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池田憲章の海外TVシリーズ 検証ファイルSPECIAL 「ホミサイド/殺人捜査課」声優陣インタビュー完全収録版
検証ファイルスペシャル2001年8月号放送
「ホミサイド/殺人捜査課」
声優陣インタビュー
完全収録
声のキャストのみなさま、収録直後お疲れのところを
本当にありがとうございました。
「ホミサイド/殺人捜査課」122話+スペシャル版、お疲れさまでした。
※このインタビュー再録は、
みなさまにお話いただいたことほぼ全てを掲載しております。
可能な限りその場の雰囲気を再現したいために、
話し言葉のママであったり、読みにくい部分も、
あえてそのまま掲載している箇所があります。ご了承下さい。
亀井三郎さん(アル・ジャデーロ役)篇
スーパーチャンネルインタビュアー(以下(ス))よろしくお願いいたします。
今回、「ホミサイド」というシリーズすべてが終わりましたが、全体を終えられての感想伺いたいのですが。
――いやあ、感想という一口で言えないね。本当の、本当にいい芝居でね。だから、最初のワンシリーズ、ツーシリーズくらいまでは、何となく、まだおぼつかないような。つくっている側も、アメリカのほうもおぼつかないようなドラマだったんだけど、3シリーズくらいなってくるとね、それはそれはすばらしいホームドラマっていうか。一度も、ピストルで、現場で殺人するっていうのがなかったんですよ。後半100本くらい過ぎてからそういうのが出てきましたけど。だから、人間ドラマっていったほうがね。僕らもそう感じながらやりましたけれど。本当にいい作品に恵まれて、「しあわせっ」とも感じています。
(ス)ジャデーロというキャラクターについて、どういったご感想をお持ちですか。
――ああ、そうね。ジャデーロっていうのは、このドラマの一種の進行役でね。若い刑事、またはベテランの刑事、権力側の権力者と闘っていくドラマの進行役という感じで、僕はやったつもりですけどね。
(ス)「ホミサイド」シリーズ全体というのが、大きい人間ドラマというご感想ですか。
――そう思いますね。こういうドラマだったら、本当、もう一回くらいやりたいですね。
(ス)ジャデーロを演じられて、大変だったことはありますか?
――ううん。ドラマ、役ってみんな難しいですけどね。ただ、ジャデーロやって幸せだなあと思うのは、愛があるんですよ。人間に対して。それから、社会に対して。それから、あらゆる政治的な哲学に対してね。人間的愛が豊富な役ですね。そういうのをできたっていうのは、しあわせ。「しあわせっ、しあわせっ、しあわせっ」って感じですね(笑)。
(ス)「ホミサイド/ザ・ムービー」の結末はどう思われますか。
――いやあ、よかったですよ。きょうね、中原君がゲストで出てくれて。本当、さっきも言ってたんだけど。この「ホミサイド」のチームプレーをすごく大事にしていて。ゲストスターの、中原君のやってた役っていうのは、大変な役者なんですけども、ほんのひとかけらみたいな感じで役に参加してくれて。そのくらい、「ホミサイド」っていうのは、レギュラーのチームっていうものを大事にした、本当にいい……。まして、今回ね、あの映画。まあ、まいった。ペンブルトンとベイリスの、あの男の恋愛。ねえ。感動しましたね。あれはもう、男だけが知る愛ですね。
(ス)最後にご覧になったスーパーチャンネルの視聴者の方に一言お願いします。
――そうですね。「ホミサイド/ザ・ムービー」ぜひ見てくださいね。これは、122本の集大成としてね、いいドラマです。これはもう……。自分がやったから言うんじゃなくて、本当、一役者として、作品を読んでも、また演じても、本当に楽しい映画ですから、ぜひ、見てください。どうもありがとう。僕もスーパーチャンネル見てますから。
田原アルノさん(ジョン・マンチ役)篇
(ス)シリーズ、スペシャル、ともにアフレコすべて終わりましたが、ご感想をお願いします。
――田原 そうですね。なんか、ああ、ついに終わってしまったか、と。去年(収録した最終回)の122話は、なんか尻切れトンボみたいで、終わりっていう感じじゃなかったですからね。きょうのやってみて、やはり、ああ、これで本当に終わったんだなっていう寂しさと、もういっぺん、自分としてはもういっぺんやってみたいなという思いと両方ありましたね。
(ス)かなりエキセントリックなマンチというキャラクターをやられていました。キャラクターについて、どんな人間だったというのをお願いします。
――そうですね。まあ、難しかったですけどねえ。ユダヤ人でいろんな屈折したものがあって、離婚歴も最終的に4回になろうかっていうことがあって。でも、非常に物知りだし、シニカルな部分っていうのもすごく持ってるし。ナイーブで。だから、自分としてはどこまで表現できたかはわかりませんけれども、ただ非常にやりがいのある役ではあったんですね。ですから、生涯、この役のことは忘れないだろうなっていうふうには思います。
(ス)マンチというキャラクターを見てると、田原さんが楽しそうに演じられてるという印象なのですが。
――ハハ(笑)。自分に似てる部分も……。あの、芸は似てないかもしれないんですけどね。いろいろな考え方だとか表現の仕方でちょっと自分に似てる部分もあったりして。そういう意味では、だんだん僕のほうが近づいていったっていう感じがしますけどね。マンチに。
(ス)「ホミサイド」という作品全体についてのご感想は。
――そうですね。今回の作品、一番最終回もそうなんですけど、アメリカの持ってるいろんな複雑な部分、人種問題や麻薬の問題だとか、そういうものすべてが凝縮されてるのが「ホミサイド」で。だから、非常に僕としては、この作品っていうのはドキュメンタリーのイメージがいまだに強いんですね。もちろん、やってるときはマンチもいろんなこと言っています。だけど、印象として残っているのは白黒のイメージなんですよね、どうしても。ドキュメンタリーの非常にいろんな問題点を浮き彫りにして、視聴者に投げかけてる。だから、見る人によって受けとめ方が全然違うと思うんですけどね。全部、収録が終わるのに3年間ぐらいでしたか。やはり、最初よりも今のほうが、日本もこういう事件がいっぱい起こっていて。当たり前のように、残酷な事件が多いじゃないですか。それに加えてアメリカの銃の恐ろしさというのを、僕は、この作品で改めて感じています。ジャデーロ役の亀井さんが言ってましたけども、やはり受けとめ方が見る人それぞれ全部違うと思うんですけども、この視聴者に何らかのそういうインパクトを与えたと思います。そういう意味では、「ホミサイド」っていうのは、日本の視聴者の人にも広範囲に受け入れられる作品じゃないかと思いますね。
(ス)「ザ・ムービー」が、衝撃的ストーリーの出だしで、さらに衝撃的なラストを迎えたわけなのですが、このスペシャル「ザ・ムービー」自体をどう思われましたか?
――まずね、これは、僕は「ホミサイド」に対する鎮魂歌だと。それと、ちょっとさっき言い忘れたんですけど、この番組っていうのは、音楽をものすごく大事にしてるって、僕は感じたんですね。特にこの最終回は……。最終回っていうか、この、きょうやった「ムービー」ですね。これは、ジャデーロが最初に撃たれて、その中で走馬燈の中に出てくるようなシーンじゃないかと思います。全体が。あとは、これに貢献した人たち、それから実際にそういうボルチモアだけじゃなくて、アメリカ全土のそういうホミサイドで働いてる人たちへ捧げるっていうのかな。なんか、そんなものを、僕は感じました。
(ス)それでは、最後に視聴者のみなさんに一言おねがいします。
――はい。本当に長い間ご覧いただきまして、ありがとうございました。それでひとつお願いがあるんですが、この作品に限らず、皆さんの声、叱咤激励を、ぜひ、テレビ局なり制作会社のほうへ寄せていただきたいんですね。そういうのが、つくってる側、スタッフも役者にとっても、非常に励ましになって、僕らもまた新たな意欲がでてきますので。ぜひ、自分の心の中だけでにとどめないで、そういうものを手紙なりメールなりにして、送ってください。どうもありがとうございました。
中原 茂さん(ロバート・ホール役)篇
(ス)今回の「ホミサイド・ザ・ムービー」のアフレコで「ホミサイド」に参加されてのご感想と、「ホミサイド」という作品に対してのご感想をお願いいたします。――はい。そうですね。僕はこの「ムービー」のほうで初めて参加させていただいたんですけど。僕自身もヒューマンドラマというのはすごく好きなんで、そういうドラマをよく見たりするんです。この「ホミサイド」自体の今までのいろんなエピソードっていうのは、僕は全く知らないんですけど、今回、初めて見ても、すごく……。ジャデーロをめぐる、いろんな人たちの葛藤であるとか、いろんなやりとりや、その人たちの思いっていうのは、すごく伝わってくる映画だったんです。そういう作品に参加できたことはうれしかったなと思うんですけど。
(ス)演じられた若手刑事。
――はい。ホールです。
(ス)今後、揉まれていくのかな、みたいな。
――そうですね。いけすかないやつでしたね、ホールはね。どうなんでしょう。やっぱり、彼も、今回のこのジャデーロの事件があって、昔の人たちが帰ってくるじゃないですか。帰ってきたりとか……。あと、彼以外はみんな顔見知りであったりするわけじゃないですか。彼は全くそれを知らない。話でしか知らない。そういう反発も、もちろんあったんでしょうね。もちろん、あなたたちのすばらしさは聞いてるけども、今は俺がやってるんだからっていうようなところっていうのは、すごくあったんじゃないかと思うんですよね。チームとしてまた動き始めるじゃないですか。ジャデーロの事件に対して。やっぱり自分の居場所を、なかなか、彼は見つけられなかったんじゃないか。そこが、ああいう、ちょっと、挑発的な態度に出てきたんじゃないかと思うんですけど。はい。まあ、きっと、これからあの殺人課内で、彼も、いろんな勉強して、変な肩ひじ張らなくなると、もう少し、なじんでいくっていうんですかね。もっとヒューマンな部分が出てくるんと思うんですけど。
(ス)シリーズ第1話でベイリス刑事がそういう役柄だったんですよ。
――あ、そうなんですか。
(ス)本当に、もう、大きくループしてるっていう結末ですよね。
――ええ。
(ス)(J・プリーストリーの代表作)「ビバリーヒルズ青春白書」のブランドン
(やはり中原さんが声を担当されています)を意識されましたか?何か演技の差をつけられたのでしょうか。
――いや、全くないですね。ほかの方もそうでしょうけれど、いろんな役者さんがいて、いろんな役やってるじゃないですか。僕たちも、いろんな作品ごとにもちろん役が違うんですけど。まあ、ひとつの役を演じるというか、その人間をいかに生きたいか、生きようかっていうことしか考えてないんで。だから、ホールはどうなんだろうか、と。例えば、先ほど出たブランドンだったら、ブランドンはっていうことで考えるんで、差をつけるということはありません。同じ役者だなっていうのはわかるんですけど。その人間としてとらえたいと思ってるんで。
(ス)ありがとうございます。最後に視聴者の皆さんに一言お願いします。
――はい。わかりました。僕は今回、初めて参加させていただいたんですが、すごく、僕自身、楽しめることができたんです。最初にも言ったように、ヒューマンドラマとしても、温かくなるようなドラマですので、皆さん、「ザ・ムービー」を見た感想とか、ぜひ、いただきたいと思います。僕はワンポイントでしか出てないんですけど、ホールが、どういうような形で彼らの中に入っていってるのか。そういうことも、皆さんが感じたことなんかを寄せていただけるとうれしいです。このドラマ、またリピートで1話から始まると聞いたんですが、僕もできれば最初からどうだったのかというのを見てみたいと思います。皆さん、ありがとうございました。
青山 穣さん(フランク・ペンブルトン役)篇
(ス)青山さん、どうもお疲れさまでした。
――どうもお疲れさまでした。ありがとうございます。
(ス)今回、本当に最後の最後のアフレコを終えての感想をお願いします。
――やっぱり、きょうは疲れたなっていうのが(笑)、最初ですね。今、終わったばっかりですけど。今まで、最後のシーズン出てなかったんで。それで、久しぶりにこの「ホミサイド」っていう作品に帰ってきて、ああ、やっぱり濃いなっていうのが、最初に感じたことですよね。うん。やっぱり、この、ペンブルトンとベイリスっていうのが、ペンブルトン、僕がいなかったのに、主軸みたいな感じになって話が進んでるんで。相変わらず取り調べはやってるしね。最後は、ストーリーを言っちゃまずいんでしょうけれども。やっぱり濃い内容でしたよね。だから、やっぱり、今は、ああ、疲れたっていうのが、最初ですね。
(ス)やっぱり、ペンブルトンはまくし立てるあれがないとね。
――いや、だから、こっちは大変なんですから。本当、うちでチェックして練習したりとかするときっていうのは、やっぱり、すごくかかりますもんね。
(ス)ペンブルトンっていうキャラクターについて、ご苦労された点などお教え下さい。
――こうやって考えてると、第1話を何年か前にもらったときに、かなり違和感はあったんですよね。自分の中で。でも、回を重ねていくうちに、あ、結構こいつって自分に似てるなっていうのがあって。で、あるときを境に、すごく楽になったっていったら変だけれども、やりやすいキャラクターにはなってきました。ただ、あの、アンドレ・ブラウアーっていう人は役者としてもうまい人なんで、楽になったっていったら、ちょっとあれなのかな。逆にいうと、楽になったけれども、やっぱり彼についていかなきゃいけないっていう、その、相反するものが同時にあったっていうのかな。でも、自分の中で心理的にはそんなに無理をしなくてもいい、つくらなくてもいいっていうのかな。そういう、いろんな要素がありましたよね。彼、ペンブルトンの中にもあったし、アンドレの役者、役者としての彼っていう中にもあったし。最終的には、やっぱり、呼吸なども、あ、こいつはこうくるかなとか(笑)いうのがわかってきたりとかね。ただ、あの、台本……。僕、最初、台本読んで、アンドレがどういうふうにやるのかなっていうのを、大体考えるんですよ。で、絵を見て。そうすると、あ、そのとおりだっていうときと、やっぱり、あ、こいつ、こんなふうにやってんだっていうときとあるんです。それはほかの役者さんでもきっとそうなんでしょうけれども。アンドレ・ブラウアーの場合は、やっぱり、裏切ることが多いですね。ここはきっちりやるだろうなっていうところをサラッてやっちゃったりとか、その逆だったりとかね。いろんな、変幻自在な役者っていうのかな。そういうのが、やっていて僕も楽しめましたよね。役者として。
(ス)では「ホミサイド」という作品について、どういったドラマだとお感じでしょう。
――僕は、決してね、海外ドラマっていうのはそんなにフリークで……。まあ、昔フリークだったことはあるんですけども。いやいや(笑)。最近は、そんなには、ね。まあ、仕事を結構……。仕事でやるからっていうのがあって、あんまり詳しくはないんですよね、実はね。でも、やっぱり、新しいタッチですよね。ドキュメンタリータッチで撮っていて、まあ、リアル。本当にいうとリアルじゃないんですけれども。厳密にいうと。まあ、リアルっぽい、こういうスタイルでやっている作品。その意味で、すごくシュールな内容だと思うし。
あと、脚本がね、やっぱりすごいなって思います。僕は。あの脚本……。まあ、映像とか画面のタッチとかももちろんそうなんですけれども、いや、脚本はかなりおもしろいですよ、これは。もう、読んでいて、最初に台本読んで飽きないですからね。そういう特徴があるかな。どうなんですかね、ほかのドラマに比べて。でも、このタイプのものって、この後なんですか、これは。逆に。聞いちゃうと。一番最初にこういうタイプで撮ったっていう作品じゃない。
(ス)そうですね。刑事ドラマで人間群像を描いているのは80年代の「ヒルストリート・ブルース」とかがありますよね。「ヒルストリート〜」以降から、リアルでハードなストーリーの作品が出てきてという。
――その流れで。だから、決して、急にポッと出てきた感じの作品じゃないわけなんですか、これは。
(ス)そうですね。ある意味で、正常進化なのかもしれないですね。
――ああ。でも、その中で、ある特殊な位置は占めてはいるんですかね。
(ス)超ハードな展開になってきた、その転機が「ホミサイド」だったようです。
――ああ、超ハードなっていうのは?
(ス)殺伐としたカンジでしょうか。
――あ、殺伐とした(笑)。
(ス)ドキュメンタリータッチというか。
――ああ、そうなんだ。そうか、そうか。
でも、本当に、これ、最初にビデオもらったときに、なんじゃこれって思いましたもんね。なんか、2人で最初ね、第1話の最初……。だれだっけ、あれ。ルイスとクロセッティが、リンカーンが何とか何とか、どうでもいい、なんかわけのわかんない話をしながら、画面も暗いし、よくわからない。口も……。見ていたら口も、どうやって合わせんだろう、これ、って思うような。なんじゃこれって思ったんですよ、最初。画面も全体的に暗いし、どこでしゃべってんだろうとか。みんな、ワーッてやると、自分がどこでしゃべってるのか全然わからなかったりとか。なんじゃこれって思ったんですけど。やっていくうちに、やみつきになりましたね(笑)。
(ス)やっぱり最初は変だと思いますよね。画面も突然ジャンプするし。
――そうそうそうそう。急に変なカット割りするんですよね。わざとっていう、なんか。うん。おもしろいですよね。
(ス)それでは「ザ・ムービー」について。あれが、すべての終結になったんですけど、あの終わり方についてはいかがでしょう。
――内容言っちゃまずいでしょ、絶対。
(ス)大丈夫ですよ。「ホミサイド/ザ・ムービー」の初回放送日よりも後にこの番組を流します。
――ああ、そうなんだ。最後の死者のシーン……。でも、あれ出ないと、フェルトンとクロセッティ出せないじゃないですか。あれをやってくれないと、だって。
(ス)全員集合にならない。
――あれをね。でも、アディーナ・ワトソンまで出てきたときは、僕は驚きましたけどね。いや、でも、ああいうところは、やっぱり、脚本で凝ってるところなんですよね。やっぱり、前の話をずっと引きずっているっていうの? ほかのドラマとかだと、大体、例えばレギュラーの刑事がいて、その人が第何話かで死んじゃって、次の週になったら、もうそいつはいなかったかのように(笑)、全く新しく話が進んでいったりとかするドラマ、多いじゃないですか。それがほとんどですよね。ところが「ホミサイド」ってやっぱり、死んだ刑事のことはもちろんずっと後々までいってるし、一番最初にね、ベイリスが解決できなかったアディーナ・ワトソンなんて少女が、最後の映画にまで出てくるなんていうのは、普通、あり得ないですよね。その辺がやっぱり、脚本がすごいなっていうのは思います。
(ス)本当にね、凝りまくってますよね。
――凝ってますよね。
(ス)本編終了後にリクエストにこたえてつくられたみたいなニュアンスもあるらしいんですけれど。
――あ、ああ。そうか、そうか。
(ス)シリーズの方はシリーズで意外な終わり方をしているんですけれど。
――僕はね、最後、出ていないんですよ。最後のシーズンに出てないんで、どうなったんだか、よくわからない。いろいろあったらしいですけどね。ええ(笑)。
(ス)いろいろありました(笑)。
――うわさには聞いていますけど。
(ス)最後に、スーパーチャンネルをご覧のみなさんにに一言お願いします。
――(シリーズの)リピートあるんですか?
(ス)9月に第1話より再放送します。
――あら、また最初から。あらあら。
(ス)そうです最初から。
――そうか、そうか。いやいやいや。本当にお疲れさまでした。「ホミサイド・ザ・ムービー」最後までご覧いただきまして。いや、この「ホミサイド・ザ・ムービー」は、特に「ホミサイド」ファンにとっては、もう、感涙ものの作品だと思います。僕も見ていて、うちで仕事を忘れて見てしまいました。そのくらいおもしろい作品です。お祭りムービーかなと思ったらそういうわけでもなくって、相変わらず重厚な内容で、1時間半、しっかり見せてくれますので、本当に、皆さんも楽しんで見てください。そして、第1話からリピート放送がまた始まるということで。そちらのほうも。たぶん、急にこれ(ザ・ムービー)を見て第1話に戻ると、画面がくすんでるなあという感じが(笑)すると思いますけれども、そのくすみぐあいがまたいいと思います。すべての刑事たちの、その成長ぶりを、もう一度、また最初から見てやってください。どうもありがとうございました。
(ス)そうですね。第1話から見ると、さっき青山さんが言った話もわかる。
――ああ。
(ス)やりづらいドラマだなっていうのがわかる(笑)。
――やりづらいのは……。ああ、そうそう。声優の苦労をね。自分があれにあてると思ったらどんな苦労をしなきゃいけないかっていうね。ちょっと想像してやってもらう、見てもらえるとね、楽しいかなと。(第1話は)あんな、しかも、やみ夜のシーン。ちょっと暗い……。なんか暗やみみたいなところを、2人、刑事が、証拠かなんか探しながら、よた話しして歩いて来るところから始まる。視聴者、かえるよな、チャンネルをって(笑)思いますもんね。いやいや。あれはね、やっぱり、要するに、ドラッグに反対してるようなテーマを持っていながら、あれがドラッグみたいな効果があるんですよね。ホミサイド・ドラッグ。うーん、夜な夜なうなされるかもしれませんけれども。ぜひ、第1話から、また見てください。よろしくお願いします。
川中子雅人さん(ティム・ベイリス役)篇
(ス)シリーズも「ザ・ムービー」もすべてアフレが終わったご感想を、ひょっとしたら解放感なのかもしれない。そのお気持ちをお願いします。
――アハハ(笑)。そうですね、解放というか、やっぱり長かったというのがすごくあって。解放感ですかね。でも、解放はされたんだけれども、もうちょっと浸かっていたかったなという適度の疲労感というか。ずっと温泉に入ってて、途中で熱くなったりぬるくなったり冷たくなったりするんだけど、でもやっぱり出ちゃうとさみしいな、みたいな。まあ、変な表現ですけど。そういう感じですね。
(ス)そのお持ちの本は、ホミサイドのアメリカで出版されたガイドブックですね。ご自身で、この「ホミサイド」という作品について勉強いただいてようですが。
――いや、勉強っていうわけじゃないんですけど。ただ、取り寄せて。
(ス)どういったふうに使われたんですか。
――まあ、資料として。でも、それ以上のものは、情報ですよね、単に。情報、資料。そういった形で蓄積して。
(ス)どんな感じで役立ちましたですか。
――えー、そんなには。特に、ストーリー、いうなれば梗概とかショートストーリーなんていうのが載ってるんですけれども。それが、やっぱり、本編のすべてじゃないので、あらすじしかわからない。その奥にあるものが全然わからないですから。その回に出ているゲストスターがどういう人なのかとか、そういったことしか本当にわからなかったなという……。でも、楽しい、より「ホミサイド」を好きになるために必要だったなというか。そういうために役立った……。役立ったっていうわけじゃないですけれども。そういう意味があったなと思います。
(ス)では、キャラクターについて。ベイリスは最初と最後の方で変わってきましたよね
――そうですね。(子供のころ)おじさんに虐待されていたっていう話が途中でありまして。エエッ!やってるほうも、えっ!そんなの初めて聞いたよ、みたいなのがあったのが、すごい衝撃的ですね。だから、ベイリスに関しては、アディーナ、アディーナで始まってアディーナで終わるっていうところはあったんですけれども。アディーナ以前があって、それが、ベイリスのすべてっていうわけじゃないですけれども、アディーナ以前に受けたことを、もう、アディーナ事件でさらに積み重ねちゃったみたいなところがあるので。先に知っていたらなっていうのはすごく思いますね。あれはすごく後悔しましたね。
(ス)今回の本編で、久方ぶり復帰のペンブルトンとのかけ合いがありましたが。
――もう、うれしくて。だから、ペンブルトンと2人でこの取調室に入っていって、音楽が変わって、パンパンパンってカット割りされていくシーンがあるじゃないですか。あそこは、もう、ゾクゾクして。うわあ、またフランクと取り調べができるんだっていう。やってるほうも、初めて見たときからすごい感動的で。あそこはよかったですね。だから、本当に、ベイリスもフランクを愛してるって言ってましたけど、僕もフランクを愛してるんだなっていう。ベイリスと同様、僕もフランクであり……青山さん。青山さんにすごく助けられて、青山さんに引っ張られてここまでこれたっていうところがありますんで。フランクであり、青山さんを、まあ、愛してるというか、すごく頼りにしている。フランクとベイリスの関係は、もう本当に僕と青山さんの関係、とまではいかないですけれど、まあ、そういうところがありますね。
(ス)フランクにとってかなりの衝撃を与えるようなあのシーンがありました。
――そうですねえ。衝撃的。衝撃的ですよね。フランク、本当に、最終シーズン、フランクいなかったときにベイリスやっちまって、それで、それ、告白されて、どうすんのよ、みたいな。
(ス)ペンブルトンにしてみたら、言うなよ、そんなことというカンジですよね。――川中子 本当、言うなよ、ですよね。劇中。でも、ベイリスとしては、フランクに言うしかない、フランクにしか言えないっていうのが、すごく僕もわかるし。(ス)質問を変えまして。この「ホミサイド」という作品、シリーズ全体についてのご感想を。ハードなドラマですが。
――そうですね、ハード。ハード、重い。ハードでヘビーで。だから、本当に毎回、頭で理解するというよりも、胸のあたりをわしづかみにされて、グワッと引きずりおろされるような、そういう感じというか。毎回、人間って何なのかみたいなことを考えさせられるというか。人間性っていうのは何なのよっていうのを殺人という視点から見たドラマというか。うーん、何なんだろう。なんか、生と死って……。最後もそういう終わり方してましたよね。だから、「死は続く。それは生が続いていくからだ」っていう。ああいう終わり方、僕は結構好きで。生が続くからこそ、こういうドラマがあり……という感じですね。
(ス)「ザ・ムービー」に話を戻しますが。ああいう導入で始まり、ああいった終わり方をしましたが。シリーズの最終回とはまた違いましたよね。
――そうですね。本当に特別、スペシャル的な感じがして。「え、この人がこんなこと、今やってるの?」「この人、こんなことしようとしてるの?」っていうところから始まって、みんなでまとまって、最後に、こう、ドーンと落とされるというか。だから、うれしくもあり、「ベイリス、なんであんなにひげ面なんだろうな」と思うこともあり。ベイリスは、もう、本当に劇中で何度もイメチェンするんで。あれ、前回まで全然違う髪型だったのに、なんでこんなになってるんだろう、という。また今回も、あれ、こんなにひげが生えてる。で、職場に復帰したにもかかわらず剃ってもこないというのは、それは、カイル・セコーさんの役づくりでもあるんでしょうし、ベイリスってそういうキャラクターなんだろうなっていうのが出ていて、すごく愛すべきキャラクターだと思います。はい。……あ、「ムービー」の話でしたよね。そう。「ムービー」なんですよ。なんか、ことしの5月ぐらいにアメリカでDVDとビデオが発売されるって。取り寄せちゃおうかなって思ってたんですけど。そのころは、まだ、これを制作するっていう話は知らなかったので。取り寄せちゃって、先に見ちゃおうかなって思ったんですけれど。そうしたらすぐにこのお話が入ったんで。あ、よしっていう(笑)。でも、見てみたら、やっぱり欲しくなるなというか。これを保存版にしたいなという感じはすごくありますね。だから、本当に、また取り寄せちゃうかもしれないですね。
(ス)最後に、スーパーチャンネルの視聴者の皆さんに一言お願いします。
――長い間「ホミサイド」を応援いただき、ありがとうございます。本当につたない表現力で、ベイリスをどこまで表現できるのかっていうのが、すごくつらくもあり、楽しい作業でした。ベイリスは、本当に重いので、自分が苦しくなっちゃう。自分が虐待受けていて、自分が本当にああいう状況に置かれててっていうところに、自分の身を置かないとあれが出せないっていうのが、僕にはありまして。だから、やっているとき、すごくつらかったですね。そういうところも含めて、また1話からアンコールで始まるということなので、その辺も見ていただければうれしいなと思います。……というわけで、視聴者の方に、これ、プレゼント。
(ス)ええ!本当ですか、それは。
――じゃあ、ご覧の方にこちらの「HOMICIDE: LIFE ON THE SCREEN」と、「HOMICIDE The Unofficial Companion 」こちらの本を1冊ずつ各1名様にプレゼントという形で。あて先のほうは、こちらのほうに。あて先はこちらのほうに、ということで。プレゼントさせていただきますので。以上です。
(ス)ありがとうございます!プレゼントのご応募は、2001年9月30日までプレゼントコーナーにて受け付けます。川中子さんや、ホミサイドの声のキャストの皆さんへのメッセージを添えてご応募下さい!
大黒 和広さん(メルドリック・ルイス役)篇
(ス)「ホミサイド」シリーズもスペシャルも、全てのアフレコが終わりました。
――僕はルイスをやってるんですが、1本目から出てますから、122本。全部で。途中、抜けたりとかしてますけど。長かったというよりも、どっちかいえば、あっという間だったというかね。なんか、本当、同化していたんで。ルイスと。そのまんまのテンションで演じるという感じだったんで、なんか早かったですね。本当に早かった。さみしいですね。
(ス)最初のころはクロセッティとの……。
――そうなんですよ。
(ス)コンビネーションから、後半、アクション編になってきましたが。
――そうなんですね。ルーサー・マホーニーとか出てきてね。あの辺は楽しかったですね。
(ス)キャラクターの変遷についてと、そのご感想をいただきたいんですが。
――そうですね。一貫して共通しているのは、やっぱり、パートナーにすごくこだわるんですね。最初、クロセッティという最高に有望な相棒と組んでいましたね。で、そのクロセッティが死んだ後、また相棒探しから始まるみたいな感じで。1人じゃ何もできない、みたいなところまではいかないんですけれども。とにかく相棒と。そして、ケラマンと……。そうですね、やっぱり、ケラマンと組んで……。さっきもちょっと言いましたけれど、ルーサー・マホーニーが出てくるあたりっていうのは、一番、本当に、銃撃戦ありの……。「ホミサイド」には珍しく、銃撃戦ありの、ね。おもしろかったですけどね。(ス)あそこ、アクション映画みたいな。ちょっと、「ホミサイド」じゃない(笑)。
――ないという感じですね。またその後の、ケラマンがどんどん意固地になっていくというか。その中でルイスも面倒みてるんだけど、面倒みきれない部分の、その2人の関係とか。あの辺なんていうのは、本当に自然の流れというか。もう、本当に、ケラマン、いい加減にしてくれよと思うことが……。視聴者から見ても、たぶん、「ケラマン、なんだよ」って、たぶん思った方もいると思うんですよね。その感じでルイスも見放していくっていったら冷たいですけどね。どんどんコンビがぎくしゃくしていくっていうところとか。すごいおもしろかったですけどね。
(ス)確かにそうですね。ルイスって、本当にパートナーにこだわりますよね。
――こだわりますね。女性とは……。シェパードと組んで、女性とは組みたくないとかなんか言って、「女性と組んだから俺は死にかけたんだ」とか、最後まで言ってましたからね。そういうところが……。まあ、だけど、ルイスってそうなんですよね。なんか、こう、格好つけて前に行って、「俺に任せろよ」なんて言ってるけども、どこかでコケッとこけるような、そういうかわいらしさがすごいあるんでね。その辺をどう出せるかっていうのは、すごい考えてましたけどね。
(ス)ルイスは帽子ファッションが、かわいい。
――ああ、そうそうそう。そうですね。帽子とかね。帽子にこだわったり、あと、コートとかね。おしゃれですよね。あと、食べ物にこだわるんですね、実は。いつも食べてるんですね。何かをね(笑)。大事な、みんなが緊迫して捜査のあれをしてるときでも、ピザを食べてたり、ドーナツが1個ないだけで怒ってるみたいな感じですもんね。
(ス)「ホミサイド」というドラマ全体についてのご感想をお願いします。
――「ホミサイド」の、「ホミサイド」、結構、日常にあるっていうか、ダイレクトな問題が結構あるんですよね。なんか、ささいなことで。本当、ささいなことでそれが人殺しになって。終わった後にうんと考えさせ……。やってる最中もそうですけども、見た後に考えさせられるし。ただ単に勧善懲悪っていう単純なものじゃなくて、刑事が正しくて、正しい刑事が悪い犯人を捕まえるっていう単純なもんじゃなくてね……。こう、何ていうんだろう。犯人も人間だし、もちろん、刑事も人間だし。そこでいろんな葛藤があって。うーん……。もう、僕なんか単純な人間だから、俺も一方間違えたら人殺しちゃうようなことになるんじゃないか、というような問題も取り上げてますからね。そんな感じですかね。
(ス) この「ザ・ムービー」なんですけれども。結構ね、ショッキングな……。冒頭からかなりショッキングで、かなりびっくりな結末に至って、どう思われました?
――うーん。単純に天国って設定で「ムービー」終わってるんですけれども、そうじゃなくて、生と死ですね、やっぱりね。生と死の問題だったりとか。やっぱり、見れば見るほど……。うまく表現できないんですけど、見れば見るほどいいんですね。深いんですね。最後のせりふにしても、それぞれのせりふが。そのぐらいしかちょっと答えられないな。ちょっと胸が詰まってますけどね。今回、きょう、「ムービー」とったときは。
(ス)椅子がもうひとつ空いてるっていうのが、なんか。
――そうなんですよ。あれがね。あれがねえ……。うーん。そうなんですよね。ルイスじゃないことを願いますけども。
(ス)でも、どうでしたか?あの、かなりショッキングな内容をご覧になって。「ホミサイド」らしいという言い方もできますが。
――そうですね……。そうですね、らしいんでしょうかね。(シリーズは)捜査が続く中で終わっていきましたからね。今回の「ムービー」は……。いや、だけど、ちょっと泣けますね。最後のあの……。最後に、ご覧いただければわかると思うんですが(笑)。回想のね、バーッといろんなフラッシュバックとか出てきて。あのシーンというのはかなり胸に詰まりましたけどね。
(ス)ふだんはない演出でしたよね。超リアル路線が、急にあそこで、感傷的になる。
――そうですね。それは感じましたね。そうですね、うん。
(ス)それでは最後に、ご覧いただいていたスーパーチャンネルの視聴者のみなさんに一言お願いします。
――「ホミサイド」をご覧いただいた皆様、どうもありがとうございます。ルイスをやらせていただいたんですけれども、ルイスって、本当、僕の中でも愛するべきキャラクターでしてね。黒人の前に行けばラップ調でしゃべってみたり、白人の前に行けば、日本でいえば、山の手風にしゃべってみたりとか。いろんなことやるんだけども、決まらない男というか。格好つけているんだけれども、決まらない、そのかわいらしさというところが、僕はものすごい、ルイスの個人的な話では大好きで。「ホミサイド」のそれぞれの出てくるレギュラー以外、ゲスト、犯人のキャラクターも、本当に描かれ方が細かく、すごいすてきな作品ですので、本当に楽しかったです。どうも、ありがとうございました。何言ってんだかわかんないな(笑)。質問に答えられないで、胸が詰まってしか言わなかった。