GRIMM/グリム

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事件に隠された童話の秘密――
全米のトレンド、ダーク・ファンタジーの要素を盛り込んだ衝撃の新感覚ダーク・サスペンス

コラム

シーズン5

シーズン4

シーズン2

シーズン1

デヴィッド・ジュントーリ(ニック役)

シーズン4の最後でニックは過酷な現実と向き合うことになってしまった。誰にも経験してほしくないけど、母親の頭が箱に入れられてニックの部屋に置かれていた上に、恋人のジュリエットトラブルの放った矢に倒れてしまったんだ。それでだけでも十分に悲惨な状況だけど、シーズン5はその続きから始まって、事態はニックにとってさらによくない方へ向かっていくことになるんだ。

トラブルは拉致されていなくなってしまった。ニックは薬を嗅がされて気を失ってたんだ。

今シーズンのニックは、これまでにないほどの激しい怒りで復讐心に燃えている。刑事としての捜査手順なんて考えずにグリムとして復讐を果たそうとするんだ。ドラマが始まった頃のニックは99%が刑事で1%がグリムだったけど、今は完全に逆になったんじゃないかな。刑事であることなんてお構いなしに、ただ血の復讐に燃えているんだ。

ニックアダリンドを殺さないのは子供が誕生したからだよ。子供を持つなんて思いもしなかったことだし、幸せにできるか分からないけど、子供を育てるために彼のそばにいることにしたんだ。

子供の母親と一緒にいることぐらいできるさ。現実の世界でもそんな人たちは大勢いるんじゃないかな。アダリンドは子供の母親だから一緒にいる。それにしてもめちゃくちゃだよ。もう笑うしかないね。

ヴェッセンが暴動を起こすんだ。ポートランドにいるヴェッセンに限らず、世界中で暴動が起こって、グリムと一部のヴェッセンが秘密裏に暴動を食い止めようとする。それでも、暴動は激しくなる一方で、みんなが危険な状況に追い込まれるんだ。

ヴェッセン評議会は再編されることになる。ヴェッセンのコミュニティ全体が変化して、もう元には戻れなくなってしまうんだ。

ヴェッセン本にも載っている恐ろしいヴェッセンが新たに登場する。ネス湖の怪獣について解説したエピソードや、名前を覚えてないけど、ナメクジ型ヴェッセンはひどい臭いなんだよ。それから、巨大ネズミも登場する。ネットで「巨大ネズミ(Rat King)」を検索したんだけど実際に存在するらしいんだ。気味が悪くてもう忘れられないんだ。ネットで画像検索をしないことをお勧めするよ。

サイラス・ウェィア・ミッチェル(モンロー役)

シーズン5なんてすごいことだよ。

箱に入った母親の頭を見つけたことも(ニックにとって)ひどい出来事だったけど、ジュリエットに起きた悲劇に直面したことはもっと残酷だった。2人は同棲していたし、状況は少し変わってしまったとはいえ、彼女はニックの人生の一部だったからね。だからニックは正気を失ってしまったんだ。ニックは前にゾンビ化した時にも我を失ったことがあったけど、今回は精神的にまともじゃいられなくなってしまった。それで復讐を決意するんだ。使命感に駆られたニックは、何かが起きていることに気付いて真相に近づくことになるんだけど、不安定な精神状態が彼の行動をさらにエスカレートさせることになるから、すごく面白い展開になる。今シーズンは過去最高のシーズンになるってみんなが言うように、すごくいいシーズンになると僕も思ってるんだ。前のシーズンは6つのストーリーが別々に展開していったけど、今回は2つのストーリーに絞られて、登場人物全員をヴェッセンの暴動という1つの大きな出来事へと駆り立てていく。それに、登場人物それぞれが余波を受けるような展開が待ち受けていて、全員が事件に巻き込まれることになる。よくできたストーリーになっているよ。

ロザリーモンローはある意味、ヴェッセンによる暴動の発端にいるんだ。2人は自分を偽ることなく本来の姿のままでいたいと潜在的に感じているからね。何世紀にも渡って続いてきたヴェッセンの伝統が人間によって覆されて、ヴェッセンの世界は切り離されて人間社会の中で生活しなければならなくなった。その事実を受け入れて、ヴェッセンでありながら人間のようにふるまわなければいけなくなったんだ。それでも、誰もが無意識に感じることがあるように、やっぱりヴェッセン本来の世界で暮らしたいと思ってる。もうこれ以上は影の存在ではいたくないって思っているんだ。

サッシャ・ロイズ(レナード役)

我々は非常に恵まれているよ。長く続けられる番組が少ない中で100話を達成できたんだからね。シーズン1の時には想像もできなかった。有難いことだし誇らしい気分だよ。

シーズン4の終盤ではいろんなことが起こった。ジュリエットは殺されて、ニックの母親は首を切り落とされて、トラブルは拉致されてしまった。正気を失うのも無理ない状況さ(笑)。それに王家の人間はみんな消されてしまった。ヴィクトルはどこかで息をひそめているかもしれないけど、レナード以外はほとんど死んでしまったんだ。だから今シーズンはこれまでの問題ばかりの人間関係は終わりにして、心機一転やり直す感じだよ。そんな中で、ニックは悲惨な状況に見舞われてしまって、関わったものに復讐しようとするんだ。興味深いシーズンの始まりになるよ。

レナードニックが冷静になって何が大切かを思い出せるように手助けをする。所轄する警察署をまとめるためにも、ニックが平常心を取り戻せるようにしてやらなければいけないんだ。組織として体制を1つにまとめることが必要だからね。レナードはチームとして団結する必要性を一番に考えている。その一方で、レナードは密かな野心をもっていて、常に何かを企んでいる人間だから、その点でもグリムを制することが重要になるんだよ。

王家の話はしばらく登場しないけど、レナードが王家の人間であることがヴェッセンの暴動全体に関わってくることになることは確かだね。

警察部隊の警部としてのレナードは、街が混乱に陥ってしまうことに頭を抱えている。警部としての責任があるから、路上で血が流れて暴力がはびこるなんて状況は見過ごせないんだ。街の安全を守らなければならないからね。一方で、王家の血を引き継ぐ人間としてのレナードは、ヴェッセンの世界が持つ力に関心をそそられている。ヴェッセンが本来の姿をあらわにするのは厄介なことになりかねないし、人間社会に姿を現すヴェッセンが多すぎるのは好ましくない。今まで隠れた存在が表に出ることで状況は一変することになるから、好奇心がくすぐられているんだ。

クレア・コフィ―(アダリンド役)

今シーズンはシーズン4が終わった直後から始まるわ。ニックの母親が殺されて、ジュリエットトラブルの放った矢に倒れてしまうという衝撃的な展開の後、アダリンドはシーズン5の冒頭で出産することになるの。ニックが大惨事のけりをつけようとする中で新しい命が誕生する。人生ががらりと変わってしまうことになるから面白いシーズンになるわ。

アダリンドの出産は私自身の出産よりもっとドラマティックね。今だから言えるけど、実際に出産を経験して、前の出産シーンが悔やまれてならないの。アダリンドが前(シーズン3)に1人目を出産するシーンを撮影した時は、経験がなかったからどんな感じか分からずにひどい演技をしてたのよ。今回はもっとましな演技ができているといいんだけど。寝不足の感じもよく分かってるし、セリフももう少しリラックスして言えたもの。

グリムの赤ちゃんは今のところ特殊な能力は見せてないわ。すごくかわいいってこと以外はね。2組の双子が演じてるの。今シーズンの冒頭でニックアダリンドは、親になれば誰もが経験することをやることになる。敵同士だった2人が協力して子育てをするんだから、笑っちゃうぐらい状況が様変わりするけど、今のところ幸せな時間を楽しんでるわ。

ニックはどうしようもないくらいのどん底にいるの。最愛の人を失って母親も亡くしたんだもの。一方のアダリンドは娘が連れ去られたままでひとりぼっちだから、お互いに悲惨な状況にいる中で、2人の間には絆のようなものが生まれるんじゃないかしら。子供の存在が物事をシンプルにしてくれるの。2人のこれまでの関係や抱えていた問題は後回しにして、目の前にいる子供との生活を大切にしなきゃいけない。私も実際に母親になったからよく分かるの。子供を持つと我が子の幸せを一番に考えるようになる。大切なものができるとたくさんのことを乗り越えていけるの。だから、2人の関係は子供が誕生したことで大きく変化していくわ。

2人目の子供を出産して、アダリンドは安定した生活を送りたいと思っているんじゃないかしら。だからヘクセンビーストには戻りたくない。ヘクセンビーストの人生ってものすごくドラマティックなんだもの。

ブリー・ターナー(ロザリー役)

(シーズン5なんて)驚きよ。こんなことになるなんて想像もできなかったわ。特別な番組だってことは分かってたけど、気がつけばシーズン5に突入しててビックリしてるの。少し前にオーディションを受けた気分よ。今シーズンは100話に到達するし、すっごくいい気分だわ。

シーズン5は出だしから強烈ね。今シーズンはそれぞれのストーリーが革命という大きなテーマに繋がっていく。ヴェッセンによる暴動が起きて、それぞれのキャストに関わるストーリーがより大きなストーリーの展開へ深く関わることになるの。きっとファンのみんなが満足してくれる内容になっているはずよ。

評議会は本来、ヴェッセンの統治機関で全体を取り締まってた。これまでヴェッセンとグリムとケアザイタ(人間)の間には血に染まった歴史があったから、大勢のヴェッセンが姿を隠して人間のフリをしてみんなが調和して生活できるようなったのは、評議会が全体を制御してきたからなの。でも今シーズンはヴェッセンの暴動が起きて世界征服を企むことになる。私たちのチームはどうやって暴動に巻き込まれることになるのか、評議会はどうやって全体の均衡を保つことができるのか、すごく危険な局面に差し掛かることになるの。

ロザリーは常に政治的な見方を持っていると思うわ。事件の捜査に関わる際には、ヴェッセンであることで人間や他のヴェッセンたちを守ることにうまく活用しているし、ロザリーモンローは新しい世界で先頭に立って、グリムとヴェッセンとケアザイタで区別することなく全員が一緒に仲良く暮らしたいと思ってる。でもだからと言って、誰かを攻撃したり暴力に頼ったりする必要はないと考えているから、今シーズンは彼女の身に起こるある出来事で、心の葛藤が生まれることになるの。

ラッセル・ホーンズビー(ハンク役)

シーズン5が続くことが分かった時は興奮したしうれしかったし驚いたよ。これほど長く続くとは思っていなかったからね。その一方で100話到達を目標にしていたから、自分のキャリアにおいてもうれしい節目を迎えることができた。この番組は長い間、毎週のようにファンを楽しませてきて、多くの番組が僕らのような番組になれるよう目指していたけど、必ずしもうまくはいかなかった。だから、自分がこの機会に恵まれたことにこの上なく感謝しているし、シーズン5に突入してどんなエキサイティングな冒険が待っているのか本当に楽しみなんだ。

ジュリエットに起こった悲劇は誰もが面食らったと思うね。ハンクジュリエットに起きたことが、パートナーであり友人でもあるニックにどんな影響を与えることになるのか見当もつかないんだ。シーズン5ではどんなことが彼の身に降りかかるのか。ジュリエットの一件がニックにどんな影響を及ぼして、どう変えてしまうのか。今回は刑事としてだけじゃなく、グリムとしてのニックにどんな影響をもたらすのかがより重要になるんだ。追い詰められたニックは、犯人を追って密かに復讐しようとする。ハンクや他の仲間たちは半信半疑のまま協力するけど、ニックは危険を顧みずに犯人につながる手がかりを掴むことになるんだ。

シーズン5ではハンクウーは協力し合う。一緒にスパイスショップに行って、ひとまず一体何が起きていて誰が関わっているのかを調べる。ニックがいなくてもできることをやるんだ。だから怖れている暇はない。街の安全が脅かされているんだから、やるべきことをやらなければいけない。ウーはこの闘いに立ち向かうメンバーの一員になったことがうれしいから、どんなことが起きても受け入れる準備はできているんだ。

レジー・リー(ウー役)

シーズン5なんて最高だよ。まるで『スタートレック』に出演するような気分だよ(笑)。すごくいい気分だし、まるで違う番組に出演する気分なんだ。テーマはより壮大になっていままでとは違う。今シーズンはキャラクターみんなが知らない領域に足を踏み入れて、違う局面を迎えるような気がしてるからすごくワクワクしているんだ。これまでとは違う新生グリム・チームになる。新たな幕開けだよ。

シーズンが変わるたびに僕のキャラクターには新しいことが起きる。他のキャラクターもそうかもしれないけど、たいていの場合は意味があって新しい事態が起こるんだ。自分の考えと脚本家の考えを組み合わせて、次はどんな感じで演じるかを一緒に考えてるよ。ウーはヴェッセンの世界を知ってしまってワクワクしていたけど、新しいシーズンではヴェッセンによる暴動が起こって、ヴェッセン同士が傷つけあうことになる。だから、ウーが当初感じていたワクワク感は(笑)、きれいさっぱりなくなってしまうんだ。そこで、どうするか――。ウーは勇気を持って一歩踏み出さなきゃいけない。警察の力が及ぶ範囲では強くならなきゃいけないと考えるようになるんだ。たくましくなりたいし、グリム・チームの一員になることを怖がっていたくはない。自分の力を試したいんだ。だから自分のキャラクターについて勝手なことを言わせてもらえば、小さな脇役ではあるけど今までとは違う段階に入ると思ってる。シーズン5にもなれば深刻な展開もありうると思ってるからね。ウーはおしゃべり好きでジョークばかり言うし、他のどのキャラクターも死んでほしくないけど、新しい展開があることでいままでとは違う雰囲気が出てくると思う。一歩踏み出して新しい展開に進んでいくことに目が離せないし楽しみなんだ。

全員が一歩踏み出すことになる。ロザリーだってそうさ。フクスバウの姿で迫力満点にキメるシーンがあるんだ。僕も強い人間になりたいよ(笑)。登場人物の2人に1人が人間なんだ。ウーも一歩踏み出すことになるよ。人間だって能力があるんだからできる事をやる。ウーには何ができるかって?ウーは何が出来るのかを模索しているところさ。

デヴィッド・ジュントーリ(ニック・ブルクハルト役)

シーズン4はシーズン3の続きから始まる。シーズン3の最終話では、レナード警部は撃たれて生きているのかが分からない。ニックジュリエットの姿に化けたアダリンドとベッドを共にしてしまったし、モンローロザリーは結婚の儀式は終えたけど、結婚式をぶち壊しにされてしまったんだ。

ニックとジュリエットはまず関係を修復しなきゃいけないね。ニックはアダリンドの策略で彼女とベッドを共にしてしまったから、元に戻るのはかなり難しい気がしてるけど、ニックとジュリエットを信じるしかない。

ニックはグリムの能力を失ってしまったんだ。これまでのシーズンを通して、彼はグリムであることを仕方なく受け入れて、その宿命を背負って生きてきた。そのグリムの能力がなくなった今、彼はグリムになりたかったわけじゃなかったけど、何とかして能力を取り戻そうとするんじゃないかな。でも一方で、グリムとしてのアイデンティティを複雑に感じてるところもある。だから、世界をよりよくするために能力を取り戻すかもしれないし、自分自身の幸せのためには能力がない方がいいと思うかもしれない。今はまだ分からないね。

ニックもジュリエットもニックがグリムに戻らないことを望むかもしれないけど、一方では能力を必要とするかもしれない。展開を見守るしかないね。シーズン4は面白いシーズンになるよ。

トラブルはニックにとってすごく貴重な存在。グリムじゃなくなったニックにとって、彼女だけが頼りだからね。でも、彼女にはグリムとしてやっていけるだけの経験が足りない。ルールやグリムの境界線も知らないし、能力をどこでどう使うかも分かっていないから訓練が必要なんだ。

シーズン4はシーズン3のただの続編じゃないね。いろんな種類のヴェッセンが新たに登場する。それに、ニックはアダリンドの策略であんなかたちで能力を失ってしまったんだ。だから、ニックとアダリンドが対決することになるかもしれないね。レナード警部は生死をさまよっているし、どんな展開になるのか分からないよ。

サイラス・ウェイア・ミッチェル(モンロー役)

モンローロザリーの結婚式は、トラブルが乱入する前にかろうじて完了してたんだ。トラブルには悪気はなくて、ニックを助けるために良かれと思って式場に来たんだけど、おかげで結婚式はメチャクチャになって、ロザリーには悪夢だったよ。とはいえ、結婚の儀式は済んだ。誓いのキスをして、2人は正式な夫婦になったんだ。あとは初夜の交わりを残すのみだったけど、途中であんなことになってしまったからどうなったのかな。もしかしたら、ニックの家に向かう途中の車の中で手短に済ませたかもしれないね(笑)。

ぼくたちは新婚旅行には行かないね。ニックが突然グリムじゃなくなってしまったから、新婚旅行に行ってる場合じゃないんだ。グリムの存在が明るみになって、違う種類のヴェッセン同士が結婚したことが知られてしまったことに比べれば、僕たちの結婚式がメチャクチャになったことなんて些細なことさ。この先にはやっかいなことが起こりそうな予感がしてるんだ。そもそも、これまでのモンローとロザリーはあまりにも順調だったんだ。最高のパートナーに出会って結婚まで発展した。次はなにか問題が起こるはずだね。

モンローはニックに幾度となく命を救ってもらってきた。モンローもニックの身を守ってきたし、今まさに窮地に陥っているニックを見捨てることなどできないんだ。だから、新婚旅行は取りやめて、ニックと一緒にいることにした。彼は悲惨な状況にいるんだよ。

ニックがグリムだと分かって頭が混乱した時の状況を思い出すね。その時と同じような恐怖をニックは感じているんだ。グリムとして生きることに慣れてきて、能力の使い方を学んできたところなのに、グリムじゃなくなってしまった。だから僕たちがニックの側にいてあげなければいけない。

ロザリーとモンローはニックがグリムの能力を取り戻すことに全力を注ぐんじゃないかな。だって、彼がグリムじゃなければ、2人が危険な状況に置かれてしまうんだ。彼との関係だけじゃなく、夫婦の間の関係にも危険が及ぶことになる。結婚式に出席したブルットバットとフクスバウ、それぞれのヴェッセンの参列者たちは異種同士の結婚であることを知ってしまった。僕たちの親にも危険が及ぶことになるかもしれない。

ビッツィー・トゥロック(ジュリエット・シルバートン役)

シーズン3の最終話は今までのシーズンで一番続きが気になるエンディングだった。レナード警部は撃たれるし、アダリンドジュリエットの姿に変身するし、モンローロザリーは結婚式を挙げるけど、トラブルにメチャクチャにされてしまった。中でも一番気になるのは、ニックがグリムの能力を失ってしまったことね。シーズン4は前シーズンの最終話で起きた気になる出来事をすべて取り上げて、そこからストーリーが展開していくことになるわ。

ニックとジュリエットの関係はようやく元の状態に戻り始めていたんだけれど、グリムが恋人だとやっぱり普通でなんていられないの。ジュリエットはニックを心から許すのは難しいんじゃないかしら。だって、彼にアダリンドとベッドを共にするつもりはなかったとしても、自分の姿に変身したアダリンドとニックが一緒にいるところを想像してしまって、頭から離れないの。アダリンドがもっともな理由があってニックと関係を持ったとしても、ジュリエットにはその事実を忘れることがすごく難しいのよ。一方で、ニックがグリムの能力を失ってしまったことで、2人は普通の生活に戻るのもいいかもしれないなんて考え始めるの。グリムとして生きる人生を余儀なくされることなく、普通の暮らしを送る可能性もあることを考え始めるの。

アダリンドはとんでもないトラブルメーカーよ。特にジュリエットとニックにやたらと絡んでくるの。アダリンドのせいでジュリエットは昏睡状態に陥って死にかけたし、目覚めたらニックのことを覚えていなくて、ニックはひどく傷ついたわ。それから、レナード警部と三角関係になったことも、ニックにショックを与えたの。そして極めつけは、アダリンドがニックとベッドを共にしたことね。ジュリエットはその事実にひどく苦しめられることになるの。「嫌な出来事だった。さっさと忘れましょう。」なんてことにはならないの。頭から離れないのよ。

シーズン4はよりダークな雰囲気になると思うわ。撮影監督のフェルナンド(・アルゲレス)が新たに加わって、ストーリーやキャラクターを今まで以上にダークな雰囲気に仕上げてくれているの。それから、今まではモンローとロザリーにとっては少し簡単過ぎる展開だったから、今シーズンは何かが起こるはずよ。ニックとジュリエットの関係には簡単なことなんてなかったけど。とにかく、ファンはグリムとその仲間たちの新たな展開を気に入ってくれると思うわ。ジュリエットがマニアックな調べ物をするシーンは楽しかったから、もっとそんなシーンをやりたいし、アクションシーンももっとやりたいわね。アクション指導をしてくれるマット・テイラーは素晴らしいの。

ファンならニックとジュリエットが今度こそ結婚するのかがすごく気になるところだと思うわ。これまでにニックは何度かプロポーズをしようとしたけれど、ジュリエットにはその気がなかったのよね。でも果たして今回はどうなるかしら。見てのお楽しみね。

サッシャ・ロイズ(レナード警部役)

シーズン3の最後でレナードは、アダリンドニックの能力を奪うために薬を調合したことを嗅ぎつけた。そして、解毒剤が分かった彼はそれを持ってニックを探すけれど、トラブルからニックが結婚式に行っていることを知らされて家を出ようとした。その矢先に、ステュワードに撃たれてしまったんだ。ステュワードは首を切り落とされて、相応の報いを受けることになったけどね。とはいえ、誰も予想しなかったような重大な出来事が起きて、ストーリーが大きく展開することになった。

シーズン3の最終話でレナードが撃たれたシーンは気に入っている。それぞれのキャラクターのストーリーが激しくぶつかり合ってすごくエキサイティングなエピソードに仕上がっていた。シーズン4はその続きから始まるんだ。レナードは病院にいて、ひどいありさまの中で必死に生きようとするんだ。彼がどうなるのかは楽しみだね。

シーズン4を冒頭で彼は危険な状況に置かれている。医者が彼の命を救おうと奮闘するけれど、どうなるかは見てのお楽しみさ。

レナードは他の登場人物たちよりアザや傷を負うことが多くていつも不満を言ってたよ。ニックは5分おきぐらいに格闘シーンがあるのに、なぜか傷を負うことはめったにない。でも、レナードはランプの近くを歩くだけで、額を切ってしまうんだよ。今シーズンは包帯を巻いてアザを負ったレナードが危険な状態を乗り越えられたらうれしいね(笑)。

クレア・コフィ―(アダリンド・シェイド役)

シーズン3までのアダリンドを振り返ると、魔力を奪われたけど取り戻して、魔力を持つ子供を出産したけど奪われた。そして、ジュリエットの姿に変身してニックからグリムの能力を奪ったの。パワフルに突っ走ってきた感じよね。

アダリンドが使った魔法は、体液を交換してグリムの能力を奪う、新種の性感染病のような効力があるのかしらね。

アダリンドがニックと寝て彼の能力を奪ったのは、ヴィクトルから自分の娘を取り戻すためにやったことなの。でも、ウィーンのヴィクトルの元に行くと彼が娘を連れ去っていないことが分かる。

ジュリエットはまちがいなく聖女のような人ね。彼女はアダリンドを家に招き入れるけど、アダリンドはそんな親切に対して、ジュリエットの姿に化けてニックとベッドを共にしちゃうのよ。

ジュリエットは獣医の知識を活かして、アダリンドのヘクセンビーストの魔力に対抗するんじゃないかしら。でも明らかにフェアな戦いじゃないから、ジュリエットはメスと麻酔を武器にするのかもね。麻酔が効いたアダリンドなら、ジュリエットと同じぐらいのレベルになりそうだもの。それにしても、ヘクセンビーストの魔力ってどんなものかしら。とにかく、2人はいつか対決することになるわ。

ニックの能力を奪ったことでたくさんの人から非難されるけど、アダリンドの立場からすれば、自分の娘が連れ去られたんだから当然のことをしただけよ。もし、ニックたちが連れ去ったことを彼女が知っていたら大変だったはず。今回は簡単に連れ去ったわね。

今シーズンのアダリンドは、文字通りにも比喩的にも、すごくダークな旅の途中で叫びまくるわ。今のところクレイジーな感じよ。

ブリ―・ターナー(ロザリー・カルヴァート役)

私はすごく恵まれてるわ。この素晴らしい作品に4シーズンに渡って、素晴らしい仲間と共に出演できるなんて、ものすごく幸運な人間よ。

シーズン3はモンローロザリーの結婚式のシーンで終わった。誓いの言葉と誓いのキスまでは順調だったけど、その後はもうメチャメチャで、ロザリーには悪夢のような状況になってしまったの(笑)。彼女は最終話の6エピソード前ぐらいから、グリムであるニックに結婚式に参加してもらうのがすごく心配だった。だから、ニックにサングラスをかけさせて、すごくバカみたいだけど他に方法がないのよ。おまけに違うヴェッセン同士の結婚だから、お互いの仲間が結婚を受け入れてくれるかどうかもわからない。2人の悩みは尽きなかったの。

結婚式のシーンの撮影をした時、セットはゴージャスで衣装もすごく素敵だったのに、みんなが叫び声をあげて大騒ぎするのを見ていて本当に悲しくなった(笑)。そして今回のシーズン4は、前シーズンの続きからスタートする。ロザリーとモンローは結婚式の衣装のシーンから始まるから撮影が少し大変だったわね。おまけに、いろんなことが大変な状況よ。ニックにはグリムの能力がなくなってしまったし、彼の家では人が死んでる。レナード警部は死にかけてるし、トラブルはグリムであることを知られてしまった。何よりもニックに能力がなくなってしまったことは深刻ね。だから、今シーズンのモンローとロザリーにとって、グリムの能力を失ったニックとどう関わっていくかが大きなテーマになるわ。いままではグリムであるニックが一緒にいることで安全だったけど、今は危機にさらされてる。グリムがそばにいなくなったからといってそれで終わりじゃないの。モンローとロザリーは新たな世界の先頭に立っていると思う。王家の人たちに支配されることなく、グリムとヴェッセンが共存してもっと対等な関係になれるか。2人がそのカギを握っているの。

シーズン4ではモンローとロザリーの結婚に対する仲間の反感が大きな問題になる。それぞれの異なる部族にとって、2人の結婚は一大事だから何かが起こるわ。ヴェッセンの中には極端な思想を持つ者もいて、2人を別れさせようと攻撃されるようになるの。2人の身に恐ろしい出来事がたくさん降りかかるから、今シーズンはスリリングな展開になるはずよ。これまでのシーズンでは、2人の間に起きる問題に対処してきた。楽しい時間を過ごしてきたしお互いを理解するには必要な時間だった。そして今シーズンは、2人の関係が作品全体のストーリーに組み込まれることになるからワクワクしてるわ。ロザリーはもともと行動的なタイプだからね。

ラッセル・ホーンズビー(ハンク・グリフィン役)

モンローロザリーの結婚式はトラブルの乱入でぶち壊されてしまうし、参列者のヴェッセンたちはトラブルたちを追いかけようとして会場はパニックになった。そして、レナード警部は撃たれて危険な状況にいる。すべてはアダリンドの仕業なんだ。窮地に追い込まれた彼女がジュリエットの姿に化けて、ニックはアダリンドとは知らずに偽ジュリエットと愛し合ってしまった。だから、面白いドラマティックな緊張感が生まれているね。ニックは能力を取り戻せるのか。レナード警部は生き延びることができるのか。アダリンドは赤ん坊を取り戻すために何を企んでいるのか。今後の展開が気になるところだね。

ハンクは今のニックを本来のパートナー関係に戻ったように感じているんだ。ニックがグリムじゃなくなって、2人とも頼みの綱を失ってしまった。いままでのハンクはニックの目を頼りにしてきたけど、ニック自身は能力がなくなってただの刑事になってしまった。だから2人は今まで以上にお互いを信頼しなければならない。刑事としての原点に立ち返って、対等な関係を模索することになるんだ。ニックは能力を失ったことで、本来の刑事としての腕に頼ることになる。そして、ヴェッセンを見分けるにはトラブルが必要なんだ。彼女は自分がグリムであることを知ったばかりだから、ニックとハンクはトラブルを頼りにしながら、彼女の行動に一切の責任を取りつつも、彼女にグリムとしての生き方を教えようとする。

シーズン4はレナード警部の身に何が起こったのかを探ることからはじまる。そしてニックと仲間たちに降りかかる困難も明らかになっていくんだ。ニックが能力を取り戻すことでジュリエットは幸せになれるのか、2人の関係も見どころだね。それから、新しい魔物も登場する。第1話で登場するタコ型ヴェッセンは、人間の記憶を奪う能力を持っていて次々に人の記憶を奪っては悪事に利用するんだ。

シーズン4に突入してもクリエーターや脚本家が考える新しいヴェッセンのアイデアはいつも面白くて、今回もいろんな種類のヴェッセンが登場する。まず第1話ではタコ型ヴェッセンが登場して、その次は猛牛型ヴェッセンが登場する。それからヒョウのヴェッセンも登場する。ヒョウに変身する映像を見るとワクワクするんだ。

レジ―・リー(ウー巡査部長役)

シーズン3の最終話にはまだ続きがある。次に何が起こるか話せればいいけど、とにかくいろんな出来事が仲間の身に起きてしまった。展開の読めないところがいくつもあるんじゃないかな。でも結婚式でのことは何にも知らないよ(笑)。たぶん何かがあるみたいだけど。とはいえ、ウーにとってレナード警部が撃たれたことは一大事件なんだ。彼は無敵だって思ってたからね。でも、3発もの銃弾を受けてしまったから、レナード警部がどうなるかは分からないよ。

殺人事件が起きたからにはニックの家を調べなきゃいけない。そして、捜査をしてると家の中で偶然本を見つけるんだ。通報を受けて現場に駆けつけて調べると、目の前に本がある。見ないわけにはいかないよね。

ニックの家で何かが起こって、レナード警部が撃たれたという通報を受ける。そして家に駆けつけると、倒れているレナード警部を見つけるんだ。救命措置をするものの全身血まみれだから、救急車で搬送するんだ。

ウーがフランコ巡査と共に現場(ニックの家の中)を調べると、階段の下に転がっている頭を見つけるんだ。頭はFBIのステュワード捜査官のもので、誰が切り落としたのかは分からない。そして彼の身体は2階の廊下に横たわっていて、部屋の扉に銃弾の跡がある。レナード警部が撃たれて、この部屋で何かが起こって首が切り落とされた。事件の経緯を考えながら部屋に入ると、そこで本を見つけるんだ。普段通りに捜査の一環でその本を見ると、そこには化け物が描かれてた。僕が前に見たアスワングにそっくりだったんだ。

本に描かれている絵は僕が見た化け物にそっくりだった。日記みたいなその本に見入っていると、前に化け物を見た時のシーンがフラッシュバックするんだ。その時から周りで何かが起きていると感じ始める。僕は何にも知らないただの一般人だからね。でも本の内容がすごくリアルで恐怖を覚えるんだ。そして、その本は誰かが見たものを記録した日記なんじゃないかって思うんだ。

ジャクリーン・トボーニ(トラブル役)

自分が出演するエピソードが放送されてからはすべてが変わったの。シーズン4の撮影に入ってすごく楽しんでる。ポートランドでの撮影は、みんなが支えてくれるし何でも教えてくれるの。脚本はすばらしいし、いい感じでスタートを切ってるわ。

前のシーズンで、トラブルニックに出会って、ようやく自分と同じグリムがいることを知った。そしてレナード警部からニックに危険が迫っていることを聞かされて、自分ができることなら何でもやろうと思うの。そこで、解毒剤をニックに届けようとするんだけど、ヴェッセンが大勢いる結婚式の会場へ乱入したことで、状況は一変してしまったわ。だから、今シーズンはそのメチャクチャになった状態を収拾することになる。彼女はFBI捜査官を殺してしまってかなりまずい状況にいるから、グリムの世界を理解しながら何とか乗り切ることになるわ。

ニックにグリムの能力がなくなったことで、トラブルはどうしようもなくなるわ。ニックとジュリエットの家に居候させてもらいながら、ニックからグリムのことを教えてもらっていたけど、ニックとはグリムとグリムの関係ではなくなってしまった。そして、唯一のグリムとなった今、彼女には試練が待ち受けることになるの。

トラブルはまずニックの能力を取り戻すことに奮闘する。そのためには、ニックとジュリエットがうまくやることが重要になるから、まずは2人の関係の修復を図るの。ニックがグリムの時は、ニックの目に頼っていたけど、今は自分が彼の目の代わりになって事件を解決することになる。ただ、トラブルはルールにきちんと従わないから、どんなことになるのか見てのお楽しみよ。

すごく大変だったけど、学校(大学)に戻って卒業できたのはよかったし、今は俳優の仕事だけに専念してる。外を歩いていると道行く人が私に気づいて、私のキャラクターを楽しんでくれてることを話してくれるのよ。「新しいグリムが登場するっていうからどんなもんだろうと思ってたけど、なかなかいい演技だね。」って言ってくれるから、「ありがとう」って答えるの(笑)。この作品に出演することができて、人から少し認知されるようになった。私の演技を楽しんでくれているのがうれしいし、なによりも応援してくれるたくさんのファンがいるのが最高ね。

デヴィット・ジュントーリ(ニック・ブルクハルト役)

シーズン1は、たくさんのクリフハンガーで終わった。1つ目は、病院で昏睡状態になっているジュリエット。この先彼女が目を覚ますのか、それがいつなのか、これからどうなるか何も分からない。2つ目は、魔物を目撃してしまったハンクだ。まだ理解はできていないけどね。だからニックはハンクが病んでしまうんじゃないか心配していて、必要なら何かしないとって思ってる。それで3つ目が、黒ずくめの女性に会うんだけど、その女性が13歳の時に死んだと思ってた母親だってことが判明する。18年も会っていなかった母親が突然現れるんだ。

シーズン2はシーズン1が終わった所から始まる。ニックは母親を目の前にして、どこから来たのか、なぜウソをついていたのかを聞こうとする。やっぱり腹が立つ部分があるからね。それに、どうすればジュリエットを助けられるか方法を探る。それに、刑事としての仕事もある。

ニックの母親は、死んだふりをして18年もウソをついてた。だから、ニックとしては会えてすごく嬉しい気持ちと、腹が立つ気持ち両方があると思う。

シーズン2では、母親と再会したニックが、彼女がどんな人間なのか、どうしてずっと姿を消していたのかを知ろうとする。それに、昏睡状態のジュリエットを目覚めさせるために奔走する。展開が見ものだよ。

メアリー・エリザベス・マストラントニオ(ニックの母ケリー役)は素晴らしい女性だし、すごく才能のある女優だと思う。僕との相性もいいし、素晴らしい新キャストだよ。

シーズン2で、ニックはよりアクション・ヒーローっぽくなってるよ。前よりカッコよくなったし、魔物に対する恐怖心も無くなった。ほとんどの魔物に対してはね。

スタントを担当してるマット・テイラーが素晴らしくて、戦うシーンは動きを全て彼が考えてる。戦い方がさまになるように、かなり時間をかけて指導してもらってるよ。色んなコツを教えてくれるんだ。一定の流れの中で、ボコボコにされてからどうやって反撃に出るかとか、そのプロセスが特にすごく楽しい。スタントの人たちに僕も戦い方や武器の使い方を教えてもらってる。あとは体をもっと軟らかくしないと。どのエピソードでも足を高く蹴り上げなきゃいけないんでね。

ニックは最初の頃に比べてすごく強くなってる。ならざるを得なかったんだけどね。キャラクターのそういった変化を演じられるのはすごく楽しいよ。

モンローとニックの2人は、言い伝えにあるような“本来のあり方”ではないんだ。モンローは憎むべき恐ろしいモンスターのはずで、ニックは危険を顧みずに魔物を始末しているはず。だから、2人とも改良版とでも言うのかな。ニックもモンローも見境なく殺したりすることはない。ただモンローの中には魔物の心があるし、ニックの中にもグリムの心がある。だからある意味、2人は同類だと言える。共通する部分があるんだ。

サイラス・ウェイア・ミッチェル(モンロー役)

シーズン1は、本来なら敵同士であるはずの2人が出会うシーズンだった。僕が演じるブルットバッドのヴェッセンと、グリムであるニック。ニックは自分の正体を知ったばかりで、モンローにとっては恐ろしい存在だったから、最初は微妙な状況だった。でもそれを乗り越えた。ニックは違うタイプのグリムだっていうことが分かって、モンローはニックを助けるようになる。仲間のヴェッセンを裏切ってるような気持ちにもなるけど、よく考えてみるとほとんどのヴェッセンは悪者なんだ。だからニックを助けるのはいいことなんだよね。シーズン1の終わりでは、ニックはパートナーや恋人との間に問題を抱えるようになる。モンローだけしか知らない秘密を、ジュリエットハンクに隠していることに限界を感じて、ニックは追い込まれていく。それに、過去に両親に起きた事や彼らがなぜ死んだのかっていう部分も複雑に絡んでいく。シーズンの終わりにかけて、ストーリーはより広がりを見せて、グリムやヴェッセンだけじゃなくてポートランド以外の世界からも新しい登場人物がやってくるんだ。

僕たちはグリムを助けてる。それは、ほとんどの人にとっては理解できないことなんだ。2人のヴェッセンがグリムを助けてるなんてね。でも、やっぱり違うタイプのヴェッセンと違うタイプのグリムだからね。そこが、このドラマの中心でもあるんだ。与えられた役割はそれぞれあるけど、それに逆らっていい事をするっていうのもきっと可能なんだ。

最初は敵であるはずだった男との距離が縮んでいくのは、結構楽しい。たとえ危険だし変な組み合わせだとしても、ニックと行動することで得もあるかもしれない。このぎこちなさが面白い。この2人は、でこぼこなんだ。

ケリー(ニックの母)の登場は新たな脅威だよ。彼女は僕たちを理解してないからね。古いタイプのグリムなんだ。ニックとモンローとロザリーの関係のことを、理解できない。彼女にとっては道理に反することだし、完全におかしいこと。そいつらと何をしてるの?一緒にはいてはいけない。助けてはいけないし、殺さないといけないって思ってる。だからケリーは新しい脅威で、モンローとロザリーとニックにとっての弊害にもなる。今度はケリーっていう問題を乗り越えなきゃいけないんだ。ケリーは全く納得してないからね。 このドラマの気に入っている所の1つが、魔物たち。種族によって、性質も違う。精神的でもあるし、神話的な寓話なんだ。

シーズン2では、ニックがグリムという役割に真剣に向き合って、より恐ろしくなった敵と戦うことになる。敵は近くにいる魔物だけにとどまらず、人間にとっての世界的な脅威になるんだ。それがシーズン2で描かれる部分なんだと思う。世界が広がり、危険も増す。ニックが自分を守ろうと、恋人やパートナーに自分がグリムであることを隠すだけじゃすまなくなる。世界規模の悪者とニックが戦うシーズンになるんだと思うよ。

モンローの人の良さが試されるようなことがあったら、面白いと思う。モンローは善人になりたいんだ。実際善人だけどね。それと、誰かがモンローを本気にさせるようなことをしたらどうなるかも見れたら面白そうだよね。

サッシャ・ロイズ(レナード警部役)

シーズン1では、レナードの裏の顔が表の顔とは全く別だということが分かった。ヨーロッパの古い王族の血をひいていて、この世界に自分の王国を築こうとしているんだ。グリムが王家には不可欠だと知り、その存在をすごく喜んでる。力を持ちヴェッセンを支配するために役に立つからね。だからこの思いがけない幸運を利用しようとしている。しかし、シーズン1の終わりとシーズン2の初めに、一族の者や過去関わりがあった人たちがグリムという存在を奪おうとレナードの元にやって来るんだ。

その一族は、何世紀にもわたって力を握っていた。それが前世紀に、いうなれば身を隠すことになったんだ。さまざまな政治勢力が進出したが、暴動や反乱などの崩壊を招いたのがその一族で、今は再建を目論んでる。王家が裏で動いていて、ヴェッセンやさまざまな組織が協力していることは、表向きには知られていない。そしてレナード自身も力を手に入れるつもりだし、しかも王家にとってとてつもない助けになるというグリムも近くにいる。ただ、そのグリムの事が王家の一族の耳に入り、グリムを自分の物にしようとレナードのテリトリーに足を踏み入れて来る。

レナードのような権力を持った男が、名誉を損なうような状況に陥るのを見てみたいかな。それに、一族が彼のテリトリーに足を踏み入れてくるストーリーは面白いと思ったよ。自分の過去からは逃れられず、レナードは問題を抱えることになるんだ。その人たちとの関係が一体どんなものなのかも気になる。私が思うに、レナードはなりたい自分に生まれ変わったんだ。そして、ここに来て新たな人生をスタートさせた。それなのに今になって捨てたはずの一族が現れた。そのことで、彼が何を考えているのかが明らかになるかもしれないから、すごく面白そうだよね。

シーズン2では、レナードのかなり興味深い一面が明らかになる。私でも想像できないようなね。だからそのシーンがすごく楽しみだし、視聴者がどんな反応をするのかも楽しみだよ。

レジー・リー(ウー巡査部長役)

主人公のニックは、自分が魔物を見抜くことができる能力を持つグリムだということを知る。その能力によって事件を解決していくんだけど、僕たちはそのことを知らない。だから、シーズン1では主に変身する魔物を見抜くニックと、周りにいる人たちがどんな風に関係していくのかが中心に描かれてた。それで、シーズン1の最後でニックが誰に真実を告げるのか、それともこのまま秘密にしておくのか、っていうのが見所だった。そこがすごく面白いと思ったね。だって、真実を知るキャラクターと、知らないキャラクターが存在するんだから。

ウー巡査部長は興味深いキャラクターだよね。ただ、役者の視点からすると、ファンタジーの要素にも関わってもらいたいなと思う。他のキャラクターと同じように、ウーにも魔物のことを知ってもらいたいんだ。でも、この作品のストーリーの中では、みんなそれぞれに役割があるのも分かってる。だから、ウーが何かに巻き込まれたりするのが最高だね。シーズン1だと、やばいものを食べちゃったでしょ。それでアダリンドの変な魔法がかかって。あれは最高だった。もちろん犯罪捜査もしなきゃいけないしね。だから、ウーにはまだ伸び代がある。どうなるか楽しみだよ。とにかく、もっとファンタジー部分に巻き込まれてくれるといいなと思ってる。

シーズン2は、ちょうど(シーズン1が)終わったところから始まるよ。ニックの母親とジュリエットのことがクリフハンガーになってたからね。それにロザリーっていう魅力的なキャラクターも増えたし。だから最初から、すごいスピードで進んでいくし、最初の1、2話はシーズン1のラストの続きになってる。

ケリー・ブルクハルトめ(笑)。彼女には尻を蹴られたよ。まったく。復讐したいね。僕の考えでは、“黒服の女”ケリー・ブルクハルトはキムラの仲間なんじゃないかって思ってる。だからシーズン1の初めに…っていうかウー巡査部長は尻を蹴られるようなタイプじゃないんだ。本当に。嫌味な僕が言うんだから本当だよ。僕自身も、僕のキャラクターも本当に頑張りたいと思ってるんだ。それにあのシーンは、女性1人に対して男2人だったでしょ?もうプライドはズタズタだよ。だから楽しみにしてて。やり返してみせるから。

ウー巡査部長はドラマの中でワイルド・カードのような役割を持つキャラクターだと思うんだ。どんな方向にも行けるっていうね。だからささいな事から、逆方向に回転する可能性もあるし、今までのように蚊帳の外に置いておくこともできる。全員のキャラクターの中で、僕が一番蚊帳の外でしょ。ドラマの中でのバランスをとるのに必要なのかもしれないけど、ずっとこのままって訳にもいかないと思うな。それに、何かを取り付けるためのフィッティングがあるって噂もあるんだ。どうなるかな?

ブリー・ターナー(ロザリー・カルヴァート役)

私が演じるロザリーは、兄のフレディが殺された後にここにやって来た。兄の死後この街に戻ってきて、家業のスパイス店を継ぐことにするの。ある依存症で7年苦しんで、シアトルにいた。でもこれからはこのポートランドで、自分の人生を取り戻していく。ニックモンローに出会って、ロザリーの中で何かの扉が開いたの。それで誰かを信じて新しい生活をポートランドで始めてみよう、って思えたんだと思う。

私の想像とは違って、プロデューサーはロザリーを慎重で用心深いキャラクターにしたかったみたい。だからニックとモンローに対しても距離があった。最後にはちょっと心を開いたけどね。ただ(シーズン1)第15話の中で、ニックが本当の自分を秘密にしていて、親しい人たちにもそれを隠しているっていう部分にロザリーが共感するいいシーンがあったわ。面白いのが、モンローは同類だけど彼はヴェッセンである自分に自信を持って人間界で暮らしてる。ロザリーはまだそのレベルまで行ってないの。自分のありのままの姿に自信が持てない。だからその葛藤がニックにもあることが第15話で分かって、つながりを感じたんだと思う。モンローや、他のキャラクターの誰にも感じてないようなつながりをね。

このドラマはワイルドよね。でも実はそこがすごく気に入ってるところなの。それぞれのキャラクターに動物っぽい要素がうまく取り入れられていて、すごくいいなと思った。そこがドラマの魅力の1つだと思う。演じてる役者も、何となくその動物に似てる気がするのよね。役者から決めるのか役者が決めるのかは分からないけど、似てる要素がある。

バーニー・バーマン(特殊メイク/クリーチャー・クリエイター)

やあ、僕はバーニー・バーマン。「GRIMM/グリム」の特殊メイクと、魔物や死体のクリエーターをしてるよ。

シーズンを通して、ドラマで実際に使われている魔物や死体、病気や傷などはほとんど全て担当してる。(シーズン1の)第3話で参加してからずっと、おぞましいグリムならではの作品を作ってるんだ。

へクセンビーストは自分的にはすごくやりがいがあった。唇は腐ってはがれかけていて、歯がむき出しになっている状態。だから俳優に合わせた義歯を作って、めくれ上がった唇から歯の奥の喉まで見えるようにした。でも実際には、俳優の唇の上に歯をくっつけて、うまくなじませてる。一番初めに手がけたへクセンビーストのアダリンドは、顔の横まで歯がむき出しになってるよ。

シーズン1ではたくさんの魔物を作ったし、さまざまな特殊メイクが施された。だからシーズン2ではもっとすごい、よりクレイジーな作品を作ろうと思ってワクワクしてる。

カーリー・サーティック(グラフィック・デザイナー)

「GRIMM/グリム」のグラフィック・デザイナーのカーリー・サーティックです。マリーおばさんのトレイラーにある本に書かれた絵は、全部私が描いてるの。それと、ドラマで使われてる色々な表記だったり書き物や絵もね。

ニックが出会う魔物は、全部あの本に描かれてる。最初は自分用として描いてたの。そのうち使うことになるしと思って。だから、基本的には新しいキャラクターが出てきたら、この後の参考のために描いて本に付け足すの。それで、いつも手元に置いておく。

翻訳するのはすごく大変。本の中ではたくさんの言語が使われているの。ドイツ語でも、200年前の古いドイツ語だったり高地ドイツ語だったりするし、フランス語やスペイン語のこともある。

子供の頃は、まさか自分がこんなに恐ろしい絵を描くことになるとは思いもしなかった。ちょっと男性寄りの仕事かもしれない。だって、頭を切り落とす絵を描く練習をするのよ。しかも武器を変えて描いてみたりもするの。他にも、馬に引き裂かれたらとかどうなるかとか、蛇男に丸呑みされた子供は男の腹の中でどんな風になるかとかを調べるの。今まで一度も考えたこともないような、ありとあらゆる恐ろしい出来事を思い浮かべなきゃいけない。しかもすごく真剣にね。人間が頭を切り落とされた時にどんな姿勢になるかを考えるなんて、本当に新しい経験よ。

デヴィット・ジュントーリ(ニック・ブルクハルト役)

「GRIMM/グリム」はとてもユニークな犯罪捜査ドラマだ。この作品の中では童話の中の魔物たちが現代の世界に登場して邪悪なことをしでかすんだ。古臭い感じもなく、やり過ぎな感じもない。現代にその魔物たちがいることが自然に見えるくらいさ。ほかのどの犯罪捜査ドラマとも違うよ。

僕の演じるニックは真面目な普通の警官さ。思い通りの完璧な人生を送っているし、綺麗なフィアンセもいる。そんな彼の人生が突然ひっくり返されてしまう。 グリムの血を受け継ぐ人間には、普通の人間には見えない魔物の姿が実際に見えてしまうんだ。その魔物たちを捕まえて殺すことが、グリム一族の僕に課せられた使命なんだ。

ドラマの中で興味深いのは、ニックが魔物たちを見ることができる能力を持っていることをパートナーのハンクに伝えられずに犯罪捜査を進めなければいけないところだ。僕のキャラクターは何度も大きな転機を迎える。自分の人生の運命を知り、初めはそれを拒む。でも徐々にその運命を受け入れるようになる。邪悪なことをしでかす魔物たちから、ポートランドや世界を守るという、自分に課された使命を果たそうとするんだ。

サイラス・ウェイア・ミッチェル(モンロー役)

僕が演じるのは改心したブルットバッド(Blutbad)という生き物で、ブルットバッドとは、ドイツ語でBlood Bath(ブラッド・バス=血の風呂)という意味なんだ。ある意味で狼人間のような生き物ではあるけど、明確な違いがある。彼は狼人間ではなく、ブルットバッドだ。狼人間についての伝説はいくつもあるけど、それとは明らかに違いがある生き物なのさ。僕が演じるのはニックと共に魔物たちに立ち向かう善良なブルットバッドで、魔物がしでかすような邪悪な行為を封印している男だ。

怪物や魔物が巷に溢れているという世界で、主人公のニックだけがその魔物たちの姿を見ることができるというのが番組のコンセプトだ。現実の世界に片足を、ファンタジーの世界にもう片足を入れて、二つの世界を楽しめるのが素晴らしい。このドラマでは神秘的な出来事と人間の神秘の部分の両方が体験できるんだ。

「GRIMM /グリム」はひとりで見るには怖いかもしれない。でも、もっと怖いのは、一緒に見てる誰かさんが、実はおとぎ話に出てくる凶暴で恐ろしい生き物で、本当は君を食べようとしてるとしたら? とにかくご用心!

ラッセル・ホーンズビー( ハンク・グリフィン役)

ハンクは、ニックのパートナーだ。ニックは、観察眼に優れた、プロファイリング能力を持つ人物として描かれている。一方のハンクは、警察部隊のベテラン捜査官だ。日常生活においても仕事においてもシニカルな視点で極めて現実的なアプローチをする。それにニックを付き合わせて、彼の現実離れした部分とのバランスを取る感じだ。常に現実と向き合って地に足が着いているハンクが好きだよ。ニックとハンクはお互いに足りないところを補い合っていると思う。2人は仲の良い友人でもあるんだ。彼らのたわいない会話のやり取りは、互いへの愛情やパートナーとしての尊敬から生まれるものなんだ。

「GRIMM/グリム」はファンタジーの要素はあるけれど、現実の世界が描かれている。視聴者のみんなはその部分を気に入るんじゃないかな。僕らは皆、幼い頃は自分たちのすぐ近くに怪物や魔物たちが潜んでいるんじゃないかと思っていたと思うし、大人になっても少なからず残っている部分だと思うからね。

このドラマの舞台はポートランドだけど、実際に撮影もポートランドで行われている。ここで撮影できているのは幸運だ。この地で撮影することで、ストーリーの雰囲気をより高めていると思う。雨もたくさん降るし、緑も深いからとても美しいね。とても幻想的な雰囲気だよ。

サッシャ・ロイズ(レナード警部役)

「GRIMM/グリム」は斬新で素晴らしいテイストの作品だよ。エピソードの中には、視聴者も聞き覚えのある童話があったり、それが全く異なった新しい展開になっていたりする。とてもエキサイティングだし、「めでたしめでたし」で終わらないものばかりだよ。

レナード警部のレナード(Renard)とはフランス語でキツネという意味なんだ。彼はまさに、たちの悪いキツネさ。ポートランド市警察の警部で、ずるがしこくて不誠実な奴だ。几帳面で意思が強く、何かを成し遂げるためには突進するタイプなんだ。僕自身は、このキャラクターをとても楽しく演じている。複雑で色んな面を持ったキャラクターは、予測ができないから演じていてとてもやりがいを感じるよ。
僕たちは出来る限りリアルなものにしようとしている。ここで起きている魔法のようなことが、現実に僕らの生きている世界で起きていると思わせようとしている。よく、むごたらしい事件が起きると「こんな酷いことをするのはどんなモンスターだ?」って比喩を言うけど、まさにその答えは、この作品の中で登場するようなモンスターだよ。

撮影地であるポートランドは、幻想的な雰囲気を醸し出すためには最適な場所だ。深い緑に囲まれながら、霧が出たり、雨が降ったり、時には晴れたりと、日に6つくらいの天候パターンがあって神秘的なんだ。

レジー・リー(ウー巡査部長)

「GRIMM/グリム」は犯罪捜査ドラマに、童話を取り入れて、ひねって回してバラバラにして新たな要素を加えて、ある一つの世界で奇妙な事が起きているかのようにまとめたものさ。それが現実の世界で起きているから、とても面白いんだ。二つの世界という設定ではなく、一つの世界で起きているのさ。

ウー巡査部長は、このシリーズの中で起きる事件の情報を提供する役だ。現場を調査したあとに、ニックとハンクに現場の捜査を引き渡す。とても冷淡で嫌味な男なんだよ。なぜそんな男なのかの理由はまだ全く分からないけど、今に分かると思う。

僕が特にこの作品に惹かれたことは、製作総指揮のジム(・カウフ)とデヴィッド(・グリーンウォルト)の経歴の華やかさだけじゃないんだ。実は初め僕はハンク役のオーディションを受けていたんだ。結果はラッセル(・ホーンズビー)に決まってそれはそれで素晴らしいことなんだけど、それに関する面白い話があってね。オーディションが終了した後、会場を後にラッセルと歩いているときに、僕は彼に「もし僕に決まらなかったら、君に決まってほしい」と伝えたんだ。そして彼が役を手にしたわけだけど、その翌日、僕が他のオーディションに向かおうとしていたら、ジムとデヴィットが電話してきて、「レジー(・リー)のことをとても気に入ったから、彼のためにキャラクターを作り出す」と言ってくれた。だから、パイロット版の脚本にあったいくつかの警察官の役の中から、ウー巡査部長を生み出してくれたんだ。僕のために役を作ってくれるなんて話を聞いて喜ばない奴はいないだろう?すごいことさ。そういう経緯があったから、尊重しあいながら、キャラクターをどんな人物にしてゆくかという作業を協力しあえていると思う。

ショーン・ヘイズ(製作総指揮)

プロデューサー・パートナーであるトッド・ミリナーが、ある時「もしグリム童話の話が、今現在起きていて、僕らはそんな世界の中で生きていたとしたら?」って電話してきたのがきっかけだったんだ。それを聞いた僕は、何十年かぶりの最高のアイデアだと思った。まだ僕は4 0 年しか生きてないけどね(笑)。とにかくそのアイデアは誰もやったことがない。でも、もしグリム童話を再現させようとするなら、どうしても16 世紀から18世紀が舞台の時代劇になってしまう。だから現代に設定を持ってくるという発想は意外性があって最高だと思ったんだ。

この番組は、グリム童話を下敷きにした犯罪捜査ドラマさ。殺人事件や犯罪など、200 話以上も存在するグリム童話の中からインスパイアされた何らかの事件が毎回起きる。 これまでのグリム童話は、子供向けの内容のものが知られている。でも実際に原作を読んでみると、そんなに優しいものはあまりなく、どれもダークなものばかりなんだよね。中にはいくつかハッピー・エンドのものもあるけど、人が死んだり、誰も幸せになれなかったりする。残酷な話ばかりなんだ。

ニック役を演じるデヴィッド・ジュントーリは、演技の才能に恵まれたカリスマ性のある役者だ。彼が参加してくれることになってとても幸運だよ。グリム童話の中に存在するような、ハンターが持つべき特性を兼ね備えている。キャストを引っ張って行ける優れた素質を持った主役だ。

ニックは、自分がグリム家の末裔で、魔物たちを見ることができる能力が備わっていることに気づく。彼らは、僕らが生きている世界で普通に人間として生きているけど、ニックの目には本来の魔物の姿として映るんだ。

ショーン・ヘイズ…米NBCで放送された人気コメディ「ふたりは友達?ウィル&グレイス」でエキセントリックなゲイのジャックを演じて人気を博した俳優。本作では製作総指揮として参加している。

トッド・ミリナー(製作総指揮)

この番組は、グリム童話からインスパイアされて起きる犯罪を描いているから、とてもユニークだ。ショーン(・ヘイズ/製作総指揮)と僕で思いついたアイデアだったんだけど、視聴者としてどんな犯罪捜査番組を観てみたいだろうかと話し合った結果、すでに出回っている素晴らしい番組の要素を抜き出して、グリム的な要素を加えるべきだって話にまとまった。だから、犯罪自体はおなじみのものだったとしても、今まで見たこともないような犯人によって犯される犯罪なんだ。

主人公のニックは、グリム兄弟の末裔だ。幸か不幸か、彼は誰が犯人なのか分かってしまうのさ。彼は、ネコをかぶった魔物たちの真の姿を幻視するようになってしまうんだ。彼はグリム一族の中で生存している数少ない存在だ。魔物たちの悪事を阻止できるのは彼しかいないのさ。

「GRIMM/グリム」というタイトルを知らずに、また、グリム童話がベースになっていることを知らずに観ていたとしたら、ファンタジーから生まれた犯罪とは思わないだろう。普通に観ていたら、オオカミやカエルが登場するまでは、普通の犯罪捜査ドラマにしか見えないだろうね。それは僕らも楽しく感じることのひとつだ。典型的な犯罪捜査ドラマの途中でいきなりオオカミが登場する、っていうような展開さ。

毎週毎週、普通の犯罪捜査ドラマだと思いながら見ていると、突然謎めいた事が起きるんだ。ファンタジーと現実の融合がこの番組のいいところさ。これは僕らの作り出した世界で、こういう感じになるだろうってイメージした通りだよ。この素晴らしいグリムの世界を作り出せただけでなく、この美しい母国の地を借りてそれが出来ることはとても嬉しいことだ。

このドラマで僕らは、童話特有の伝統的な色使いや生き物という素材を活かしたいと思った。それと現実的な犯罪捜査の世界を合わせてみたのさ。だから、色使いの中にも断片的にその要素が出ているだろうし、上手く作用しているはずだよ。観ていて直接的に童話そのものと繋がらなくても、番組の雰囲気や視覚的なところで童話の世界と繋がるはずだ。

ジム・クラーク(VFXスーパーバイザー/HiveFXディレクター)

僕らはキャプチャーした場面を作り変えるというよりは、撮影された映像をより大きな視点から見るんだ。だから、僕らの手が加わったことに気付かないくらいに映像が自然に見えれば、僕らの仕事は成功なんだ。僕たちはまるで映像制作におけるシークレット・エージェントのような存在だよ。

特殊効果の作業の中には頭を丸ごと取り換える作業もあるし、CGを使って表情を違和感なく変形させる作業もある。本物か偽物か疑わせるようなものを作り出せれば、僕らにとってそれは成功した仕事と言えるんだ。

魔物たちは死ぬと元の人間の姿に戻るから、ここでも通常のモーフィン(変形)作業が入る。でも今回、新たな技法のおかげで、キャラクターの皮膚の下から変形が始まって、骨格ごと変身するシーンを作り出せるようになった。変形のシーンをより生き生きと描けているから、変形がごく自然に行われていてその境目が分からないよ。見ている人に気付かせないように変身させることが好ましいからね。