ダーティ・セクシー・マネー

豪華なキャストとスキャンダラスでセンセーショナルなストーリーが全米で話題を呼んだ、セレブ・ファミリー・ドラマ

ダーティ・セクシー・マネー

作品概要

豪華なキャストとスキャンダラスでセンセーショナルなストーリーが全米で話題を呼んだ、セレブ・ファミリー・ドラマ

「ダーティ・セクシー・マネー」は、ニューヨーク、マンハッタンの中でもとりわけリッチな地区、アッパー・イースト・サイドに居を構えるダーリング家をめぐって、金と権力、家族間の確執、愛欲と嫉妬が渦巻くドラマである。番組のクリエイターのクレイグ・ライトは、「ベースは70年代から80年代に作られた『ダラス』のようなメロドラマ。ただし、時代に合わせたアップデートが必要だった」と語る。

物語の中心、かつ、狂言回し的役割を演じるのは、ニック・ジョージ。ダーリング家に雇われていた父親ダッチが、ダーリング家のことを第一に考え自分の家庭を崩壊させたと思っているニックは、ダーリング家とは対極にある恵まれない人々を助ける弁護士の道を選ぶ。しかし、ダッチが謎を多く残した事故で急死すると、ダーリング家の家長トリップは、ニックに父親の後を継ぐよう要請。罰当たりなほど高い報酬と共に、自分がサポートする慈善事業への寄付もオファーされたニックは、トリップ夫妻と彼らの5人の子供たちを含むダーリング家の仕事を引き受ける決心をするが……。

本作のクリエイター、クレイグ・ライトは、戯曲家として成功した後、TV「シックス・フィート・アンダー」の脚本を書いてテレビ界にデビュー。その後も、「LOST」や「ブラザース&シスターズ」等の脚本を書いてきた。製作総指揮には、ライトの他、グレッグ・バーランティ(「エバーウッド 遥かなるコロラド」)、ブライアン・シンガー(『X-MEN』、『ユージュアル・サスペクツ』)等があたっている。キャストは、ニック・ジョージ役で「シックス・フィート・アンダー」のピーター・クラウス、トリップ・ダーリング役でドナルド・サザーランド、その妻レティシア役でジル・クレイバーグ、長男のパトリック役でウィリアム・ボールドウィンら、映画界・演劇界のベテランが多く出演している。

◆作品解説

リッチ&フェイマスなライフスタイル!

昔はケネディ家やロックフェラー家、今はヒルトン家やトランプ家と、現実の富豪たちのライフスタイルは常に一般人の興味をかきたててきたが、「ダーティ・セクシー・マネー」に登場するのはまさに、そんな"リッチ&フェイマス"な世界。ダーリング家の贅を尽くした暮らしぶり(時として馬鹿馬鹿しいほどの浪費に発展する)に、超ゴージャスなパーティ、巨額の金が動くビジネス上のライバルとの駆け引き、彼らを追うパパラッチたちとの攻防、そして、不倫・秘密の愛人・隠し子といったスキャンダルが続発する"美味しい"エピソードが満載である。クリエイターのクレイグ・ライトは、ダーリング家の人々たちの豪奢な生活を風刺すると同時に、彼らの"ダークサイド"も描いていこうとする。ライトは「僕は、ためにならないことの方が多い富というものに人間が目をくらませてしまうところを描いていくのにすごく興味がある」と語っている。「ダーティ・セクシー・マネー」はネットワーク局ABCの看板番組ゆえ製作予算も余裕があるとのことで、イースト・アッパー・サイドのライフスタイルを垣間見せてくれるロケ撮影や豪華なセットも見ものだ。

メロドラマ+コメディ+サスペンスのドラマ展開!

基本的には「ダイナスティ」や「ダラス」といったメロドラマの流れを継ぐ大富豪たちを主人公としたメロドラマである「ダーティ・セクシー・マネー」だが、ロマンスや陰謀といったメロドラマ定番の要素の他、主人公ニックの父親の謎の死というミステリーをめぐる謎解きサスペンスや、カリカチュアされた富裕層の日常をめぐるコメディ(双子のジェレミーとジュリエットが"コメディ部門"を主として担当)も加わって、視聴者を飽きさせない展開で物語は進行する。

充実のキャスト陣!

個性豊かなダーリング家の一族には、役同様、個性的かつ演技力が確かな俳優たちがキャストされている。まずダーリング家の中心となる家長のトリップを演じるのは、40年以上にわたって舞台、映画、テレビと幅広く活躍してきたベテラン俳優、ドナルド・サザーランド。同様のキャリアを持つベテラン女優のジル・クレイバーグと共に、心の内をなかなか読み取れないクセ者のトリップ夫妻を余裕たっぷりに演じている。部外者として"ダーリング帝国"を観察する、いわば視聴者の視線を持つニックには「シックス・フィート・アンダー」での好演が印象に残るピーター・クラウス。他には、映画俳優としての知名度の高いブレア・アンダーウッドやウィリアム・ボールドウィン、逆に知名度は低いが舞台や低予算映画を中心に活躍してきたグレン・フィッツジェラルドやセス・ガベルなどのように実力の確かな俳優たちが揃っている。

元々は学園ドラマだった...

クリエイターのクレイグ・ライトがエグゼクティヴ・プロデューサーのグレッグ・バーランティと一緒に昼食をとっていた際、ライトは小学1年生たちを主人公にしたドラマを作りたいとバーランティに持ちかけた。ただし、ただの小学1年生ではなく、富裕層の子弟しか通えないような名門私立学校の小学1年生たちとその親たちが登場するドラマにする。最初の30分間は子供たちと彼らを囲む学校の世界を描き、後半の30分間は、裕福ではあるが今の生活に全く満足しておらず、知らず知らずのうちにその不満を子供たちに投影している親たちを描くという構成にする。そのような構想でスタートした学園ドラマが、紆余曲折した結果、「ダーティ・セクシー・マネー」になった次第である。リッチな子供たちが通う学校から、リッチな一族の日常生活と、舞台は変わったものの、主人公たちが直面する事は同じだ、とライトは指摘する。

フツーのメロドラマとは一味違います

自宅でバレエ「くるみ割り人形」を上演させたり、誕生日パーティに100万ドル費やしたりするダーリング家のような富豪はアメリカでもほんの僅か。「ダーティ・セクシー・マネー」は、そんな特権階級たちの生活ぶりを垣間見せてくれるが、クレイグ・ライトは、視聴者がダーリング一族を悪者のように考えないようなドラマ作りを心がけているという。「僕は、トリップ・ダーリングのように、ダーリング家の人々を甘やかせてやりたい放題やらせているし、彼らの金銭感覚がいかに狂っているかをジョークにして示すこともあるけれど、基本的には、見苦しいのは彼らの周囲に群がるタブロイド紙やパパラッチたちだという考え方をしているんだ」と説明する。また、ダーリング家にとっては外部の人間であるニック・ジョージがいわば"庶民の代表"のような視点を持ち込んでいるのも、ダーリング家の贅沢や浪費が暴走するのを食い止めるはたらきをしている。こうした努力で「ダーティ・セクシー・マネー」は、フツーのメロドラマとは一線を画したドラマになっている。トリップ・ダーリング役のドナルド・サザーランドは、「『ダーティ・セクシー・マネー』はシリアスなドラマなのか、コメディ・ドラマなのか定義することは出来ない。だって、人生そのもののようなドラマだからね」と、このドラマの核心をついたコメントを残している。

作品基本情報

原題 ダーティ・セクシー・マネー
DIRTY SEXY MONEY
データ 2007~2008年/アメリカ/二カ国語/60分/HD作品
製作総指揮 クレイグ・ライト、グレッグ・バーランティ、ブライアン・シンガー
出演 ピーター・クラウス
ドナルド・サザーランド
ウィリアム・ボールドウィン
ナタリー・ジー
グレン・フィッツジェラルド
サミーラ・アームストロング
セス・ガベル
ジル・クレイバーグ
あらすじ