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Features

インタビュー会場となったホテルの部屋に入って来たジャレッド・パデレッキの腕にはギプスがはめられていたので、どうしたのかと聞くと...

「転んだんだよ。僕は、いつも、自分がタフで大きくて強いんだというふりをして無茶をするもんだから、何回となく手や腕を折ったり、腰を痛めたりしているんだ。おまけに歯の神経も取っているし。ってそれは関係無いか。(笑)骨を折ったのは撮影中なんだけど、スタントをしていたわけでもなく、ただ転び方が悪かったってだけなんだ。しょうがないので、僕がゾンビに襲われて骨折したという設定を脚本に付け加えてもらった。利用できるんだったら利用してしまえってね」

骨を折らなければ(笑)スタントは楽しいですか?

「うん、スタントをするのは大好きだよ。動かないで台詞を言っているだけといったシーンばかり演じる単調さから脱する良い気分転換になるからね。スタントをしている時は、演技そっちのけでやたら走り回ったりするだろう?僕は子供の時からずっとスポーツをして育ってきたから、体を動かすのは今でも大好きなんだ」

ホラー・シーンの撮影はどうですか?ジェンセンは、この番組に出演するようになってから撮影トリックの知識がついて、他のホラー映画を観ても怖くなくなってしまったところがあると言っていましたが。

「ああ、それは本当のことだと思うな。ホラー・シーンの撮影と言っても実際の撮影ではちっとも怖くないからね。画面では怖く写っていても近くで実際に見ると安っぽい造りのものが多かったり、後でCGによって合成するものは撮影時には壁に貼ってあるテープに目線を合わせて演技することがほとんどだったりするから。でも、出来た映像を後で観るのは楽しいよ。撮影したのは随分前のことなので、壁のテープを見ていたことなんか忘れているし、編集やCGのスタッフが素晴らしい仕事をしているからね」

あなたの家族も、例えば「蝋人形の館」であなたが拷問を受けるシーン等を観るのは平気なんですか?

「ああ、あの映画を観た兄と妹は拷問シーンを正視できなかったと言っていたな。僕が“死ぬ”のを観るのは平気だそうだけど(笑)、あのシーンでは身が縮む思いだったみたいだよ。母なんかは、僕が映画やドラマの中で悪口を言われただけで『息子の悪口なんか言わないで!』って怒りそうな人間だし。父だけはきっと『これは映画なんだから、どうでもいいじゃないか』って言うだろうな」

「スーパーナチュラル」を含め、今、ホラー番組が成功しているのはどうしてだと思いますか?

「番組のジャンルには流行りすたれというものがあると思うけど、SFホラー・ジャンルについて言えば、まず『X-ファイル』が90年代に成功の素地を作ったんじゃないかと考えている。2000年以降は『LOST』とかね。この番組の成功については、プロデューサーのエリック(・クリプキ)をはじめ、スタッフの皆がこの番組のことを愛していて、僕らが演じている登場人物に精通していることが大きいんじゃないかと思う。ストーリーのネタも単なる思いつきなんかじゃなくて、都市神話とか伝説に基づいているし」

彼らは超常現象の経験者だったりしますか?

「うーん、それは知らないなあ。僕自身は幽霊や超常現象に出くわしたことはないけれど、そういうものを信じてはいるよ」

それにしても、あなたが出演していた「ギルモア・ガールズ」とは180度違うドラマですよね。

「そうなんだよ。これまでとは全く違ったファンが出来たんだ。いまだに『ギルモア・ガールズ』に出ていたのを憶えていると言われるけど、“誰それのボーイフレンドを演じていた俳優”という人間から脱却できるのは、やっぱり嬉しいね」

これまでクレイジーなファンに遭遇したり、変なファンレターをもらったりしたこともありますか?

「いやあ、そういうのは無いな。スーパーで買い物をしていた時、僕が買い物するセクションごとに出くわす女の子が居て、話しかけてくるのかな?と思っていたけどそういう素振りも無いし。まさか僕の方から『君、僕が誰だか知っているんだろう?』なんて声をかけるわけにもいかないしねえ。その子、結局、何も買わずに出て行ったんだよ。気軽に声をかけてくれたら立ち話ぐらいしたのにと思ったよ。あと、変だというんじゃなくて、むしろ感動したファンレターがあった。そのファンレターをくれた女の子は、父親の葬儀で追悼スピーチをした時に『スーパーナチュラル』でのサムとディーンの台詞を引用したって言うんだ。僕たちは悪魔だの幽霊だのが出てくるドラマを作っているだけだと思っていたんだけど、親を失うということに関して僕たちがしゃべった台詞を真剣に受け止めてくれたということで、すごく光栄に思ったよ。中には『写真を送ってくれ』とあったので、返送先は?と見たら“7号棟の349E独房”なんてファンレターもあって、刑務所でも僕たちの番組を見せていることが判ったりね」

ティーンエージャーの女の子たちから刑務所の囚人までという、実に幅の広いファンを持つ「スーパーナチュラル」だが、ヒットの秘密はホラー・ジャンルの人気だけでなく、主役、ウィンチェスター兄弟の魅力もあるに違いない。相性が抜群のように見受けられる2人だが、撮影時間外も一緒に時間を過ごしたりするのだろうか?

「うん、ジェンセンとは一緒に飲みに行ったりするよ。でも、そうしたい時にそうするだけ。『兄弟役としての結束を強めるために、一緒にスポーツでもしなきゃ』などとは思わない。ジェンセンと上手く行っているのは、無理にそんなことをしようとしないからだと思う。僕たちは、別に特別な理由は無く、何となくウマが合うんだよ。それってすごくラッキーなことだとは思うけどね」
【ロサンゼルス(米) 荻原順子 2006年10月】