことを楽しみにしているストーリー展開や人間関係といったものはあるのでしょうか?

うーん、これって、シーズン2のフィナーレで何が起きるのかを僕に暴露させるための興味深いやり方ではあるな。(笑)このシーズンは素晴らしい俳優たちに恵まれたぜいたくなキャストが揃っていたと思う。「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」の特徴の1つに、的確にキャスティングがあると思うんだけど、僕個人にとっては、ハンク・アザリアやウェンデル・ピアース、ヴィネッサ・ショウ、オマー・ドージーたちのような、俳優と一緒に仕事ができて心躍る思いだった。彼らとは、是非また一緒に仕事をしたいね。

私たちは、テレビ・ドラマでは脚本に書き込まれた量で登場人物の寿命を推し量ることがほとんどです。私たちは、登場人物がいつまで持ちこたえるかということをいつも話題にします。でも、レイの場合、非常に複雑で暗いところがある人物ゆえ、彼のことを脚本に書くことが難しくなる前に彼のことを演じるのが難しくなりそうだと思いますか?つまり、レイのような人物を演じることは、俳優にとって負担になったりするのでしょうか?

負担になるね。「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」の製作が始まって、初めて脚本を読んだ時、レイの役はすごくミニマリズムな役だからとても興味深い役だと思った。でも、興味深い役ではあるけれど、かなりシンプルな役でもあると思っていた。僕は、自分が演じる役の名前で呼ばれてみたいなどと思ったことは無いし、仕事が終わった時に自分の役から感情的に抜け出しきれないで困るなどということも無かったんだけど、この仕事ではつらいものがあるね。6ヶ月の間、1日14時間に渡って繰り返し何度も実存的な嫌悪を感じ続けるというのは大きな負担になるものだからね。そこで、僕がすごく努力しながら実行しようとしているのは、自分の演技をひとくくりにまとめて仕事の現場に置いてくるということなんだ。それにあたっては子供たちがすごく大きな助けになってくれているし、(パートナーの)ナオミ(・ワッツ)も僕が「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」の世界にはもう居ないのだということを思い出させてくれている。僕は自分がレイであるなんて考えてはいない。そんな事は考えていないのだけれど、あれほどの痛みを感じていることをあれだけ頻繁に続けざまに身体に覚えさせていると、自分に犠牲を強いることになるんだよ。そういう事は、常に意識していなければいけないし、気をつけていなければいけない事なのだと思うんだ。

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」への出演契約に署名した時、この役を引き受けることによってすごく注目されるようになることや、自分のキャリアの上で、また役を演じる上で、こんなにも難しいながらもやりがいのある仕事になると予想していましたか?

全く予想できなかったね。本当にわからなかったんだ。僕はただ、自分がすごく好きな脚本家との仕事だということで引き受けただけで、また別の仕事が来たというだけのことだった。自分の生活にどんな地理的なインパクトを与えるかなどということは考えようとはしなかったし、注目を浴びるという点で自分のキャリアがどういう影響を受けるかということについても考えなかった。そういうこと全部は、たまたまそうなったってだけでね。僕は、その日にできることを一つ一つ頑張ってこなしていっているんだ。

クリエイターのアン・ビダーマンは、他の人たちとは違う観点を「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」にもたらしていると思いますか?

そうだね。彼女は独特の性質をこのドラマに持ち込んでいると思う。彼女無しでの「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」なんて想像できないけど、この2シーズンは同じ脚本家たちが多く仕事をしてくれた。彼らがこれからも仕事し続けてくれると良いんだけどね。僕たちは僕たちで出来る限りの事をすることになるけど、アンが居なくなることはすごく残念に思うことは確かだろうね。

あなたには『僕の大事なコレクション』という監督作品がありますが、あの映画では出演をせずに監督に専念していたことと思います。一方、今回、「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」のエピソードを監督するにあたっては、出演も兼ねていました。エピソードを監督すると同時に俳優として出演もするという経験はどうでしたか?

一番大きな問題だったのは、自分が演技しているシーンのモニターが見られないことだったと思う。僕は、テレビ・ドラマを監督する上ですごく重要なのは、臨機応変に場面転換を即興で考えるということと、シーンとシーンをつなぐそういう場面転換を調整することができるようにするために、画面上の構図を吟味することである、ということが早い時点でわかったからね。だから、モニターが見られないというのは、とても大きな問題だったんだよ。でも、キャストとスタッフは、本当にとても良く僕を支えてくれた。すごく助けになってくれたんだ。彼らは皆、自分独自の力で映画が作れるような知識豊富な人たちだから、僕はたくさんの支援を受けることができた。

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」が世界的にアピールする秘密は何だと思いますか?

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」の世界的なアピールについては、そうだね、家族ということに関係していると思う。それから忠誠心という考え方についても。あと、男らしさについての新しい定義というものにも関わっていると思うんだ。

その新しい定義というのは…?

うん、そこなんだよ。男らしさというのは定義されていない漠然としたものなんだ。男らしさが未定義だということはとても説得力がある。というのは、今どきの男たちの多くは時代遅れのルールにのっとって生きているからね。でも、女性たちは仕事をしているし、男たちが子供たちの世話をしていることだって珍しくない。男らしさは何かという昔からの概念は、説得力ある考え方によってその正当性を疑われている。僕自身のロシア系の家族をもとに判断すると、ロシアの文化や家族形態においては、男性文化を重要視しているところがある。すごく男性支配の文化/社会なんだけど、そういう規範は今や世界中で正当性が疑問視されている。そういう男性支配主義が優勢になっている国ほど、「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」に心を動かされる人が多いんじゃないかと思うんだけど、それって理にかなっているかな?

ジョン・ヴォイトのパフォーマンスを、あなたはどう評しますか?それと、ジョンはエミーにノミネートされたということで、主演のあなたとの間には格別の競争があるのではないかと思うのですか?

そうだなあ、もし競争があるとしたら、ジョンの楽勝だよ。彼はすごく役の幅の広い俳優で、とても独創的だし遊び心も持っている。ミッキーのキャラクターについて素晴らしいのは、彼が見下げ果てたヤツであると書かれてあることだね。ミッキーは、そういう領域で書かれているんだけど、レイのキャラクターは、そういうミッキーのキャラクターの影にかすんでしまっているところがある。僕は、そこが良いと思っているんだ。俳優として面白いエクササイズになるからね。ミッキーは、度を超えた行動に出がちなキャラクターなわけだけど、そういう、他者に影響を及ぼすようなキャラクターが居るというのは嬉しいことなんだ。ジョンみたいな映画俳優だったら尚更だね。だから、ジョンと演技をするのは心から嬉しかったし、信じられないぐらい楽しめたよ。

あなたは、ネットワーク局の番組の仕事をしたことがあり、現在はケーブル局の仕事をしているわけですが、「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」の製作は、「CSI: 科学捜査班」の撮影はとても違うものでしたか?ネットワーク局の番組とケーブル局の番組との間の作品の質の差というのは、ずっと広がり続けていくのでしょうか?

そういう差が広がり続けていっているかどうかは確かな事ではないと思う。有料のケーブル局が上質な番組の制作と製作ペースの道を拓いたのは確かだと思うけれど。「CSI」を擁護して言えば、出演自体はそれほど異なる経験では無かった。「CSI」は、テレビの仕事がどのように進められていくのか、いかに人材が豊富なのか、特に、シリーズ物としてのストーリーの横糸とストーリー展開を考え出していく脚本家スタッフがいかに才能豊かであるのかという基準、あるいはそういう基本姿勢を僕に教えてくれたと思う。ネットワーク局のドラマは、製作のペースがケーブル局の作品よりも少しばかり速いということはあるね。ネットワー局のドラマの方がケーブル局のドラマよりも1シーズンあたりのエピソード数が多いから。そういうことで妥協しなければならないという事もあるかもしれない。でも、ケーブル局の方も、エピソードを速いペースで撮影するという流れになってきているようなんだ。つまり、両サイドが中間地点に歩み寄ってきているといった動向にあるように思える。それが理にかなっているとすればの話だが。

非常に面白いフィクションは今やTVで放映されていて、映画館では上映していないと思いますか?

そうだね。僕は、かつて映画は大人たちのためのものでテレビは子供たちのためのものだと信じていた人間の1人だからね。でも、そういう決まりは確実に逆転したと思う。大型予算作品やシリーズもの映画が増えて、映画は主として子供をターゲットにして作られ、有料ケーブル局の番組や、さらにはネットワーク局の番組さえ、大人の視聴者を狙って作られるようになったと、個人的にはそう考えている。

あなたが映画の出演を始めてから20年になりますが、撮影現場に初めて入った時のことを憶えていますか?また、『スクリーム』シリーズについていまだに憶えていることはありますか?

撮影現場に初めて入った時のことは憶えているよ。夢の中に居るような気持ちだった。これから何が起こるのか全く検討もつかなかったな。僕はノーラ・エフロンの映画にキャストされたんだけど、スティーヴ・マーティン、ロブ・ライナー、ジュリエット・ルイスなど、共演者には映画スターたちがたくさん居た。撮影現場に行って、すごい額の金が食べ物に費やされていることに驚いた憶えがあるよ。魚の薫製が手の込んだ並べられ方をした果物や野菜の上に並んでいた。コーヒーだって、カプチーノとかそういうものを飲んでいた。僕はとにかく圧倒されちゃって、自分が死んで天国に行ってしまったのかと思った。(笑)『スクリーム』シリーズは、僕にとってすごく幸運な偶然で出演できたんだ。僕が少しだけ知っていたボブ・ワインスタインから、ミーティングに来るように頼まれたので「いいですよ」と答えて、ミーティングに行ってみたら「僕に手を貸してくれないかね?今作っている映画で階段を下りるシーンを僕のために演じてもらいたいんだよ。20秒ぐらいで済むシーンだから、簡単だ。朝飯前ぐらいたやすい事だから、何も心配する必要は無い。台詞さえ全く無いぐらいだからね」と言われたので、「いいですよ」と引き受けた。ギャラなんかも大したことはなかったけど、出演してもいいと思わせるには充分な仕事だったんだ。そういうわけで、僕は階段を下りるシーンを演じた後、その事については全く忘れてしまっていた。1年後、その映画が『スクリーム』というタイトルで公開された。幸い、僕はその後の続編2作にも出演させてもらったというわけだ。

コメディへの出演の話が来たり、出演に興味を持ったりしたことはありますか?また、これから出演してみたいと思いますか?

いやあ、正直言うと今は、30分のコメディ番組よりも出たいものは無いって感じなんだ。僕は、コメディでこの仕事を始めた人間だからね。僕は一人芝居の戯曲を書いてそれを自分で演じていたんだけど、もうそういう仕事が無くて寂しいよ。演劇をしていた事で恋しく思うのは、観客との一体感だね。だから、そうだね、コメディはもっともっとやってみたいと願っているよ。

セレブリティたちの写真がネット上に流出してしまった事件についてはどう考えていますか?レイ・ドノヴァンだったら、そういうハリウッドの問題を解決することができるのでしょうか?

ああ、もちろんだよ。それはレイ・ドノヴァンの仕事だね。彼なら確実に解決できると思うよ。僕が、そういう事件についてどう考えているかについては、言うまでもなく、僕はセレブリティだし、僕のパートナーもセレブリティだから、追いかけられるのはすごく辛いし、僕たちの個人情報とか、そういう事について常に心配していなければならないのも大変だ。その解決策は、心配しないことだと思う。長い間、僕はパパラッチとかそういう人間たちに対してとても自己防衛する意識が強かったんだけど、幼い子供たちの父親になってからは、そういう態度を変えざるを得なくなった。というのは、子供たちというものは、レイダーを持っていて、親が怒ったりするとその怒りのエネルギーに気づいてしまうからなんだ。いつもとは違う行動を取るという問題ではなくて、違うように考えるという問題なんだよ。そういう事も、この業界の特質だし、僕たちを追いかけている人間たちだって、僕たちが子供を養おうとしているように自分たちの子供を養っているということを理解して、自分の気持ちの中に或る程度の余裕を持たせるように努めるしかない。とても難しいことだけれど、それも訓練だと考えている。

あなたのお子さんたちは、あなたが仕事でどのような事をしているのか、ということについてハッキリとした考えを持っているのでしょうか?また、お子さんたちは俳優になりたいという気持ちを見せたりしますか?

子供たちが俳優になりたいという気持ちを見せていると思っていない親なんて知らないけどね。特に僕の子供たちは、僕自身が俳優だから、そういう気持ちでいっぱいになっていると思うよ。でも、子供たちが僕のしている事を本当に理解しているかどうかは判らないな。この間、サッカーの練習中に(長男の)サーシャが他の子供と話していたんだけど、その子が「君のお父さんはたくさん御金を稼ぐって本当?」と聞いたんだ。そこで、僕はサーシャを見てわずかに首を振って「ノー」というサインを送った。そうしたらサーシャは「ううん、違うよ。ただ写真を撮られるだけ」と言ったんだ。彼は父親のことをそういう風に考えているんだね。ただ写真を撮られるだけだって。心が開かれた思いがしたよ。小さい子供たちは、互いに集まってはそういう事を話しているんだな、ってね。壁に止まっているハエにでもなって、子供たちのそういう面白い会話を聞いてみたいものだと思うよ。

今は何の仕事をしているのですか?

実は、今、ボストンに向かう電車の中なんだ。ボストン・グローブ紙が神父による虐待のニュースを報じた経緯について描く“スポットライト”というタイトルが付いたトム・マッカーシーの監督作品の仕事をしに行くところでね。マーク・ラファロとかマイケル・キートン、レイチェル・マクアダムズ、ジョン・スラッテリーも出ているという素晴らしいキャストなんだ。新聞と、新聞が僕たちの社会の中で果たしている役割を称賛する素晴らしいストーリーの作品だよ。

あなたの誕生日は10日以内に迫っていますが、誕生日は何をして過ごすつもりですか?

僕の誕生日には、友達とサーフィン旅行に出かけて、仕事のこととかを忘れて過ごすつもりだよ。

(2014年9月26日)

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リーヴ・シュレイバー インタビュー(シーズン2)

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」のシーズン2が始まりますが、いかがですか?

面白いよ。シーズン2がどうなるかは自分には全く分からなかった。でもこうして他のキャストにまた会えるのは嬉しい。レイをまた演じるのは不思議な気持ちがしたけど、すんなりと戻れた。何ていうのかな、無意識にレイを演じることができたんだ。舞台の仕事だと、毎晩公演があって、観客の前で演じるというプレッシャーや不安がその都度ある。それがテレビではないからね。だから、ジャケットを羽織って、カメラが回れば、役に入れる。すごくいい感じだよ。ただ、シーズン1と全く同じだと思われないようには気をつけてる。成長や変化、それにキャラクターが前進しているのを感じて欲しいからね。それが、シーズン2での新しい発見になるし、楽しんでもらえると思う。

シーズン2ではどんなことが起きるのでしょうか。

そうだな。とりあえず、レイにとってはサリーの問題がまだ解決してないんだ。あの埠頭でサリーが死に、真実を隠してFBIを騙したのは、重大な犯罪だからね。それに、レイの父親との問題は、形を変え始めていると思う。何かが変わり始めたんだ。それが興味深いし、具体的に何かは分からないんだけど、気に入ってる。レイが過去に虐待されていたことが明らかになったことで、レイの若い時の経験がシーズン2でどうやって形になって現れていくのかにも興味があるね。でも今の時点では、FBIやハンク・アザリア演じるコクランとのことでレイはかなり手一杯なんだ。

シーズン2についてもう少し教えてください。

分からないよ。でも、とにかく面白そう。ジョンと駐車場で撮影したシーンで、ミッキーに「命を救ってやった」って言われるんだけど、その時哀れな男だなって感じたんだ。それがレイの気持ちだったのか、自分自身の気持ちだったのかは分からない。でもとにかく、ミッキーがレイに自分が命を救ってやったことを知って欲しいと思ったことが哀れだなって感じた。でもミッキーにも父親としての愛情があるし、自分も愛されたい、認められたいと切実に思ってる。それに注目もされたい。その気持ちが、レイを軟化させたんだと思う。いつまで続くかは分からない。でもミッキーにお金も渡してるしね。まあ、出て行くためのお金だけど。だから、はっきりとは分からないけど、違いを感じたんだ。これからどうなるのか楽しみだよ。僕もどうなるか分からない。これから分かっていくだろうな。

シーズン2でのミッキーとレイの関係について教えてください。

ミッキーレイの間の確執は少し減ったような気がしてる。こういうことを言うと、明日にでも脚本家たちに否定されそうだけど。でも何かが確実に動いて、2人の間に少しスペースができたって感じ。それが何かは分からない。ジョンがどう感じているかも分からない。でも今は、レイにはミッキーが必要なんだ。FBIのこともあるし。FBIにミッキーの口から何があったかを聞きたいと言われ、レイはメキシコまで行ってミッキーをLAに連れ戻さなきゃならなくなる。とにかく2人の間で何かがマシになったことは確か。他にうまく説明できないんだけど、見てもらえれば分かるよ。

レイとミッキーの関係について詳しく教えてください。

レイミッキーの関係が少し良くなったような気がしているとは言え、オコナー神父のことが持ち出されれば、状況はすぐに元に戻るだろうな。多分レイは責任は全部ミッキーにあると思ってる。でも、オコナー神父の存在はレイにとってかなり複雑なんだ。神父は色々な意味でレイにとって手本になるような人だった。レイが子どもの頃、前向きに励ましたり、支えてくれた人でもあるから。その事は、レイの人を信じる能力に深く影響していると思うんだ。特に、自分に親切にしてくれる人に対してね。それも含めて、レイは責任は父親にあると思ってる。だから2人がそれをどう解決していくのかは見ものだよ。今は共生するためにお互いを必要としていて、当面はレイミッキーを必要としてる。2人がどうなるのか楽しみだ。

ハンク・アザリア演じるジェームズ・コクランはどんな人物ですか?

ハンク・アザリアが演じるのはFBIの支局長で、次期長官とも言われる将来有望な男。かなりの力を持っていて、国民にとって危険な人物であるサリー・サリヴァンを逮捕することに力を注いできた。だからサリーに何があったのか、会見を開いて発表しようとしてる。でもその前に、埠頭で本当は何があったのかを知りたいんだ。一度発表してしまえば、それが嘘だった場合自分が責任を取る事になる。それを避けたいからね。だから割と危険な人物だと言える。

レイの過去の虐待が明るみになったことは、アビーとの関係に影響するでしょうか?

過去に虐待を受けていたことが発覚したことは、レイにとってはすごく複雑だよ。それにレイの身近にいる、レイを愛する人たちにとってもかなり難しいことだと思う。その理由は、さっきも話したけど、オコナー神父との複雑な関係が、レイを身近な人たちに不信感を抱くような人間にしてしまったから。一番影響を受けたのは、おそらくアビーだろう。だから、2人の関係は不安定だよ。アビーは自分たちには助けが必要だと感じて、2人でセラピーに通い始める。ただレイはそういったセラピーには向いてなさそうなタイプだからな。特別話好きなタイプでも、自分を表現するのが得意なタイプでもないし。だからレイがそのセラピストと上手くやれるのかは分からないけど、興味深い試みではある。

レイとアビーの関係についてもう少し詳しく教えてください。

2人は何とかしようと努力してる。いつだってもがいてる。そこが2人の好きなところでもある。本当に愛し合っているし、助け合いたいと思っているし、一緒にいたいと思ってる。でも、なんと言うか…悪い癖を持った2人ではあるかな。

シーズン2を通してのテーマは何だと思いますか?

アン・ビダーマンとは、シーズン2の全体的な流れやこれからの仕事に関して話し合った。俳優としての意見と脚本家としての意見を共有できたと思う。彼女のアイディアですごく気に入っているのが、僕たちはみんな心のどこかで“知って欲しい”と強く望んでいて、知ってもらう事で愛されていることを実感する、というものだった。レイは、色々な意味でそれを切望してる。誰かに知られたい、誰かに見られたい、そのためには自分自身がさらされてもいいと思ってる。そんな時に、あるジャーナリストが現れて、自分のことを知りたいと言ってくる。きっとレイは自分を知ってもらう新たな可能性を感じたんだと思う。自分の歴史や過去や虐待とは関係のないところでね。まずそこに興味を持った。だから、シーズン2の全体的な流れの中では、どのキャラクターも“知られる”というのがポイントなんだ。この傷ついた人たちがどれくらい必死なのか、本来の自分をついに知ってもらう時、想定外の展開になるだろう。それが、ある意味みんなの本当の望みなんじゃないかな。それがシーズン2で様々な展開を生んでいく。“知る”ということとは違うんだ。例えば、娘に対する過剰な愛情は少し危険だし、ちょっと盲目的でもある。でもそれも、知ってもらうこととは違う。知ってもらうということは、ありのままの自分を受け入れて大事にしてもらうことなんだ。それで自分は満たされ、より自信が持てるようになる。

レイと娘のブリジットとの関係はどうですか?

レイブリジットのことを心から愛していると思う。でもレイブリジットに対する愛情には、過剰なほどの期待が含まれていて、それが2人の関係を難しくしてる。ブリジットレイがなりたくてもなれなかった、理想なんだ。だからこそ、期待が外れた時の失望も大きいのかもしれない。それが2人の関係を興味深く、ドラマチックにしてる。ブリジットは賢くて可愛くて才能のある女性で、真面目で、レイが持っていないもの全てを持ってるからね。それをレイはすごく大切にしてるんだ。

シーズン2で、レイにとってはどんな苦労が待っているのでしょうか。

様々な心配事を処理しなきゃいけないからね。自分自身を蝕む過去の虐待や、自分自身を知って欲しいという欲望。でもレイのような男にとって、知られるということは結構危険なことでもある。いつだって厳しい状況に置かれているし、かなり不安定なところのあるキャラクターだ。こんな男が周りにいたら怖いよ。それに、この知って欲しいという要求に従っていけば、秘密が明らかになるだろうから、面白くなりそう。まだ明らかになっていない秘密がたくさんあるからね。これは全員にとって危険なことでもある。でも真実が明かされるという可能性がある、ということはシーズン2での大きな要素になると思う。

シーズン2ではどんなことが起こりますか?

特にレイとコクランの関係や、サリー・サリヴァンについての話が、どう動いていくのかに関しては楽しんでもらえるだろうな。ボストン・グローブの記者の存在や、予測不可能なミッキーという存在も。さらには、エズラがまた正気を失いつつある。だからレイは結構忙しいよ。

シーズン2についてもう少し詳しく教えてください。

エズラは亡き妻のために、“ルース・ゴールドマン・がんセンター”を建てることに執着している。その豪華な建物を建てるために資金を集めているんだが、その建設現場には神父が埋まってる。とにかくエズラはちょっと頭がおかしくなりつつあって、知人から金を集めるのにやっきになって、レイを使う。だから、レイはサウスボストンでやっていたような仕事を、またやるようになる。金を出してくれるように、人に頼む仕事をね。

デオンテはまた様々な夫婦のトラブルを起こし、レイが上手く解決する。それにスチュー・フェルドマンも再登場するよ。また常套手段を使って、スチューのために仕事をする。スチューはあるポルノ女優と寝たいと騒いで、ブリジットを希望の高校に入れたいレイは仕方なくスチューの頼みを叶えようと動く。このエピソードはすごく面白いと思うよ。スチューを演じるジョシュ・パイスも最高。他にも、ブリジットが乗った車が警官に止められて、その車からマリファナが見つかったりする。でもそれは、コクランがレイを動かすために仕組んだことだったんだ。ブリジットを利用するなんて、間違いなくレイをキレさせるやり方だろうな。

(2014年)

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ジョン・ヴォイト インタビュー(シーズン2)

「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」のシーズン2が始まりましたが、いかがですか?

また家族が揃って嬉しいよ。今はもうファミリーだからね。去年はまだ誰もドラマを観ていない状態で撮影していたんだ。撮影が終わって少したった頃に放送が始まって、話題を集めてたくさんの人たちが賞賛してくれるようになった。だから今は、1つのチームとして成功したんだって気持ちがあるから、それがエネルギーになってる。いいエネルギーにね。また再会できてみんなが喜んでる。私はいつも、どんなシーンを撮影するか把握して、ある程度準備をして朝現場に行くんだが、ファミリーの1人と一緒の時も、新しいキャラクターとのシーンの時もすごく楽しんでやってる。私は常にセットに来るみんなに会えて嬉しいんだ。マイナスなエネルギーは存在しない。何と言ったらいいかな…みんながお互いに心地よく仕事ができてる。お互いにすごく楽しんでいるんだ。クルーも含めてね。朝顔を合わせて話をして笑い合い、セットに入り仕事に取り組むことができてとても幸せだし、それが全員にとっての楽しみでもある。シーズン1の放送で受けた恩恵にあやかりながら、楽しく仕事しているよ。いい作品を作らなきゃいけないというプレッシャーは多少あるがね。それがこのチームの在り方。シーズン1では、どのシーンもみんなで最高のものを作ったと思ってる。どんな時も全力を尽くした。それが我々みんなのやり方なんだ。全員が真剣に仕事をしているし、いい作品を作りたいと思ってる。だから、それは今も変わらない。自分たちが演じるキャラクターたちが、シーズン1のラストからどんな風に次の一歩を踏み出そうとしているのかを表現していくよ。頼りになる脚本家たちがいるから問題は何もない。アン・ビダーマンを始め、去年からずっと仕事をしてくれている脚本家や、新しく参加している人たち。シーズン1の時と同じように、我々はみんな台本を読むのがすごく楽しみでね。本当に特別な台本なんだ。まるで1つのパフォーマンスのように、本当にすごく面白い。

シーズン1の終盤でのミッキーの様子を教えてください。

ミッキーは、これまでもギリギリのところで難を逃れてきた。いつも危険なに足を踏み入れるんだ。もちろん、自分で種を蒔いてるんだがね。それがミッキーという男なんだろう。シーズン1ではミッキーのせいで罪もない人が死んでる。全体絶命の状況の中で何とか生き延びたけど、ミッキーのせいで人が殺された。シーズン1の最後では、ずっと自分を敵視してきた息子から金を渡されて、街を出るように言われる。二度と連絡するな、とね。だから、シーズン2はその続きから始まる。その後ミッキーがどこに行ったのか、どんな生活を送っているのか、家族の元に戻ることはあるのか、それが分かるはずだよ。ミッキーは街を出て行くんだろうなという雰囲気でシーズン1は終わっていたと思う。レイも、ミッキーにはもう会うことはないと思っていただろう。「過去にとらわれすぎだ」と別れ際にレイに言うんだが、ミッキーは自分の言葉通り、とりあえず酒を飲んで大騒ぎするんだ。シーズン2のオープニングでその様子が見られるよ。

シーズン2のミッキーについて教えてください。

あまりネタバレはしたくないんだが…。ミッキーは街を出て、いかにもミッキーらしく暮らしてる。しかし、早々に金がなくなり、金を稼ぐ必要がでてくる。色々考えるんだが、結局はろくでもないことでしか金を稼ぐ方法を考え付かないんだ。それで息子の1人を巻き込むことになって、結局2人の関係を台無しにしてしまう。その息子は利用されてたわけだからね。だから、あまりベラベラ話したくはないんだが、そういうことが起きる。ミッキーが自分勝手に気ままに自滅への道を進んでる頃、ハリウッドではレイミッキーのした事の後始末に追われている。しかしミッキーのしたことがあまりに大きくて、結局レイミッキーを連れ戻しに行かなきゃならなくなる。ミッキーの口から事情を説明させるためにね。レイは、ミッキーが刑務所に入ることまでは望んでない。でもミッキーは何よりも自由な精神の持ち主だからね。自由を一番に優先するし、自分の強い欲望に忠実で、それを邪魔されることを心底嫌う。その様子は、これから観てもらえるだろうね。それにしても、製作陣の能力は素晴らしい。これは言っておかないとな。私も時々アンに「調子はどう?」とは聞いていたんだ。シーズン1と2の合間にね。だって、才能のある脚本家たちを再召集して、新しいシーズンの全体的な流れを考えなきゃならなかったんだ。大変なことだよ。本当に、1つのドラマを作るというのは、とんでもなく大変な仕事だと思う。12話分、12時間の物語を最後には1つにまとめることができるなんて、本当にすごいことだよ。才能がある人にしかできないことだ。今は第4話の撮影に入ったんだが、彼女の仕事ぶりは実に見事でね。キャラクターたちもストーリーの展開に関しても申し分ない。新しいキャラクターも登場しているし、事件も起きる。それに、どのストーリーもとても満足できるものだ。だから、シーズン2も視聴者にはすごく楽しんでもらえると思うよ。私もすごく嬉しいんだ。この作品に関われて光栄だよ。シーズン2の展開にもかなり満足しているしね。

もう少し教えてください。

シーズン1の最終話で、ミッキーは自分が家族にとってどういう存在だったのか、どれほどダメージを与えていたのかを知った。その事実に直面せざるを得なかった。でも、だからといって反省して自分を責めたりしないのがミッキーなんだ。後悔するようなことを時々する割には、後悔が似合わない。自分が周りに与えてるダメージを、時々認識はしてる。それでも自分の家族とは一緒にいたい。自分自身を許してまた息子との関係を修復したいと思ってる。でも、いつも問題を起こしては家族から責められる。常に危険と隣りあわせで、問題を起こしても懲りることがない。ただ、ミッキーにも知恵があるから、失敗すれば刑務所に逆戻りになることは分かってる。だから、コクランという力を持っている男に対しても、ボストン・グローブ誌の記者にサリーのことを聞かれても、「誰のことだか分からない」ととぼけてる。口は割らない。ゲームをするつもりなんだ。それが自分の首を絞めることになろうともね。ある意味もう刑務所にいるようなものかもしれないな。保護監察官がいつだって行動を見張っているしね。その保護監察官との関係もすごく複雑なんだ。とにかく、ミッキーは今色んなことを我慢してる。でもチャンスが来るまで動くつもりはない。色々なことを計算してるからね。保護監察官がレイの時計をしているのを見て、すぐに状況を把握したんだ。保護監察官がレイに買収されているんだってね。その事を秘密にしておいて、絶好のタイミングが来るまで黙っていることもできるが、腹を立てて、つい「魂を売ったんだろ?」って言ってしまうのがミッキーなんだ。知っていることを、口に出してしまう。とにかくその弱点を突つかずにいられない。それがどんな物語を生むのか、今の時点では何とも言えないが、それが危険なことだけは分かる。ミッキーはそれを利用できる訳だからね。今やミッキーは色んなことを知っているが、自分が口を閉じていた方がいいことは分かってる。何かすれば、結果的に家族を巻き込んでしまうからね。ミッキーはそれは望んでいない。使うとしたら、一番最後のカードだ。息子を傷つけたくはないが、自分が刑務所に戻るのも嫌なんだ。でも今みたいな暮らしも嫌だし、この生活を続けるつもりもない。だから何かをするはずで、それが危険なんだ。ミッキーが何をするのか?まだ具体的には分からないが、何かはするだろう。ミッキーを押さえつけて、自由に動かないようにするなんて不可能だ。善人を押さえつけることはできても、悪い男を押さえつけることはできない。それが悪い男というものだからね。ミッキーには善の部分もたくさんあるし、悪の部分もたくさんあるんだ。ミッキーは使えるものは何でも使う。自由を手に入れるためには生き残らなきゃいけないし、それが唯一の望みであり金を稼ぐ方法でもある。ミッキーがどうやって金を稼ぐのか?もちろん務めたりして金を稼ぐのはムリだ。誰かのすねをかじることもできない。じゃあどうするか?それは…私には分からないな。しかし、ミッキーは自分が持っているカードをすべて並べて考える。何かに利用できないか?ってね。例えば自分の保護監察官が買収されていることを考えれば、攻撃しやすいだろうしね。それに、コクランの存在もある。ミッキーはコクランのことを好きでもないし、気を使う必要もない。何もかも知っているぞと脅迫もされている。ミッキーは一体を除いて、死体がどこに埋められているのか知ってる。でも、コクランはミッキーが全てに関わっていると思ってる。だからコクランは敵なんだ。とにかく、自由を手に入れるためには、色んなことをうまくコントロールする必要がある。ミッキーはとにかく自由が欲しいんだ。それに、楽しいことがしたい。結婚してしまったガールフレンドを取り戻したいし、とにかく色んな欲がある。でも機が熟すまでは動かないだけの賢さもある。レイが保ってるバランスを崩すつもりもない。レイが周りでいろいろ自分にとっては迷惑に思えるようなことをしているのは知っているし、それが必要な事なんだろうとも理解してる。自分自身や息子にとって問題になるようなことを暴露することはできないことも分かってる。でも、機会があればすぐに動き出すだろう。

ミッキーにも、越えられない一線というのは存在するのでしょうか。

白状するとね、ミッキーは何だってできる男だと思う。でもそうするとバンチーテリーに迷惑がかかるから、やらないんだ。それをレイも分かってる。だから、そういう意味で一線はある。でも本来ミッキーという男は何でもやってのける男だ。

シーズン2で登場する新しいキャラクターについて教えてください。

実に面白い男が登場するよ。廊下を挟んで反対側に住んでいる、クレイジーな男なんだ。本当に興味深い男でね。この「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」という作品は、主要キャストが素晴らしいだけでなく、いくつかのエピソードに登場するキャラクターを演じる役者たちの存在感も群を抜いていると思う。シーズン2では、ハンク・アザリアやステファン・デュヴァルという豪華な役者が参加してくれてる。こんなにありがたいことはないね。きっと、このドラマのキャスティングの担当者や製作総指揮のアン(・ビダーマン)、ブライアン・ズーリフらがそれぞれ一流の仕事をしているからだろう。出演している子どもたちも、とても楽しい子たちでね。本当にとても素晴らしいんだ。演技も見事だし、本当に気持ちのいい子たちだよ。

シーズン2で楽しみにしていることは何ですか?

そうだな。ミッキーという男が、どんな風にキャラクターを炸裂させていくのかが楽しみだな。いまやみんなミッキーを避けてる。全員がミッキーの前でドアを閉めて、ミッキーを閉め出している状態だからね。ミッキーも色々なことを感じているし、考え方を変えてみたり、様々なことを試してみたりしてる。あとは、他のキャラクターたちにどんなストーリーが待っているのかも楽しみだ。台本の読み合わせをしたばかりなんだが、それが素晴らしくてね。最高のパフォーマンスに仕上がっていた。特にポーラ・マルコムソンが本当に見事で、みんなが途中で拍手を送ったよ。彼女のセリフ読みもさることながら、脚本も格別だった。本当に人をひきつけるようなストーリーだったな。だから、本当にワクワクすることが多い。どのエピソードでも何かが起きて、「おー!こりゃすごい」と思わされる。ミッキーの場合は、次から次にわざとらしくて芝居がかったシーンが出てくるのが気に入ってる。その中の1つで、いかにもおじいちゃんって感じで孫息子にアドバイスをするシーンがあるんだが、あれは最高だね。去年も、確か「新しい世界」(シーズン1第2話)でそのシーンがあって、とてもいいシーンに仕上がっていた。シーズン2でも似たようなシーンがあるよ。2人のやりとりは楽しい。あとは、ミッキーが今の状態を脱するために、おそらく大問題を起こすだろうからそれも楽しみだ。細かい部分は分からないが、とりあえずチェスの駒は全部揃った。だからこれから物語がどう展開していくのかすごく楽しみなんだ。色々な駒が置かれていて、とても危険な香りがしているしね。実に見事だ。

もう少し教えてください。

アビーはすごく傷ついていて、責任を感じていた。自分が勝手に同情して手紙のやり取りをし、この怪物を家族の中に入れたことで、全てがメチャクチャになったと思っているんだ。ミッキーが家族にとってマイナスにしかならないことに気付いて、今はミッキーに対して冷たい対応をしている。この2人の関係が良くなることはあるのか、もしあるならそれは今後のエピソードの中で観てもらえるだろう。とにかく色々なことが起きる。様々な事件が起きるし、危険だらけだ。第1話を観ただけで、シーズン2が間違いなく満足できる、中身の詰まったシーズンになるだろうって思える。とにかく、この作品に関われてワクワクしているし、このメンバーの中で演じることができて嬉しいんだ。何より、自分たちが手がけた作品を視聴者に観てもらえることが、とても光栄だよ。

(2014年)

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エディ・マーサン インタビュー(シーズン2)

シーズン1の終盤について教えてください。

シーズン1はかなりスリリングなシーズンだった。演じるのにも感情の激しい変化が必要だったから、視聴者にとってもそうだったらいいなと思う。シーズン1の終盤では、びっくりするような新事実が発覚した。兄弟たちがボストンでどんな目にあっていたか、という部分でね。それに対する兄弟たちの解決方法は、実に実直で、でも人には言えないようなやり方だった。だから、シーズン2が始まっても、テリーはシーズン1の最後に明らかになった事実と起きた出来事に対して、どうしていいか分からない状態で、すごく孤独を感じてるんだ。

シーズン2の本質はどこにあると思いますか?

タフですごく自己中心的で、基本的には教養がなく口下手な4人の男たちにあると思う。この男たちは、何が起きたか誰にも説明できない。自分たちの中でも、起きたことをどう話していいのか分からないんだ。暴力や報復とかでしか物事を解決する方法が分からない。だから、僕にとってこの「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」は、レイがハリウッドにいるスターたちのスキャンダルをもみ消したりすること以外に、苦しみを抱えた男たちと家族の話でもあると思う。それがこのドラマの、そしてテリーという男の本質でもあると思ってる。

シーズン2のスタートでのテリーの様子を教えてください。

シーズン1で、テリーミッキーを家族として受け入れようとしていた。それが自分の母親の望みだと考えていたんだ。テリーはすごく信心深い男だからね。カトリック教徒なんだ。人を許そうという気持ちから、ミッキーにもチャンスをあげようとした。しかし、シーズン1の最後に、ミッキーが家族の平和を壊し、オコナー神父をレイが殺害し、テリーは全てを失った。フランシスとの関係も終わった。自尊心も失くした。テリーにとって、殺人は大罪なんだ。だから、シーズン2の最初では、レイミッキーは2人とも同じ位悪いとテリーは思ってる。2人とも壊れているのに、なぜかお互いに依存しているから。レイは自分の原動力として憎しみ続けるためにミッキーを必要とし、ミッキーは家族を傷つけコントロールしながらも家族を必要としている。だから、テリーは家族と一緒にいることを窮屈だと感じて、家族からできる限り離れたいと思うようになる。レイに対してもミッキーと同じように怒りを感じながらも、弟を守ってやれなかった、虐待する神父を止められなかったという後悔もある。だから、テリーはものすごく罪悪感に苦しんでる。それはテリーがカトリックだからというだけではなく、自分がいたのにも関わらず、弟2人が神父にレイプされていたことを止められなかったから。しかし、母親が癌で死にそうな時に、神父が母親の苦しみを和らげていたことも知っているから、誰にも言えなかった。もし、母親が自分を癒してくれる神父が息子2人を虐待しようとしていることを知れば、死に際の母親の心は崩壊しただろう。テリーというキャラクターは様々なものの板ばさみになっている。だから、自分たちの過去に対してきちんと向き合えないレイミッキーを、テリーは拒絶したくなるんだ。

レイとミッキーの関係について教えてください。

2人はお互いを縛りあうことで、ずっと囚われてる。2人の関係こそが、2人を象徴しているものなんだ。レイミッキーにいなくなって欲しいと思っているし、ミッキーから自由になりたいと思ってる。でもある意味では、虐待で受けたダメージやミッキーに拒絶されたこと、父親として責任を果たしてこなかったことに対する怒りが、レイの原動力であり、レイという人間を作り上げているとも言える。だから、2人がやっていることは、お互いをがんじがらめにして、愛情と憎しみの間に閉じ込もっていることでもあるんだ。実は2人はとても似ているキャラクターなんじゃないかな。撮影が始まったばかりの頃、ジョン・ヴォイトに言ったことがある。ミッキーは悪魔だってね。でも、だからこそミッキーは魅惑的なんだ。一緒に酒でも飲みたくなるような男だしね。ただ、あまり一緒にいすぎてはいけない。危険な男だからだ。古い戯曲でも悪魔はいつだってすごく魅惑的で、神よりも興味をそそるキャラクターに描かれてる。神よりも悪魔の方が我々のような人間の特徴を多く持っているんだが、ミッキーにも同じことを感じた。だからミッキーレイは色々な意味で、すごく似ている。

シーズン1での出来事はテリーとフランシスの関係にどう影響しましたか?

フランシスは、テリーにとってたった一人の、自分が愛されていると思える相手だった。テリーは、癌で死んだ母親と一番仲が良く、母の死後ずっと家族の面倒を見てきた。なぜならそれが母親の望みだと思ったからだ。母がいない今、フランシスは自分を愛してくれるたった一人の女性であり、最後の恋人で、自分の家族を持てる最後の可能性でもあった。だから、オコナー神父が殺されたことをフランシスが目撃し、テリーは全てを失った。フランシスはテリーを拒絶し、家族の元に戻ってしまった。ドノヴァンの男たちが危険だということに気づいて、自分の家族を守ろうとしたんだ。だからある意味テリーは全てを失い、家族の中で身動きできない状態になってる。

シーズン2で、テリーの考える家族の中での自分の役割はどう変わりましたか?

シーズン1でテリーは家族に対して責任のようなものを感じてた。でもシーズン2では自分ががんじがらめになっていると感じて、家族から離れたいと思うようになる。でもバンチーのことはいつだって気にかけてる。だから、テリーは板ばさみになっているんだ。シーズン1では、家族を守りたくて、みんなに幸せでいて欲しくて、板ばさみになってた。でもレイミッキーにはさまれてどうしようもなくなってしまった。シーズン2では、虐待から兄弟2人を守れなかったことにも、今の2人に対しても責任があると感じてる。それもやっぱり、母親の望みだと思うから。それにテリーがカトリック教徒であるがゆえに、自分が家族を引っ張っていかないといけないと思ってる。ずっとそうやって父親代わりをしてきたんだ。ミッキーが刑務所に入ってる間、テリーが家族を守ってきた。テリーが病気になりレイが大金を稼げるようになって金銭的に家族の面倒を見れるようになる前は、テリーが家族を支えてた。シーズン2で、テリーはこの狭苦しい場所から、崩壊した家族がいる場所から逃げ出したいという気持ちと、兄弟たちを守れなかった罪悪感、フランシスを失ってもう誰からも愛されないんじゃないかという絶望の中にいる。だから、シーズン1でもシーズン2でもテリーは苦しんでる。面白いドラマはすべて、登場人物たちが苦しみを抱えているものなんだ。1つの望みは、全く違う望みとつながってる。テリーは家族から自由になりたいのに、同じくらい家族のために責任を果たしたいと思ってるんだ。

レイが虐待されていたという事実は、ドノヴァン家にどう影響していますか?

レイの新しい本質が見えたよね。レイは神父に虐待を受けていたことを、告白したんだ。これほどタフで、群れを支配する雄の野生動物みたいな男がだよ?暴力的で、特殊な世界で物事を解決しているような男が、自分の脆さを、性的な虐待を受けていた事を認めたんだ。レイの家族も、兄弟もみんな、その突然明るみになった事実と向き合おうとする。まさかレイが虐待されていたなんて、誰も思いもしなかった。でも、バンチーがアルコール依存症になり鬱になって、テリーがより信心深くなり、より責任を感じるようになり、細かいことにこだわる性格になったように、レイも自分なりに苦しんでいた。レイの対処法は他の兄弟とは違うものだったがね。事実を誰にも言わず、自分のいる世界をコントロールし、できるだけたくさんの金を稼ぐことでバランスを保っていたんだ。だから、その事実は、家族に大きな衝撃を与えた。お互いに対する気持ちや立場、家族の中の役割も変えてしまった。そしてシーズン2の始めでも、混乱状態は続いてる。それに、明らかになっていない秘密もまだあるからね。

レイが虐待されていたという事実を知ったことで、ミッキーの息子たちに対する態度は変わるでしょうか。

ミッキーは典型的なナルシストだからね。物事を、自分だけの視点からしか見られないし、考え方も偏ってる。たとえ罪悪感や責任を感じても、それはミッキーの中だけでの罪悪感や責任なんだ。それにミッキーダリルにしたことはある種の虐待だ。性的な虐待ではないけど、ダリルの熱意や能力、優秀なファイターになる可能性をつぶしてしまう。ミッキーはただ金を稼ぐためだけに、ダリルを八百長試合に出させて虐待するんだ。それと同じことをテリーにもした。テリーを格が違う強い相手と戦わせて、その相手が勝つ方に金を賭け、テリーが早々にノックダウンすることを望んだ。しかし、テリーはそれを拒んだ。テリーは無理して戦い、ものすごいダメージを受けた。そのせいでパーキンソン病になった。それなのに、ミッキーは同じことをダリルにする。全然学習してないんだ。だから、オコナーがレイを虐待していた事実が明らかになった事で、3,40年前と同じ事を繰り返してしまうミッキーのことを、家族は違った角度から見れるようになった。テリーは特にそうだ。テリーは、色々な事を、今は少し離れた場所から見てる。ただ家族の中で板ばさみになっているだけじゃない。この壊れた家族のことを、少し客観的な立場で、もう一度考えようとしてるんだ。

ダリルとミッキーの関係はシーズン2でどう変化しますか?

ダリルは試合をするためにミッキーとメキシコに行く。でもミッキーダリルを、ダリルより体が倍ぐらい大きい男と対戦させる。完全なるミスマッチだ。しかもミッキーはその対戦相手が勝つ方に金を賭けてた。だから、ダリルが負ければミッキーダリルには大金が入る仕組みだ。結局ダリルは金のためにボコボコにされる。ミッキーは、とにかく衝動的に動くキャラクター。何もかも、今必要とすることのため。さっき、ミッキーが悪魔だと言ったのはこういうことだ。喜びを、先延ばしすることができない。全てを今楽しみたい。コカインも女も金も酒も。今が全てなんだ。だから、ダリルのことだって大して考えてない。ダリルの将来のことなんて考えてない。単純にどうやったらダリルで金儲けができるかしか考えてないんだ。この異常な性格のせいで、子供たちはミッキーの手先のようになってしまった。まさに今のダリルがそうだ。ミッキーダリルを利用してる。ただ、シーズン1ではダリルミッキーのことを信じてた。ミッキーがいないから、リングに上がれなかったこともあった。それはミッキーダリルにとってヒーローであり、ミッキーこそが自分にインスピレーションを与えてくれると信じていたから。ミッキーの存在こそが、自分を試合に勝たせてくれるって信じていたんだ。でもシーズン2で、ダリルミッキーがただの自己中心的な男にしか見えなくなる。

シーズン2の見所を教えてください。

視聴者には、やっぱりこのドラマに登場する男たちに注目してもらいたい。特にレイという、子供の頃虐待されていた傷を抱えたまま、現代社会を生きている男にね。言ってみれば場違いの世界に生きる男だ。みんなボストンからLAに移り住んでるんだが、レイはうわべだけで実体のない、ハリウッドのショービズの世界にいる。この男たちは、たくさんの傷を抱えているのに、それを表現したり伝えたりする術を知らない。暴力や攻撃性というすごくまっすぐで直感的な方法しか知らないんだ。だから、キャラクターたちが自分たちの苦しみとどう向き合い自分の人生を立て直していくのか、そして抱えている秘密をどうやって隠していくのかを、視聴者には楽しんで観てもらいたい。神父からの虐待が神父が殺されることにつながり、神父の殺害が、神父の死体遺棄につながった。他にも人が殺されてる。自分のこともままならないのに、彼らはたくさんの秘密を抱えていかなきゃならない。でも、自分の置かれている状況をコントロールできる人なんていない。しかし、ある程度折り合いをつけていくことはできる。哲学的に物事を考えたりしてね。でも、この男たちにはそれが出来ない。起きて欲しくない問題が起きれば、ハンマーで叩いてもう出てこないことを祈る。他にまた問題が起きれば、またハンマーで叩く。それがドノヴァンのやり方なんだ。物事をコントロールし秘密を守るための方法が、暴力や脅迫しかない人たちというのは観ていてかなり興味深い。でも同時に、彼らは悪いキャラクターではない。彼らは傷ついた人間であり、暴力や人を脅すことでしか、自分たちが受けてきた傷と折り合いをつけることができないだけなんだ。

ハンク・アザリア演じるコクランはどのように登場し、ドノヴァン家にどのように影響を与えますか?

ハンク・アザリアが、FBIの支局長で次期長官と言われる野心家のコクランを演じてる。フランクが撃った弾でサリーが死に、フランクが英雄視されているが、その話を信じていない。それでレイはコクランに会いに行き、真実よりもそっちを信じた方がキャリア的にもいいはずだと話す。でも結果的に、サリーが誰に殺されたのか真実を明かす。レイは唐突に秘密をバラらすことがあるよね。こうして、最終的には真実は明らかになり、大きな脅威となる。そしてコクランという、長官になる野望を抱いたキャラクターは、真実を選ぶのか、それともフランクがサリーを殺したというウソを受け入れるのか。それに、エズラのがんセンターの建設地に埋められた神父の死体がいつ発見されるかもしれない、という問題もある。シーズン1で、兄弟の苦しみは、心理的なものだった。掘り起こされたのは、兄弟たちに影を落とす昔の記憶だったからね。それがシーズン2では、実体のある人間になり、そのことが兄弟を苦しめる。苦しみは同じだが、ドラマチックな要素は前よりも上だ。

(2014年)

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ダッシュ・マイホック インタビュー(シーズン2)

「レイ・ドノヴァン」のシーズン2が始まりますが、いかがですか?

実は、シーズン2まで続いてる作品に参加するのはこれが初めてなんだ。だからすごく面白いよ。キャストはみんな仲が良いし、一緒に仕事をするのを楽しんでる。仕事はやり易いし、楽しい。休み明けに学校に戻るような気分で、少し安心感もあるし、「次どうなるのかな?」っていう好奇心もある。今はみんながこの流れに身を任せてる感じだね。

シーズン1の終盤のバンチーの様子を教えてください。

シーズン1の最後にバンチーは元のアパートに戻り、自分の人生をしっかり生きようとしてた。お酒も飲まずに、新しいことを始めるつもりでね。今もその新しい道を進んでいるよ。

シーズン1の終盤のバンチーとミッキーの関係について教えてください。

バンチーは、シーズン1の最後でミッキーを自分の家から追い出したことに負い目を感じていたんだ。完全にミッキーを断ち切ることができないから。だから、第12話でミッキーがジムに姿を現した時は、戻ってきてくれたことでちょっと安堵したんだ。でも、もちろん不安はある。ミッキーという存在は、パワフルだし常に悪い影響をもたらすからね。ただ、バンチーはだいたいの場合中立的な立場にいる。いい人間で、いい弟で、いい叔父さんでありたいと思ってるんだ。でもこれから先、バンチーがどうなるのかはまだ僕にも分からない。

なぜミッキーは街を出たのでしょうか?

ある悪い出来事が起きてミッキーは街を出たんだけど、結局行くところもなく最終的には家族の元へ帰ってくる。ミッキーの人生には、家族しかないんだと思う。でも、今でもミッキーがここにいるべきじゃないことは変わらない。サリーを殺しているわけだしね。ただ、ミッキーをどこかに追いやることは、そんなに簡単じゃないんだ。

オコナー神父の死は、ドノヴァン家のメンバーにどのような影響を与えましたか?

オコナー神父の死は、バンチーテリーレイの3人の兄弟の中で、1つ終結を意味していると思う。ミッキーの場合は、自分が神父を殺したことで家族から歓迎してもらえると思ってた。ただ、ミッキーは殺したと思ってるけど、実際は殺してないからね。そのダメっぷりが実にミッキーらしい。この3人も、みんな一生懸命なんだけど、欠陥だらけ、という部分が実に兄弟らしいところでもある。でもテリーレイバンチーの兄弟は、前よりもきずなが深まった気がする。神父を殺す一連のやり取りの中で、バンチーだけでなくレイも虐待されていたことを知ったことが大きい。テリーバンチーにとっては、これまでのレイの行動で理解できなかった部分が腑に落ちたんだと思う。バンチーも、「神父がいなくなってすごく嬉しい」って言ってたしね。だから、神父の存在が消えたことで浄化された部分はあるんだと思う。でも過去は消えないし、テリーも襲われそうになっていることを考えると、3人が全員被害者だということも変わりはない。

レイがオコナー神父に虐待されていたことを知ったことは、バンチーとレイの関係に影響はありましたか?

オコナー神父がレイに性的ないたずらをしていたこと、それをレイアビーに打ち明けたことは、すごく大きい影響が出ると思う。特にレイのような強い男が、虐待されていたわけだからね。それがレイにとってどういう意味を持つのか、なぜずっと隠していたのかを考えると、なぜレイに暗い一面があるのか納得できる。テリーバンチーが事実を知ったからこそ分かる、レイのもろさもあるかもしれない。バンチーは「自分だけじゃなかったんだ」、と思っただろうな。いつだったかそういうセリフもあったけど、バンチーは虐待されていたのは自分ひとりだと思ってた。だから自分の気持ちなんて分かるわけがないって感じてた。もしかしたら、自分に原因があるのかもしれないともね。でもレイは、その苦痛をずっと一人で抱えてきた。家族の中でも強い人間だと思っていたレイが、バンチーと同じような弱さがあることが分かったことで、バンチーの中に、レイに何かしてやりたいという気持ちが芽生えたんじゃないかな。同じ虐待を受けていた兄弟として、気持ちが分かるから。

シーズン2スタート時のバンチーの様子を教えてください。

シーズン2のスタートで、バンチーは小奇麗にして、仕事を探してる。バンチーが自転車を好きなのはシーズン1で描かれていたけど、バイク・ショップで仕事を見つけるんだ。自分が居心地の良い場所を選んだってことだね。自転車なら知識もあるし、バンチーらしくて面白いよね。一人前の大人として自立したい、って散々騒いでたけど、その通りに頑張っている姿が描かれてる。過去にとらわれている人物を演じるのは楽じゃないよ。それにバンチーには子供っぽい部分があるでしょ?実は自分にも似たような部があって、でもあんまりそこが好きじゃないんだ。でもそれがバンチーだからね。だから自分の子供っぽい部分を役作りのためにあえて掘り下げて、バンチーの陽気さや子供っぽさを出せるようにした。バンチーを演じるのはすごく楽しいし、面白いよ。

バンチーというキャラクターは、ドラマにユーモアを与える存在ですか?

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」というドラマは、すごくヘビーだからね。バンチーの存在が重い空気を軽くしている部分はある。ミッキーがユーモアや喜劇的要素をプラスしているようにね。バンチーはジョークを言っているつもりが全くなくて、思ったことを言ってるだけだから、純粋な面白さがある。バンチーのそういう一面を演じるのはすごく楽しいし、周りの反応もすごく良いんだ。それに、その面白さが、バンチーをすごく人間らしくてかわいげのあるキャラクターにしてる。

シーズン2でなぜミッキーはLAに戻ってくるのでしょうか。

オコナー神父の死は、ミッキーに、レイに対してもっと父親として関わりたいと思わせたんだと思う。でもレイミッキーに近くにいて欲しくない。サリーの死に関係してることもあって、消えて欲しいんだ。だから、シーズン2の最初では、2人とも離れられて満足そうなんだけど、すぐにお互いが必要になる。レイはトラブルを避けるためにミッキーを連れ戻すんだけど、ミッキーは明らかに戻って来れて嬉しそう。理由はどうあれミッキーを連れ戻さなきゃいけなかったことをレイは面白く感じていないんだけど、今はお互いを必要としてるんだ。これからすごく面白くなるだろうな。

シーズン2の見所を教えてください。

シーズン2では、ハンク・アザリアにシェリリン・フェン、ウェンデル・ピアース、ヴィネッサ・ショウら素晴らしい役者たちが準レギュラーとして出演してくれてる。他にもいるよ。それって、優秀な役者がこのドラマを気に入って、僕たちと一緒に仕事をしたいと思ってくれたってことだから、すごく嬉しいよね。だから、新しいキャラクターが増えてストーリーもより膨らむし、具体的なことは教えられないけど、すごくワクワクする。とにかく、ユーモアたっぷりで、今まで以上にダークでバイオレンスの多いシーズンになってる。何か分かったら教えるよ。

(2014年)

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ポーラ・マルコムソン(アビー役)インタビュー(シーズン2)

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」のシーズン2が始まりますが、いかがですか?

また戻れて嬉しい。6ヶ月休んだからちょうどいい時期だったと思うわ。ドラマの仕事って長いから、しばらく休んでると落ち着かなくなってくるのよね。仕事に戻ってまた演じたいという気持ちになるの。だから、みんなまた仕事ができて喜んでるわ。

シーズン1の終盤のアビーの様子を教えてください。

他のキャラクターたちと同じように、シーズン1の終盤でアビーの中のわだかまりも少し解けたんだと思う。最後のシーンは、血まみれのレイがビーチで寝ているところに、家族が集まってくる何となく夢のようなシーンだった。太平洋を目の前にした、すごく美しいシーン。シーズン2はレイアビーがベッドにいるシーンから始まるわ。2人がセックスするシーンからね。それがアビーの現実なの。それが彼女の日々の暮らし。

レイが子どもの頃虐待されていたことを知ったアビーの反応を教えてください。

レイが子どもの頃に虐待されていたことを知って、アビーはセラピーに通うことを決めたんだと思う。レイのためにもなるかもしれないっていう気持ちでね。

シーズン2のアビーの様子を教えてください。

アビーはセラピーに行ったりヨガに行ったり、いつも通り文句を言ったり、5分ごとにレイに「一体どこにいるの!?」って聞いたりしてるわ。いい母親だったアビーも、シーズン2ではダメな母親になる。周りにいる人たちが最悪なろくでなしばかりで、うんざりしてる。だから自分だけの時間が欲しくなったり、生き方を考えたり、セラピーに通うようになったんだと思う。アビーが精神科医に、自分の悩みや家族のことを話してるのを見るのはなかなか面白いわ。

いい親でいたいと奮闘するアビーに、視聴者は共感すると思いますか?

実はこの家族って、割と典型的だと思うの。2人の子どもを育てるのは大変なことだし、しかも場所はよりによってLAだしね。だからアビーは頑張ってると思うわ。

LAに住むことをアビーはどう感じているのでしょうか。

嫌でしょうね。嫌いだと思うわ。アビーはビバリーヒルズに引っ越したいと思ってるみたいだけど、それも間違ってる。でもきっと、それは自分のためというよりは、子供たちのためなんじゃないかしら。もっといい学校があるし、自分と同じ目には子どもたちを遭わせたくないと思ってるから。

シーズン2の最初で、アビーとミッキーの関係はどうなっていますか?

そうね。ミッキーは全員と仲たがいしている感じ。いい関係だった人物とも、上手くいかなくなった。アビーも快く思ってないわ。ミッキー自身に対しても、ミッキーの対応も気に入らない。ミッキーの本当の姿が、霧が晴れたように見えるようになった感じね。アビーとしては、みんなで1つの家族になりたいと思っていたけど、上手くいかなかった。だから、今はミッキーに対してかなり腹を立ててる。

視聴者はシーズン2のどんな部分を楽しめると思いますか?

エロティックなシーンや、ケンカのシーンが増えるし、ドノヴァン一家のよりクレイジーな部分が垣間見れて面白いわよ。シーズン2では何となくみんながそれぞれの道を進み始めて、過去と向き合ったりする。それぞれのキャラクターの、今までとは違う一面が見られるようになってる。間違いなく面白いシーズンになると思うわ。

(2014年)

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キャサリン・メーニッヒ(リーナ役)インタビュー(シーズン2)

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」のシーズン2が始まりますが、いかがですか?

シーズン2が始まった時は、学校の初日みたいな気持ちになった。それに、きちんとオイルを差した、使い始めて2年目になる機械のような感じだで上手く機能してる。とにかく、周りはすごい人たちだからやり易いよ。

シーズン1の最後でリーナはどんな様子でしたか?

リーナアヴィが入院したことでかなり動揺してた。だから、シーズン2では2人の友情をクローズアップして欲しいな。何かがありそうだし。

リーナとアヴィの関係について教えてください。

リーナアヴィはだいたい同じような立場で仕事をしてる。アヴィのことは心から信頼してるし、本当の友達のように思ってると思う。

シーズンではリーナの仕事はどう進化しますか?

仕事の話で言えば、リーナはもっとチャンスを与えてもらえれば自分はもっと力を発揮できると思ってる。だから、シーズン2ではその辺を見てもらえたらいいな。

レイはリーナを信頼していると思いますか?

レイの下で仕事をしているのが2人ということは、その2人がレイが一番信用する人物なんだと思う。

シーズン2のリーナの様子はいかがですか?

シーズン1が終わったところから始まるよ。これまで通りの感じで、進んでく。

リーナとブリジットの関係について教えてください。

ブリジットとは距離が縮まったような気がしてる。信頼関係もあるし、話をすることでお互いに似ているところがあるって気づいたんじゃないかな。

(2014年)

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プーチ・ホール(ダリル役)インタビュー(シーズン2)

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」のシーズン2が始まりますが、いかがですか?

仲間が戻ってきたって感じだよ。みんなとこうして戻ってこれてワクワクしてる。シーズン1に続いてシーズン2も視聴者に楽しんでもらえるように、いい作品を作っていかなきゃな。シーズン2は最高のシーズンになると思うよ。

シーズン1の終盤でのダリルの様子を教えてください。

ダリルは罪を犯した。ダリルは犯罪者なんだ。シーズン1の最後で、ダリルは神父の死体を遺棄した。これでもう天国には行けないな。プーチは行けても、ダリルは天国には行けない。でも、僕らが遺棄した神父は、かなりの悪さをしてた人物だからね。

ダリルとドノヴァン家との関係を教えてください。

了解。手短にね。僕が演じるダリルリーヴ・シュレイバー演じるレイ・ドノヴァンはあまり仲が良くなかったんだけど、今は状況が変わった。それは、ダリルが人生を変えてしまうような出来事に関わってしまったから。殺人事件という出来事にね。ダリルも、家族と大きな秘密を共有することになったんだ。しかも、男の中の男だと思っていたレイ・ドノヴァンが、子供の頃に悲惨な目に遭っていたことを知った。ジョン・ヴォイト演じる、ダリルが尊敬する父親は、その間どこにいたのか、なぜ自分の兄たちはここまでめちゃくちゃにならなきゃならなかったのか、それはダリルには分からない。家族の中で唯一その苦しみを知らないのがダリルだった。でも、ダリルもこの家族の一員なんだ。今はダリルもはっきりとそう感じていて、それをレイにも認めて欲しいと思ってる。レイ・ドノヴァンっていう男に興味があるし、どんな経験をしてきたのか、兄のことを知りたいんだ。テリーバンチーは自分を受け入れてくれてるのに、どうしてレイは冷たいのかが知りたい。他の兄弟に比べて、ファイトクラブとは関わりが薄いのはなぜか。後援者でもなければ、トレーナーでもないし、マネージャーでもない。それに明らかに、他の兄弟よりも良い暮らしをしてる。始めて会った日に、レイがミッキーに、「家族に近づいたら殺してやる」と脅すのを目撃してるしね。本当にダリルは色んなことを目にしてきてる。それでもやっぱり家族と関わり合いたいんだ。それに、頭の中では色んなことが渦巻きながらも、何よりも自分の居場所を探してる。ボクサーとして、テリーよりも上に行けるかもしれないし、希望の星になれるかもしれないと思ってるんだ。先のことは誰にも分からない。でもこのダリルというキャラクターは、ボクシングがドノヴァン家にどんな意味を持っているか分かった上で、真剣に取り組んでるんだと思う。今まで続いていたものを途絶えさせたくないんだ。この男にもミッキーの血が流れてるし、レイの弟として、みんなと共通する何かがあるんだろうね。とにかく、このドラマのキャラクターは、誰でもどんな風にも展開していける。予想するのは不可能だ。だって、突然レイがダリルを受け入れて、犯罪に加担させたりするし。セブンイレブンに言ってスニッカーズを盗んだり、誰かの車に卵を投げつけたりすることとはわけが違う。殺された神父の死体を遺棄するのを手伝うってことだよ?だから何が起きるのかは本当に予測不可能だし、この出来事が今後がどんな流れを生むのかも分からない。シーズン1の第1話でジムに来たミッキーが「『ダ・ヴィンチ・コード』みたいに巨大な権力が追ってくる」ってレイに言ってたけど、あの神父が殺されたことを聞いて、誰かが本当に送り込まれてくるかもしれない。イタリア人のギャングとかが出てきて揉めるとか。なんて、冗談だけど。

シーズン2の第1話でのメキシコでのダリルの試合は、ダリルとミッキーの関係にどんな影響を与えますか?

実はね、メキシコでスペイン語を勉強したんだ。とにかく、ダリルはメキシコにいる。ミッキーに頼まれて会いに行くと、試合をするように言われるんだ。ダリルはちょっと不安を感じる。いつもトレーニングしてくれて、コーナーにいてくれるテリーもいないしね。だからちょっとためらう。怪我をしたボクサーの話が頭をかすめる。出るべきではない試合に出れば、怪我をするかもしれないことは理解してた。それでもダリルは結局試合に出るんだ。だって父親の頼みだからね。父親が自分の息子におかしなことをさせる訳がない。まあ、それが大間違いだったんだけど。試合の前に、ミッキーダリルに「相手はたいしたことない。お前なら鼻であしらえる」みたいなことを言ってた。なのに結局、ダリルはボコボコにされる。いつもタフなダリルが、身体的にも、父親に裏切られて精神的にもボロボロになった。父親にそんなことをされるなんてこれまでは思ってもみなかった。ダリルは1人だけ例外なんだと本気で思ってたんだ。ミッキーは、自分に対しては、テリーレイバンチーとは違う扱いをしてくれてると思ってた。自分はお気に入りなんだってね。一番年下だし。だから、自分の父親がしたことに気付いたのは、ダリルにとっては人生が一変するような出来事だった。しかも、その事で父親を責めても、ミッキーは対して気にしていないように見えた。だから、ダリルは本当に自分の事を考えてくれている人は誰なのか、考えるようになる。テリーは味方してくれるし、バンチーとも仲が良い。レイとは、死体をあと数体片付けたらお互いを兄弟だと呼び合えるようになるかもしれない。ダリルはこれから色んなことに気がつくと思う。でも、トレーニングは続けてるし、運転手の仕事もしてる。ダリルがこれからどうなるかは分からないけど、チャンスがあればぜったい輝けるキャラクターだし、絶対に面白くなると思う。

シーズン2の見所を教えてください。

大きな見所の1つは、危険が迫ってきてるってところかな。みんなそれぞれ捕まる可能性があるからね。でも、この兄弟はお互いを心から思い合ってる。愛情があるんだ。間違いなくレイは兄弟たちを大事にしてる。兄弟たちだって同じだ。ダリルも、自分の新しい家族を大切だと感じ始めてる。白人の父親と黒人の母親を持って、しかも父親はミッキーみたいな変人だからね、ちょっと人とは感性が違うから、自ら望んで今の環境にいるような気もする。ずっと昔兄弟たちが子供だった頃に経験したような苦しみを、もう誰にも経験して欲しくないと思ってる。シーズン1で起きた出来事で、ダリルのドノヴァン家の中での役割は大きくなったと思う。最近では、街を歩いてると色んな人から、「次どうなるの?」って聞かれるんだ。「人を殺したからヤバいことになるよね?」とか「死体は発見されちゃうの?」とか「『ダ・ヴィンチ・コード』の黒幕が追いかけてくるの?」って。だから僕は、「観て確かめて」って答えてる。これからどうなるかは分からないけど、最高のキャストが揃ってるからね。それに、協力体制がしっかりできていて、例えば誰か1人が助けを必要としていれば、みんなで協力したり話し合ったりする。こんなに優秀な人たちと一緒に仕事ができてすごく嬉しいんだ。みんな僕の事を迎え入れてくれて、色々と教えてくれる。本当にたくさんのことを学ばせてもらってるんだ。それに脚本家やアン・ビダーマンは、一流のチームを結成してストーリーを描いてる。カンクンから帰ってきた時に、アンから「安全第一でいくつもりはないから」って言われた。アンは、色んなことに挑戦できる人。だから周りの人もついて行くんだと思う。アンはいつだって、今より上を目指してる。だからシーズン3では、今よりもっと良い物を作らなきゃならない。だからこそ、視聴者もずっと観てくれるし、「次どうなるんだろう?早く知りたい」って思ってもらえる。シーズン2では本当に色んなことが起きるから、見ている方もびっくりすると思うよ。前にちらっと言ったけど、想定外の人が死んだりする。怖いよね。それに、思わぬ展開があって、キャラクターたちのそれぞれ今までは分からなかった一面が明らかになる。出演者の1人としてもすごく面白いんだ。「こうきたら、こう演じよう」っていう自分なりのプランを立てていても、それを変更しなきゃいけないことが多々ある。思っていた流れとは違う方向に行くことがあるんだ。だから、その都度作戦を変えなきゃいけなくなったりする。でも変更したからって、試合に勝てなくなるわけじゃない。この人を2塁に置いて、この人をセンターから外して、3人を前寄りにシフトしよう、とか別の作戦を考えればいいだけ。実は僕、野球もやるんだ。

シーズン2についてもう少し教えてください。

僕が言えるのは、先が全く読めないってことぐらい。ダリルは、ミッキーと少し距離を置いて、ミッキーに信頼を取り戻すチャンスをあげているんだと思う。ダリルミッキーのサンドバッグになるつもりはないんだ。ミッキーに、自分にはすごい可能性を秘めた息子がいるんだって気付いて欲しいと思ってる。最近は両親が揃った家で育った人ってそう多くないからね。ダリルは母親と、あまりうまくいっていない義理の父との間で育った。だから、自分の父親が戻ってきてくれたことは、すごく大きかった。でも、その父親に傷つけられて、もっと頑張らなきゃいけないって気付かされる。すごく面白いよ。でも、僕が思うに今のダリルにとってのゴールは、トレーニングを続けて良いボクサーになることなんだ。今はまだまだだけど、ダリルには可能性があると思う。だってドラッグもやってないし、神父に虐待もされてないからね。それにダリルは賢い。だからテリーも一緒にトレーニングしてくれるんだと思う。きちんとした家庭で育てられて、何よりドノヴァンの血を引いてる。だから、ダリルの可能性は無限にある。そして、自分がまた信頼できるように父親に何とかしてもらいたいと思ってる。これは、僕の考えだけどね。

(2014年)

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エリオット・グールド(エズラ・ゴールドマン役)インタビュー(シーズン2)

「レイ・ドノヴァンザ・フィクサー」のシーズン2が始まりますが、いかがですか?

今はこうしてハリウッドでインタビューを受けたり、シーズン2の宣伝をしているんだが、キャストたちはみんなすごくワクワクしているよ。シーズン1が予想以上の成功を収めたから、シーズン2ではさらに良い物を作りたいという気持ちでいる。これからもストーリーとキャラクター、そしてこの家族の力で視聴者の興味を惹きつけていけたらと思っているんだ。

シーズン1の成功は、シーズン2の撮影がスタートしたキャスト陣にどのような影響を与えていますか?

確かにシーズン1は成功したが、それが当たり前だとは思いたくないんだ。でも、この業界に大きな影響力を持つ人たちに時々出くわすんだが、そういう人たちがみな口をそろえてこの作品にハマっていると言ってくれている。かなり良質の作品で、今放送中の番組の中では最高のドラマだってね。ドラマがスタートして、今はまだ放送されていないがシーズン2の中盤まで撮影が進みつつある今、みんなより家族らしくなってきたと思う。それに、みんな前よりも自信がついた。役者として真剣に仕事に向き合い、この作品に参加できたことを誰もが喜んでいるよ。私もリーヴジョンや他のファミリーたちと共に成功を共有できていることが嬉しい。

シーズン2についてもう少しお聞かせください。

随分とリラックスして仕事ができるようになった。我々にとって大事なのは、要求にきちんと答えるということ。そしてそれができるのは、自分の経験から言わせてもらうと、周りのみんなのおかげなんだ。撮影クルーや、自分たちにこの仕事を与えてくれた人たちのね。みんなの生計は、我々の仕事振りにかかっているわけだが、幸先は非常に良いと思う。

シーズン1の終盤のエズラについて教えてください。

長い事付き合ってきたガールフレンドと結婚することにしたエズラだが、心の底にこれまでこの業界でやってきたことに対する後ろめたい気持ちがある。エズラはハリウッドだけでなく国際的に仕事をする一流の弁護士であり、エージェントでもあるからね。シーズン1の序盤では認知症のような症状が出ていたが、それが脳腫瘍だったことが後に判明し、手術で改善された。だから今は調子も良さそうだ。シーズン1の終盤で、新しい妻であるデブラとのシーンで、エズラが気を失うシーンがあったが、Showtimeの人たちから視聴者にエズラが死んだと思わせたくないと言われてね。死んだように見えるシーンだったから。どういう考えやプランがあったのかは分からないが、どうやらエズラとレイの関係をこれからも続けたいと思ってもらえたようだよ。

シーズン2で、エズラのプロジェクトはどうなっていますか?

シーズン1から引き続き、今もルース・ゴールドマン卵巣がんセンターを設立しようとしている。シーズン1では起工式のイベントまで開催していたからね。今は、着工するための資金集めがエズラにとってのライフワークとも言える。この事業はエズラにとっての全てなんだ。それが今の状況。シーズン2の序盤でエズラが「自分が病気をしている間に寄付の話がなしくずしになった」と言っていた。だから、がんセンターの建設に着工するためには、その寄付を集めなきゃいけない。それが、エズラの人生において一番重要なことなんだ。

レイとエズラの関係はシーズン2でどう変化しますか?

2人はいま分岐点にいると思っている。レイは自分と自分の家族の環境を良くしたいと思っていて、それはエズラとの仕事でも同じ。資金を手に入れるには、エズラとの仕事に対してもそれなりに調整しなきゃいけないと考えてる。そこが今後描かれていく。まだ第4話の台本を読んだだけなんだが、FBIと偉大なる役者ジョン・ヴォイト演じるミッキーの間でも大きな問題が起きてる。それにレイとエズラの間にもね。それにポーラ・マルコムソン演じる妻アビーや子どもたち、兄弟や他のキャラクターとの間にも問題を抱えている。そしてストーリーの様々な局面が絡み合って、レイ・ドノヴァンの人生を絶妙なバランスで成り立たせている。脚本家たちとアンの功績だね。シーズン2を通して様々なことが明らかになっていくだろう。人はみなそれぞれ違うし、表には出ないが色々な問題を抱えている。そんな人間たちが関わりあうことで、ストーリーが展開し、驚きや変化が生まれる。

シーズン2で登場する新しいキャラクターについて教えてください。

ハンク・アザリアという素晴らしい役者が演じる、コクランというFBIの新しい支局長が登場する。素晴らしいキャラクターだよ。頭が良く聡明で、死んだ前任者とは違う。ロックバンドもやっていて、同士のような妻がいる。それに、エズラの古い知り合いで、個人的にも仕事の上でも助けたことのあるアン=マーグレット演じるキャラクターが登場する。彼女ががんセンターのために払うと言った5百万ドルをレイが受け取らなかったことが明らかになるんだ。それに、忘れちゃならないのが、ボストンからやって来るジャーナリスト。かなり頭の切れる女性で、我々とFBIの間で何らかの不正行為があったことに、何となく勘付いていて、本を書くためにドノヴァン一家とレイに近づいてくる。それを本能的に感じたアビーが、若い警察官と接近する。だから、本当に様々なことが起きるんだ。

シーズン2で楽しみにしていることはありますか?

楽しみにしていることか。今日リーヴとも話していたんだが、それはアン・ビダーマンと脚本家陣が何をしたいかにもよると思う。エズラがレイとの関係をどうするのか、金融上にもよりパートナーとして付き合っていくことにするのか、エズラの決断にもよるだろう。そしてそれは、私が知る限り、全貌はまだ明らかになっていない。レイがエズラに、「頼まれた仕事はするがその金の20%は自分がもらう」、と言い放つところまでしか分からない。私も何も知らないんだ。分かっているのは、2人は知り合って20年になること、そしておそらくエズラはボストンへまで行きレイを連れて来て、息子のように接してきて、アドバイザー的な役割も果たしてきたこと。2人で様々な成功を収めてきたし、問題も同じくらい起こしてきたこと。プライベートでも仕事でもね。だから、2人の間では自分たちの状況を踏まえて解決しなければならないことがあるということだ。それに、レイは父親を殺せなかった。もちろん我々だってジョン・ヴォイトを死なせたくない。なぜなら彼はこのドラマの最大の魅力だからね。ミッキーを殺すという意向がまだあるのかは定かではないが、ミッキーが生き延びたことでシーズン2がよりパワフルで、より面白いドラマになることは確かだよ。

(2014年)

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リーヴ・シュレイバー(レイ・ドノヴァン役) インタビュー

レイというキャラクターの役作りのために、どのようなリサーチをしたのか教えてください。

正直言うと、リサーチというほどのものはしてないんだ…。ただ、ハリウッドの最盛期にはレイのような男たちが存在していて、そういう人たちが色々な意味でモデルになっていると思う。それに、最近のハリウッドのセレブたちは法律事務所との結びつきがより強くなっている。私立探偵のような役割も担っている法律事務所は多いし、事務所が探偵を雇っているってこともあるだろう。だからきっと、レイは色んな要素を取り入れたオリジナルのキャラクターなんだと思う。

レイの好きな所を教えて下さい。

そうだな。この象徴的なアンチヒーローの、主人公っぽくない所がすごく面白いし、魅力的だと思った。アン・ビダーマンがすごく細かく分析してるんだ。キャラクターとしてすごく興味深いし、レイのようなキャラクターは男の夢だよね。

広い世界のどこかで起こっている事だろうけど、誰にでも起きる訳ではではない。だからハリウッドという場所でレイに家族を持たせることで、男の夢だけじゃなく男としてのアイディンティティも追及できていたと思う。レイのようなやり手の主人公に家族がいて、家の中のゴタゴタにも巻き込まれるっていうのは珍しいけど、それがこのドラマでは多く描かれていたからね。まさにそこが面白いんだと思う。それに、レイは根底には強いモラルを持った男だから、そういう所が好きだな。

レイの原動力は何だと思いますか?

家族だと思う。レイのすごく情に厚い部分も好きな所なんだ。だから、子供たちへの愛情や彼らにかける期待、今の生活に対する思いがレイを突き動かしているんだと思う。

レイは良い人間なのか、それとも悪人なのか、どちらだと思いますか?

レイはShowtimeの典型的なアンチヒーローだと思う。だからこそ、このドラマの放送局はShowtimeしかないってこと。今の質問にはっきりと答えられないっていうのが、実は僕が気に入っている所でもあるんだ。複雑で二面性があるドラマはいつでも面白いし、その複雑さこそがキャラクターの魅力でもあるんだと思う。言葉にするのが難しいんだけど、良い人間もいないし、悪い人間もいない、それが僕にとってはとてもリアルなんだ。

このドラマに出演されて、ハリウッドやハリウッドに住む人々に対する考え方は変わりましたか?ドラマではセレブたちがパパラッチやゴシップを恐れ、真実を隠そうとしますが、実際もそうだと思いますか?

この業界のセレブという文化は、1つの大きなビジネスでもあるんだと思う。だから、ビジネスと私生活をきっちり区別してプライバシーが欲しいと思うのなら、それはすごく大変な事なんだ。その辺は、すごくリアルだし真実に近い。でもそれが良いことなのか悪いことなのかは、分からない。ただ、僕は長いことこの世界にいるから多分レイよりハリウッドには慣れているし、レイほどこの世界のことをシニカルな視点で、うんざりしながら見てはいないとは思う。

今やテレビの人気は絶大ですよね。映画はテレビの勢いに押されていると思いますか?

それは一概には言えないかな。今は映画のまた違う黄金時代が来ていると思うしね。iPhoneを使って子供たちが映画を作ったり、パソコンのプログラムを使ってノンリニア編集ができるようになった。だから、近い未来に本当にワクワクするような映画が作られるんじゃないかと思うんだ。そうは言っても、映画作りは比較的制限が多くて、2時間でなきゃいけなかったり、宣伝が必要だったりする。映画館での上映やDVDを発売することも考えるから、スパンも長い。ただ、そういう事を考えずに作られた映画もたくさん存在すると思うんだ。テレビもそう。特にケーブルテレビは、すごく面白くて視聴者も満足できる作品が多い。それに映画ほどお金をかけずに済む分、才能のある人たちに仕事が回る。一定の期間続く仕事がね。だからたくさんの素晴らしい脚本家や監督、才能ある役者たちがテレビ、特にケーブルに出演するようになってきていると思う。

「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」の魅力は何だと思いますか?

そうだな。様々な要素が混在しているところかな。例えば、レイのような“男の中の男”みたいな人間が、トランスジェンダーの人たちに対して意外に優しい面を見せたりする。そういう部分がすごく面白い。調和しなさそうなものが組み合わさっているのがこのドラマだと思う。人や文化や様々なものがうまくぶつかり合って良い化学変化が起きてる。

最近『Clear History(原題)』を観ました。ラリー・デイヴィッドからかなりアドリブが多い作品だと伺いましたが、いかがでしたか?今後コメディ作品にもどんどん参加していくのでしょうか。このドラマのダークな部分とのバランスを取るためにもコメディが必要だった、ということもありますか?

今このドラマで1年の半分はダークな演技をしてるから、そのバランスを取るためにも確かに必要だったね。でもこのドラマにも明るい部分もあって、その部分がずっとあるといいなとは思ってるよ。『Clear History(原題)』は親友が監督をしていたこともあって、とても楽しかった。それにラリー・デイヴィッドと一緒に仕事ができたからね。アドリブでの演技も好きだし、コメディもすごく好きなんだ。今はなかなかコメディをやるタイミングがないんだけど、将来的にいつかはやりたいなっていう気持ちがある。ただ、あの映画のアドリブはちょっと怖かったな。だって、チェチェン人のアクセントで話さなきゃいけなかったからね。でもすごく楽しくできたよ。

レイというダークなキャラを演じることで、オンとオフの切り替えが難しいということはありましたか?

オンとオフの切り替えか…。これまでは、ドラマのタイトルになるような人物を演じるタイプの役者じゃなかった。だからレイを5、6カ月間演じてみて、こんなに休みが必要だと思ったのは初めてだよ。台本を読んだ時は、このダークな役を長時間演じたいかどうか正直分からないってアンには話した。でも、家に帰れば4歳と6歳の息子たちの相手を全力でしないといけないから、きっと気持ちも素早く切り替えられると思ったんだ。

先ほどレイというキャラクターがアンチヒーローだというお話をされていましたが、キャラクターを作り上げたのは女性であるアン・ビダーマンですよね。すごく珍しいなと思いました。女性の視点が入ることで、他のアンチヒーローたちとは一線を画していると思いますか?

「どうして女性なのに、男の性や本性がよく分かるんだろう?」って僕もずっと思ってたんだ。それで、そのことを友達に話すと、彼女はそれを当然だって言う。「男のことを、一番理解してるのは女よ。だから面白いんじゃない」ってね。女性の視点で描かれた男が、ドラマの説得力のある部分。皮肉にもね。少なくともそれが僕にとってはユニークで面白い部分なんだ。

ジョン・ヴォイトやエリオット・グールド、ジェームズ・ウッズなど、レイの脇を固めるキャストの選別にも関わったとアンから聞きました。

3人のキャスティングはすごく難しかったよ。でもきっと自分にもこの作品にも必ずたくさんのものを与えてくれると思った。3人とも皆並外れて素晴らしい役者だし、このドラマには確実にプラスになる。それに彼らと共演できるって考えただけでものすごくスリルを感じてワクワクした。3人は、誰もが見たくなるような、そして見ている者を圧倒できる役者だと思う。それに、ジョンとは『クライシス・オブ・アメリカ』で共演していたから、きっと上手くいくと思ってた。

ジェームズ・ウッズとエリオット・グールドは、ずっと大ファンでね。長時間に渡るドラマの撮影を、この人たちとだったら楽しみながら仕事ができるだろうな、と思える人たちを集めただけなんだ。だから、この3人のキャスティングに関われたことが、自分にとって一番の成果なのかもしれない。

ジョン・ヴォイト演じるミッキーは、男らしい強さと人としてのもろさを併せ持っている人物だと思いますが、どう思いますか?

それがアン・ビダーマンの成せる業なんだろうね。その部分こそ、僕がこの脚本に惹かれた部分でもある。これはずっと感じていたことなんだけど、強さや暴力がある所には、同じくらいのもろさがあるんだと思う。ジョンもエリオットもジェームズも、すごく男らしい人たち。そこにアンがすごく細かく分析してキャラクターを設定している。だからその2つの要素を自然に表現できる人たちを探すことに意味があった。この3人なら大丈夫だと確信があったし、彼らなら、人間の裏側の深みも出してくれると思った。それぞれのキャラクターたちには表に見せている顔とは正反対の、アン・ビダーマンだから出せる裏側が存在するんだ。僕にとってはその部分こそがこのドラマのワクワクする部分だよ。

テレビドラマに出演する利点は何だと思いますか?半年ぐらい仕事が続くテレビと、撮影で海外に行くことがある映画――これまでを振り返ってみて、どちらが好きですか?

まだテレビの仕事は始めたばかりだから、はっきりと答えは出せないかな。それにこれからの自分の人生がどうなっていくか、何も分からないんだ。でも自分や子供たちにとって、テレビの仕事をする上で確実に利点だと思えるのは、しばらく仕事があるってこと。来年も仕事があるといいんだけどね。収入が安定するのは間違いなく良いことだし。それに、役者を始めた頃は移動の多いライフスタイルが好きだったけど、年を取って子供たちが大きくなってくると、安定したいと思えるようになってきた。安定した家庭生活を送れるのは良い事だよね。

ドラマの中のセレブのように、実際にもスキャンダルを恐れている有名人はたくさんいるのでしょうか?

そりゃ、世間の人たちに自分の性的指向を知られたくない人はたくさんいるだろうね。ちなみに、僕は違うけどね。スキャンダルには縁のない生活を送ってきたし、これからもそうでありたいと思ってるから。

レイは仕事と家庭を両立させるために、何かを犠牲にすることがありますが、その部分に俳優として共感することはありますか?

それはあると思う。テレビの仕事をすると、撮影で長期間家を空けることになる。でも、役者としてのある種の自由はなくなったけれど、子供がいるからこそ今は価値を感じる部分もあるんだ。だから、強いて言うならあまり舞台の仕事ができないのは犠牲と言えるかもしれない。

このドラマの特徴を教えて下さい。

そうだな。このドラマは人間同士や様々な文化の衝突がドラマチックに描かれている。それにレイはハリウッドの法律事務所とつながりがあるから、テレビや新聞で取り上げられる、現代を象徴するようなトラブルが起きるのがこのドラマの特徴なんだ。ハラハラするし、見ていてすごく楽しいと思うよ。

レイとミッキーの関係には希望はあるのでしょうか。もしミッキーが自分の本当の父親だったらどうしますか?

ミッキーが自分の本当の父親だったら?その現実とはドラマの中で毎日向き合ってるからな…。ただ、2人に関係を修復するチャンスがあるかどうかは分からない。シーズン2を見てもらうまでは、詳しく話せないよ。今のところは修復できる感じは全くないけど、2人の間の緊張感がこのドラマの面白さでもあると思う。

最近ではテレビのトレンドとして、「デクスター」や「ブレイキング・バッド」の主人公のようなアンチヒーローがたくさん登場しますよね。なぜ視聴者はダークなストーリーやモラル的に怪しげなキャラクターに魅了されるのだと思いますか?彼らを応援したくなるのはどうしてなんでしょうか。

僕も同じこと考えたことがあるよ。その時に誰にかにいい本を勧めてもらったんだよ。でもタイトルは忘れてしまった…。何で思い出せないんだろう。でも、今まで役者として経験を積んできたけど、本当にアンチヒーローばかりだったよ。シェイクスピアを読むとアンチヒーローしか登場しないしね。そのキャラクターの二面性こそがヒューマンドラマの根っこにある魅力だと思うんだ。それに、Showtimeはその辺を一貫して何度も取り上げてる。ネットワークの特性だとも言えると思うんだ。ただ面白いことに、役者をやっているとアンチヒーローじゃないキャラクターにお目にかかることがあまりない。だから人間なんて皆アンチヒーローなんだと思うよ。

自分でもよく「ヒーローって何だ?」って考えるけど、面白いよね。いつも何かに向かって努力をしていて、人のお手本になるような人間がヒーローなんだろうが、役者としてはあまり興味が湧かない。今まで一度も興味を持ったことがないよ。むしろ、生きるのに精いっぱいで、おかしなモラルに苦しんだり、矛盾したキャラクターの方に魅了される。ヘラクレスのようなヒーローより、アンチヒーローに共感してしまうんだ。

レイというキャラクターについて、自分の意見を言うようなこともありましたか?もしなかったとしたら、今後はそのようなことが増えていくと思いますか?

そういうことができる頭脳があったらよかったんだけど。何か知的なことを言おうと思ってはいたけど、今の所まだ何も思い浮かばないんだ。ここまでの道のりが、本当に大変だったっていうのもあるし。これまで主役を演じる機会があまりなかったからね。脇役を演じることでキャリアを積んできたし、それが楽しかったんだ。脇役にはいつでも魅力があるんだよ。それに、仕事量もそこまで多くなかった。シーズン1を撮影してみて、スケジュールが本当にきついんだって分かった。毎日14時間、週5日は仕事して、日が昇る前に起きて、日が沈む前に帰宅できることはほとんどない。それに、常に変化する世界で生きているレイというキャラクターを演じるのには、頭も使うし気持ちの面でもすごくエネルギーがいる。だからそのクリエイティブな問題からは普段は距離を置くようにしていたんだ。一度そういうことを考えすぎてしまうと、演じることの邪魔になると思ったから。ただ意見はもちろん持っているから、アンと上手く協力してやっていきたいと思ってる。彼女とはすごくいい関係を築けてると思ってるんだ。良い意味で、意見をぶつけ合うことができる。ただ話をするんじゃなく、意見をぶつけ合うには、情熱がなければできない。昔、アンドレ・サボンっていう舞台の演出家に「演劇は血を流すスポーツだ」って言われたことがあるんだ。年を取るにつれ、その考え方が理解できるようになってきた。だから、目の前の事に全てを注ぎ込むつもりでやってる。全力でやらなければ、すぐ演技に現れるからね。全てを出し切ることで、細かい部分まで納得のいく仕事ができる。それに今回は、周りの人に恵まれているから、一緒に仕事をしていくのがすごく楽しみなんだ。

ボクシングが楽しい、とおっしゃっていたのをどこかで読みました。



ボクシングはすごく良いよ。体を動かすことで発散できるし、トレーニングをすることでエネルギーが湧いてくる。撮影ではすごく気が張りつめているから本当に疲れるんだ。そういう時は、へとへとになるまで体を動かすことが一番だって気付いた。体をゼロにリセットできる。顔を殴られたりすると悔しいけど、それさえも楽しいね。



もうすでに次の仕事の予定が入っているんですか?


いや、ないよ。今は仕事していない時間を楽しみつつ、子供たちとの時間を大事にしてる。ドラマをやっていた1年は本当に嵐のようだったしね。本当によく働いたから、今何もしていないのが気分がいいんだ。4歳と6歳の息子がいるから、目まぐるしい成長が見られるし、家にいるのがすごく楽しい。



視聴者には見えない、ハリウッドの裏の魅力とは何だと思いますか?


自分にとって魅力的なものが視聴者にとっても魅力的かどうかはわからないからな。それにこの業界で仕事をしていて馴染みがある分、ハリウッドの裏側や有名人への興味はあまりないんだ。でもセレブが大きな文化になった今、残念だけど中傷したり批判したりする人が裏でたくさんいるのも確かだ。それは視聴者にとっても演じる側にとっても健康的な事ではないと思う。でも、人の見ちゃいけない部分をのぞき見するのは、やっぱり魅力的で面白いんだと思う。



あえて裏の部分を見せるのを楽しんでいる人もいますよね。


誰だって秘密を知りたいと思うからね。このドラマでもそこが描かれている。



脚本家やプロデューサー、監督や俳優さんたちの中にはあえて裏側を見せることを楽しんだり、ハリウッドのスキャンダルを批判するような状況をわざと作ったりしている人もいる気がします。


確かにそうかもしれない。この業界で仕事をしているから、知っていることもあるしね。だから、より身近な事を題材にしているのがこのドラマなのかもしれない。全く知らない分野を描くよりは現実的だし、より面白くできるんじゃないかな。



このドラマには、きどきわどいシーンが多いですが、他のドラマと比べてより過激だと思いますか?ケーブルだからこそ、自由に表現できるのでしょうか。


そうだね。そこはケーブルのメリットだと思うよ。普通では言えないことが言えるし、見せられない物が見せられる。他のドラマと比べてって聞かれると、実はあまりテレビを見ないから分からないと答えるしかない。でも友人に勧められて「ブレイキング・バッド」と「ザ・ソプラノズ」は何話か観たけど、特に僕たちのドラマの方がきわどい感じはしなかったな。でもその2つとしか比べられないからはっきりしたことは分からないんだ。

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ジョン・ヴォイト(ミッキー・ドノヴァン役) インタビュー

「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」で描かれているセレブの世界は、どの位リアルなんでしょうか。ご自身の経験から見て、どうですか?

とてもリアルに描かれてると思う。すごく細かい所までね。きっと今頃、この近所でも同じような事が起きてるんじゃないかな(笑)。まあ、脚本家の想像も入っているだろうがね。でもハリウッドは、実際にも同じようなことが起きる場所だし、観ていると登場人物のモデルが分かったような気になることがある。だから、真実とかけ離れている物語ではないんだ。このフィクサーが誰だかは分からないが、同じようなトラブルは実際にも起きるし、だからこそ見る人の興味も引くんじゃないかな。ただ、トラブルが起きた時に、それが“E!Entertainment”なんかに載らないようにするのは、実際は難しい。E!のゴシップは品がないんだよ…なんてそういうことは私が言うべきことじゃないか。しかし、このゴシップというのは、私の趣味ではないんだ。ただ、実際に起きていることではあるがね。君たちも、何か私の事を記事にする時は、お手柔らかに頼むよ。

「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」に出演しようと思った理由を教えて下さい。

まず、(製作総指揮の)アン・ビダーマンに渡されて読んだ台本が、すごく素晴らしかったんだ。本当によく書けていた。それに、演じて欲しいとお願いされたキャラクターがすごくクレイジーでね。実際に登場するシーンは少ないのに、どのシーンもすごくダイナミックだった。ワクワクする作品だと思った。それに、その場にいないのに皆がそのキャラクターのことを話題にしてる。すごくいい役だと思ったし、何よりこんなキャラクターはそれまで見たことがなかった。すごく新しいし、すごく愉快な人物だった。それに妙な話だが、このキャラクターの置かれている状況に、馴染みがあったんでね。昔『暴走機関車』という映画に出た時に、刑務所での囚人たちの生活について調べたことがあったんだ。

それに、『チャンプ』っていうボクシングの映画にも出たことがあるから、ボクシングの知識もある。これまでに楽しみながら関わったことのある分野だったから、自分にはぴったりだと思った。それに、リーヴの存在があるね。彼は素晴らしい役者だし、これまではおそらく主演はなかったはずだが、最高の主役になるだろうと思ったんだ。すごくセクシーで、すごく危険で、本当に良い役者だ。パワフルだし、ユーモアもあるし、優しさや弱さもある。とにかくレイにはぴったりだと思ったんだ。だから参加することを決めて、プロデューサーのブライアン・ズーリフや製作総指揮のアン・ビダーマンに会うと、彼らもすごく素晴らしい人たちだった。

皆で集まった時に、アンが「今日は日曜日だから、出演がOKならナプキンにサインしてね、持って帰るから」みたいなことを言うから私は笑ってしまったよ。結局は事務所のスタッフに相談するのに持ち帰らせてもらったがね。とにかく一緒の時間がすごく楽しかった。物の見方が同じで、たくさん笑ったよ。それに、このキャラクターには面白みもある。自分にも普通ではないおかしな部分があるから、私ならこのキャラクターを演じられるかもしれないと思ったんだ。ただ、この男は突然危険な男に変わることがあるから、この役を演じることで、ジョン・ヴォイトはこんなに頭がイカれてたのか?と思われるかもしれないがね。でもこの仕事を受けてよかったと思っているよ。

ミッキー・ドノヴァンはすごくタフなキャラクターですが、どのように役作りをされたんですか?何からインスピレーションを受けたのでしょうか。ミッキーと似ている部分はありますか?

ミッキー・ドノヴァンと私の共通点と、役作りか。そうだな。多分ミッキーと私の共通点はたくさんあると思う。1つは、この男がサバイバーだということ。ミッキーは常に何かしらの問題を解決しようとしている。何が起きているのかを見極めようとし、この状況をどうやって切り抜けるか考えている。もしくはこの状況をどう利用できるか考える。そういう部分は私にもあるんだ。いつでも何か考えているよ。それがミッキーの場合、見ていて分かる場合があるけど、それはこのキャラクターには好都合だ。ただ彼がどんなことを思い付くかは、想定できないだろうけどね。

それに、子供がいる父親として子供たちの生活に関わりたいと思う部分も似ているかな。これは私も経験したからね。他にもたくさんあるが、体を動かすことが好きな所も同じだ。私は、自分の事を生まれながらのアスリートだと思ってる。生まれながらのアスリートなんて言い方、昔は好きじゃなかったんだがね。でも、アスリートとしての能力はあっても、プロになることはなかった。私の父親はプロゴルファーだったんだ。私もゴルフをするのが好きだったし、プロになることを考えたこともある。まあそこまでの才能はなかったんだがね。水泳もやっていて、これはなかなかのものだった。でもこれもオリンピックに出るほどではなかった。バスケットボールもやったな。これもそれほどではなかった(笑)。色々なスポーツが得意だったのは確かなんだ。色々なことに興味があったし、それなりの能力もあった。ボクシングも少しかじった。『チャンプ』っていう映画のおかげだ。 だからミッキーがよく体を動かしているところが好きだな。それ以外にもいいなと思う所はたくさんあるけど、やっぱり一番は、ミッキーが演じがいがある男だという部分なのかもしれない。所詮私も役者だからね。これほど特徴のある男を演じられるなら、自分の持っている全てを駆使したいと思うんだ。演じていてすごく楽しい。撮影現場に行くと「さあ始めよう、楽しもうじゃないか」と幸せな気持ちになる。最高だよ。

ドノヴァン家はたくさんの問題を抱えていますが、ご自身のキャラクターにとって一番難しかったのはどのシーンでしたか?

ミッキーにとって一番難しいシーンか…。殺されそうになって、それを切り抜けようとするシーンは難しかったな。ミッキーはいつでも困った状況にいる。自業自得なんだがね。ただ、トラブルを起こして窮地に追い込まれるのも得意だけど、そこから抜け出すのも得意なんだ。本当に面白いキャラクターだよ。
ある意味では全てのシーンが難しくもあり、また簡単でもあったな。感情をむき出しにするシーンは、かなり真剣に取り組まなきゃならず難しかった。他のシーンのようにふざけたりすることはできないからね。感情的になるシリアスなシーンがいくつかあったからね。ドラマを見ていけば分かると思うよ。そういうシーンでは、その都度違った準備をしないとならない。だから、そういうミッキーが痛みを感じるようなシーンは難しかったと言えるね。

出演する映画のために、刑務所での生活について調べたことがあるとおっしゃっていましたよね。そのことについて教えていただけますか?その経験は、今回のキャラクターを演じるにあたり役に立ったのでしょうか。

当時のパートナーの知り合いで、終身刑で刑務所に入っていた人物がいて、本当に興味深い話を聞かせてもらった。その男には親がいなかった。ある時、彼は仲間と車を盗んだんだ。彼自身は運転ができなかったのにね。捕まった時、仲間に罪をなすりつけられ少年院に入った。そこでは自分を守るのは自分しかいなかった。少年院にいたリーダーにも「自分を守れるのは自分だけ」と教えられていたんだ。男はいじめられていたから、戦うことを覚えなくてはならなかった。そして、男は痩せていて小柄だったがいじめていた男と対決し、互角の戦いをした。そのことで一目置かれるようになった。そんなこと男には初めての経験だった。徐々に男は精神的にも強くなり、何に対しても立ち向かえるようになった。正しいこともできるようになった。しかし、少年院で誰かを怪我させてしまい、刑務所に送られた。そこで自分を守るために人を殺してしまい、終身刑になった。彼の話には、すごく説得力があったね。そして、男はさらに刑務所から脱走したんだ。その刑務所を脱走した唯一の男だ。驚くべき人物だよ。

実際に会うことができた時、彼から刑務所の中での生活のことをたくさん教えてもらった。何度も会いに行ったよ。そこで得た知識を、実際に『暴走機関車』に取り入れているんだ。映画の最初のシーンで、独房の壁に描かれている文章は、その男の手紙から抜いた文字なんだ。私にとってオスカー・マンヘイムというキャラクターを象徴するような男だったから、彼にも作品に居場所を作ってやりたかったんだ。とにかく、その時にリサーチはたくさんした。

その知識が今回の役作りにも役に立ちました?どういったところに使いましたか?

そうだな、もう知識があったから今回は特に何もしていないんだ。1度得た知識は決して忘れないからね。刑務所のじめじめした雰囲気が、すでに頭に入っているし、細かい演じ方も分かっている。囚人を演じるには、タフな演技をするだけではだめなんだ。囚人だって、他の人間と同じ。それをまず頭に入れなければならない。ただ、恐ろしい過去を持っていて危険な部分があるから、何かに刺激されて豹変することがある。だから、最初からミッキーをリアルに演じることができるだけの知識があったんだ。ミッキーにとって何が重要か、理解できていたからね。

本作におけるミッキーと息子レイの複雑に破綻した関係性についてや2人の間にはどういった暗い過去があるのかについて、アン・ビダーマンからは、どの程度まで説明がありましたか?

いい質問だね。すごくいい。話は聞いていたよ。だからミッキーを演じる時は、それを考えながら演じることができた。ミッキーは間違ったことをたくさんするけど、それは衝動的なもので、仕方のない部分なんだ。私にはその境界線が分かる。例えば、神父を殺すこともそうだ。刑務所から出てきたと思ったら神父を殺すんだから、全く面白いよ。マサチューセッツまで行って、教会で神父を殺すんだ。殺す時のミッキーのセリフから、彼が子供たちのために神父を殺したことが分かる。20年間刑務所で過ごした結果が、その行動だったんだ。子供たちが傷つけられていた時に、自分はきちんとした対処ができなかった。だから神父を殺さなければいけないとずっと思っていたんだろう。

彼が良い人間なのか、悪い人間なのかは考えました?役作りをする上で、その部分をはっきりさせる必要があったのでしょうか。

そういう風にどちらかに決めつけることはしていない。彼は、動物なんだよ。特別な種類の動物。それを見極めて演じるだけ。それが私の仕事だ。良いか悪いか、決めるのは私じゃない。彼の行動で笑わされることはあるけどね。ミッキーには何としてでも関わりたい人がいる、そのことが大事なんだ。それは興味深いことだけど、私が彼に対して「この男は本当のウソつきだ」と決めつけることはない。ミッキーはミッキーだからね。彼は何事にもためらうことはない。立ち止まらないんだ。クロコダイルに向かって、「なんで私を噛むんだ?」なんて聞かないだろ?彼はクロコダイルなんだ。正しいとか正しくないとかではない。ただ、近づきすぎないようにするだけ。とにかく、それが私のミッキーに対する考え方だよ。

キャラクターの持つ闇について教えて下さい。それと、家に帰っても役を引きずってしまうタイプですか?長い期間ミッキーのような役を演じていると、日常背活に支障をきたしてしまいそうな気がします。周りにいる人たちが、あなたが別人のように感じるなんてことはありますか?

いや、役者は演じるのが仕事だからね。ただ演技をしているだけ。だから、ミッキーを生き生きと演じることに力は注ぐが、入り込みすぎることはないんだ。あくまで私の場合だけどね。それに私には日々考えなきゃいけないことがたくさんあるんだ。つらい出来事をテレビで見たり実際耳にしたり、すごく胸が痛むことがたくさんある。色々真剣に受け止めてしまうところがあってね。皆そうだろう?私は演じるにあたって、役に命を吹き込むためにベストを尽くすだけだよ。

今の所、キャストの中で一番エッジが効いているのは誰だと思いますか?

私かもしれないね。でも、皆そうだと思うな。リーヴもなかなか危険な男だし、ほとんどのキャラクターもそうだ。アヴィ役のスティーヴン・バウアーだって。でもまあ、一番はミッキーだろうね。

でもミッキーはもっと悪びれていないと言うか――

モラルに反してはいる。わがままだしモラルはない。確かにそうだが、彼はサバイバーだからね。生きるためには何だってするんだ。まるでカメレオンだ。自分にプラスになると思ったらためらわず行動する。後半のエピソードの中で殺されかけるんだけど、その時のミッキーの様子や、どうやってそれを切り抜けるのかという部分がすごく面白いよ。絶体絶命のような状況なのに、どうにかして逃げ道を見つけることができるんだ。

そこがキャラクターの本質ですよね。

そうだよ。彼はサバイバーだから。でも自分では普通だと思っているんだ。実際彼には繊細な部分もあると思うよ。

ハリウッドの映画業界で長い間仕事をされていて、最も驚いた変化は何ですか?俳優としての視点からお聞かせください。

『真夜中のカーボーイ』に出たあとのインタビューで、理想や未来のことをたくさん話したのを思い出すなあ。様々な種類の映画館の話をしたんだ。アイマックスのプロジェクターがあったり、360度スクリーンのある映画館のことを永遠とね。だから変化に驚かされることはなかった。だって、iPhoneだって、発売から5か月後にはもう人間に話しかけてくるんだよ。使いこなせている人がいるかは分からないがね。でも確かに、映像の世界のアートの観点から言うと、様々な変化があったと思う。

素晴らしい変化の1つにコンピューター・グラフィックがあるだろう。これによって、セットの背景が本当に美しくなった。技術に関しては今でも進化し続けていて、才能ある技術者がたくさんいる。まるでモネだ。モネの絵は近くで見るとキャンバスに様々な色の斑点があるだけなのに、離れてみるとボートに女性たちが乗っていることが分かる。素晴らしい技術だよ。モネは天才だ。神様からの贈り物だ。ミケランジェロだってそうだ。

とにかく、背景を描く技術者たちも彼らと同じようなものだ。まるで神業だよ。近くで見てみると建物が描かれていたりするんだ。建築学的にも完璧なプロの仕事だ。でも空などの背景も完璧に描く。アンジーと『トゥームレイダー』出演した時も素晴らしい背景が描かれていたな。アンジ―が私と会うシーンで、テントの後ろがツンドラなんだ。実際には映っていないんだがね。ララが私に会いに来るシーン、知ってる?実際の映画ではテントの中しか映らないんだ。突然テントのシーンになる。でも誰かがその壮大なツンドラを描いたんだ。それはそれは美しくて、モネの絵のようだった。まるでモネの“睡蓮”のようだったよ。サイズもすごく大きくてね。おそらくこの部屋ぐらい大きかったよ。だからアンジ―に聞いたんだ。「新しい家はデカくて壁も大きいんだから、あの絵を持って帰って飾ったらいい」ってね。だってそうしないと、上塗りされるか捨てられてしまうだろ。本当に美しい絵だったんだ。しかし「いらない」って断られたよ。私にとっては壮大な絵だったんだが、見方が違うんじゃしょうがない。今じゃ何でも簡単に描けるし、修正もできる。「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」の中でも、私がゴーレムになるシーンがあったんだが、CGを使ってるんだ。素晴らしい出来だよ。

だから、そういったコンピューターを使って絵を描く人たちが出てきたことが、映画業界の素晴らしい変化だと思う。色んなことを修正できるし、間違った使い方さえしなければ本当に便利だ。『ロード・オブ・ザ・リング』はすごく良かった。こんなこともできるのか、と感心したよ。CGでものすごい数の軍がいるように見せたりね。素晴らしくて驚いた。美しいニュージーランドの景色に存在する無数の軍隊――J・R・R・トールキンの最高傑作を見事に映像化していたと思う。圧倒されたよ。素晴らしかったと思わないか?最高だ。

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